トラブル修理-メルセデスベンツC200(W205)エンジンECUにオイルが回って来る | フリークのブログ

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「それって幾らになるの??」にも、明確にお答えします(^^)

今回は、故障修理というより予防整備です。

 

 

M274エンジンはECUにエンジンオイルが回ってきます。

M271やM272エンジンでは、カムマグネットの所から毛細管現象にてエンジンオイルがECUに回りましたが、W205などに搭載されているM274エンジンでは、そちらから回っているのはまだ当たった事が無いです(弊社レベルでの確認ですが)。

 

 

比較的低走行車両でもこの毛細管現象によるオイル回り被害は多く、ちなみに今回の車両は走行3万キロですが、ちょっと危ない所でした。

 

 

 

走っている台数は結構多めのW205。

 

 

 

エンジンルームです。

 

 

 

水冷インタークーラーを取り外します。

冷却水もある程度抜けます。

 

 

 

インタークーラーのブラケットを取り外せば、今回の原因の主犯「クランクベンチレーションバルブ」が姿を現します。

 

 

 

ベンチレーションバルブに刺さっているこのカプラー部分からエンジンオイルが回ります。

 

 

 

抜いてみると・・・

 

 

 

既にベトベトでした。

でもこの車両は、まだECUへのオイル進入までは行っていませんでした。

 

車両ハーネス本体に合流する手前で点検しましたが、そこもオイルは回っていませんでしたので、出来るところまでは掃除をしておきました。

 

 

新しいベンチレーションバルブを取り付けます。

ちなみに、部品番号は大きく変わっていましたので、何らかの対策が施されている可能性が高いです。

 

更にここに追加で、オイルが回らない様に加工された専用ハーネスを追加!!

それにより、以後も安心が長く続きます。

 

 

 

取り外した部品たち。

 

 

 

ついでにスロットルボディも取り外して綺麗にしておきます。

※もちろん最後には診断機にてスロボ学習地のリセットも実施。

 

 

 

交換完了!

ドンドン元に戻していきます。

 

 

 

今後、もし万が一の事があっても対処出来るように、ECUのフルバックアップを取っておきます。

flashファイルおよびeepromファイルも丸ごと全てバックアップしますので、もしこのECUが破損しても、全く同じクローンを作る事が出来ます。

 

 

 

そのバックアップファイルが欲しいという方には、USBにてお渡しも可能です(USB代は下さい)。

 

 

 

バックアップ後も再度、オイルの混入が無い事、ピン曲がりや折れ・破損が無い事を確認して車両に戻します。

 

 

 

最後に、エンジンルームを綺麗に洗浄。

冷却水も補充して、診断機にて最終チェックも実施。

 

全てOK!!!

これで安心です。

 

それにしても、、、

久しぶりに整備したら、腰が痛い・・・・

最近事務仕事ばっかりやってたから、筋力低下甚だしい・・・

現在、物販部門のシステムを変えて行ってるので、今後は今よりもう少しは整備に携われるかも、なんて、淡い期待をしています。

 

 

 

余談ですが、この毛細管現象。

私が初めて当たったのは、30年程前の初代ワゴンRでした。

メーターの裏からATFが垂れて来るというやつ。

最初知った時には、「いやいや!まさかね~」なんて思っていたけど、足に垂れ落ちて来る液体は本当にATF!!

 

この車で何が起こってるんやー!!って思いましたが、その後出るわ!出るわ!この案件。

 

ワンツードアとか、懐かしいなぁ~

 

 

 

 

あ、ちなみに、このCクラスと同じエンジンを積んでいるモデルでオイルが回ってしまった車両の写真も持っていますので、どんな感じなのかだけ載せておきますね。

 

 

 

 

ECUカプラー外したら、もうこの状態。

 

 

 

ECUにはオイル溜まり在り。

 

 

この手の車両に当たった場合は暫く逆さまにして放置。

出来る限りオイルを抜いておく事しか出来ませんが、何もやらないよりマシかと。

 

当然この場合もバックアップを取っておきます。

でも、オイルが回ったからと言ってすぐに壊れる訳でもありません。

蓋を開いて洗浄も可能ですが、それはそれでリスクがゼロでは無いので、よほど酷い場合は提案させて頂く事もありますが、まずは予防整備を。

 

同エンジン搭載車両や、エンジン違っていても気になる方は、早めに主治医に相談して下さい。

 

 

 


今回の予防整備では、

 ・クランクベンチレーションバルブ交換

 ・冷却水充填

 ・ECUデータフルバックアップ

 ・スロットルボディ洗浄

 ・各学習値リセット及び試運転実施

以上の作業を行っております。

今回の修理ご請求額は、\ 57,310- (税込)となっております。


ご用命、ありがとうございました<(_ _)>

 
 <参考データ:車両走行距離  32,000km>





※同じ内容の故障事例でも、必ずしも原因は同じとは限りません。同じDTCでも原因が多岐にわたる事もあります。修理の基本である、しっかりとした問診と診断手順で原因究明して下さい。「同じ部品を交換したけど直らなかったけど、どうして?」という意味不明の連絡が同業者様から寄せられています。基本の順守をお願いします。ユーザー様も、症状が同じだからといってお付き合いのある整備工場さんに「この部品を変えて下さい」といった指示はお控え下さい。


※弊社では時々整備ブログを書かせて頂いておりますが、ブログ掲載を行って欲しくないお客様は事前に申しつけ下さい。出来る限りこちらからも「掲載可否」を頂く様心掛けますが、折り悪くその接点を持てない事もあるかと思います。ご来店時アンケートにも、「掲載可否」の項目を追加させて頂きました。掲載内容・記述内容に付いて訂正・削除をご希望の方はご連絡下さい。出来る限り早急に対応させて頂きます。

 

 

 

 

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愛媛新聞社の「マイベストプロ」に掲載されました

 

 

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