NOxやAdBlueが原因でエンジンチェックランプが点灯する。
この現象はまだ一度も車検を受けた事が無い現行車両（新車登録から3年以内）でも沢山報告されています。
新車で購入された方には”メーカー保証”が付いていますので無料対応して貰えますが、そうでないオーナー様は大変！！
新しくて走行距離の少ない車なら問題無いだろう！という過去の常識が全く通用しません。
2021年式のお車で、既にNOxセンサーは2回交換、AdBlueはカウントダウンが始まったので1回交換、、、という話しも入って来ています。
今回のお車は、非常によく売れたW205のCクラス。
こちらのモデルでは、ガソリン車・ディーゼル車問わず、NOx系エラー大量発生中です。
（分母が多いからその様に感じるのでしょうが）
エンジンチェックランプが点灯。
以前にもNOxのエラーで点灯した事があるとの事ですので、今回もNOxだろうと思い、ご来店下さいました。
ところが診断してみると、原因はNOxではありませんでした。
症状を伺い、現状無症状でありDTCも過去フォルトとなっている事などをお伝えし、再発した場合の修理について打ち合わせをさせて頂きました。
ただ、今回はNOxでは無かったとはいえ、やはりNOxは気になってしょうがない。
幾度となくチェックランプを付け、その度に「あぁ・・・また点いた・・・」と意気消沈し、ディーラーに予約をして、持って行って診断機繋いで貰って1万円以上。
とにかく、NOxに関しては出来るなら排除したい。
更に言えば、AdBlueもどうにかならないか！という事になり、結局AdBlueとNOx撤廃を行う事になりました。
現状では、AdBlueもNOxも不具合は出ていません。
AdBlue液量は約半分。
走行可能距離は、残り11,300km。
・・・このメーター表示、ちょっと嫌な予感が。
まずはAdBlueを満タンにして(必須)、ECUのリセットに備えます。
AdBlueを満タンにして認識させると、ご覧の通り、走行可能距離は26,100kmになります
AdBlue燃費はMAXで26,000kmという事ですね。
嫌な予感的中。
やっぱり、DelphiのEUC。
果たして上手く行くのかどうか・・・
まずはいつものルーティーンでAdBlueとNOxの撤廃をしてみます。
やっぱり、、、バグった。
エンジン始動不可・・・、実際はかかりますが、カウントダウンがいきなり上限まで進んでしまいました。
AdBlueを補充してください！？
満タン入ってますけど(^^;
液量計測も出来なくなりました。
AdBlueレベルは別にこれでも良いのだけれど、この手のエラーメッセージを伴うパターンは非常にマズイ。
フェールセーフが働いて、時速20km以上でないパターンも経験があります。
エンジンチェックランプは一先ず消えたけど、やはりAdBlue関連はバグったまま。
いつもは、全国の整備工場さんからECUだけ送られて来て(FLEXを購入頂いたグループ内の方からはファイルのみ)、それをごぞごぞ弄ってるだけですが、現車が目の前にあればあれこれと対策を練れますし、少し時間はかかりますがこの”Delphi CRD3”を攻略する事が出来ます。
お客様には申し訳ありませんが、
「このDelphi CRD3を完璧に攻略したいので、このお車、1～2日貸して下さい！！」と懇願。
すると、「大丈夫！！思いっきりやってくれ！！」と快諾！！
この様な方々からのお力添えがあって、トライ＆エラーを繰り返しながら一つずつ攻略して来れています。
今までも沢山のバグやトラブルに直面してきましたが、ひとつずつ攻略して来れました。
そもそも、私がこのAdBlue撤廃やNOx鈍化を始めた時は、日本で誰も行っていなかった時です。
イタリアメーカーから、お仕事として成立するのかも分からない状態の時に、130万円以上かけてあれこれ揃えました。
海外のファイルサービス数社とも契約し、そちらは200万円弱のお金をかけてきました。
キャッシュフロー悪化を防ぐため銀行に相談しても、「ちょっと何言ってるか分かりません」的な回答。
経営計画なんて書ける訳が無い。
日本国内見渡しても前例がゼロだから、机上の空論よろしく全くの絵空事を並び立てる変な奴にしか見えなかったであろう私に、「フリークネットからお金出して、あれもこれも揃えて始めてみよう！日本発！！」と言ってくれたうちの奥さん。
あれから数年経ったけど、今ではイタリアFLEXの日本代理店にもなり、フリークネットからFLEXを買ってくれてグループに入ってくれた会社は二けた台まで増え、しかも現時点でも導入計画中の会社が3社。
NOx鈍化やAdBlue撤廃も少しずつ日本国内に浸透して行き、EGR撤廃、クローン作製などまで含めて、日本各地で出来る工場が少しずつ増えて来ています。
今後はここにプラス、先日Audi S4で成功したTCUクローンによるトランスミッション修理にも着手し始めました。
これも近々グループ内にて共有予定です。
弊社からFLEXを購入して頂いた方は(私が勝手に)私のグループとなり、情報共有しながら同じような事が出来る様になって貰います。
※現時点ではLINEで情報共有していますが、新規参入者が過去ログを見れないので、今後は別サイトに移動を検討中です。LINEの中にそんな機能は無いのかな？？ご存じの方居られましたら教えて下さい。
さて、お預かり中のバグ発症W205はと言いますと。
一先ず、完全に元通りのプログラムに一度戻しまして、
出来上がった新作プログラムをインストール！
メッセージが消えました。
エンジンチェックランプも消えました。
メッセージは無し！
AdBlueレベルは測れない様にしていますので問題無し！
スターターロックカウントダウンも10,000kmにアップ。
そして、試運転を50km程度行い、このカウントダウンが完全に
固定(カウントダウンしない)されている事を確認。
エンジンフィールも軽くなり、かなり上出来のファイルが出来上がりました。
これで、今後Delphi CRD3が来ても、何ならECUだけ送って来て貰っても問題無しです！！
（お車お預かりが完ぺきではありますが）
お客様のご希望があり、満タンにしたAdBlueは全量抜いて空にします。
軽量化も図れます。
もちろん、最初に満タンにした費用は戴いておりません。
これで、AdBlueやNOxの度重なるトラブルに悩まされる事もなく、今後の不要な出費も防ぐ事にもなりました。
本当に必要な、消耗部品や点検整備に費用をかける事が出来ますね！
お車、快くお貸しくださりありがとうございました。
＜ECUプログラミング施工に付いてのブログ注意書き＞
毎回書かせて貰っておりますが、これを「修理です」とは言えないと思っています。
ただ、NOxにしてもAdBlueにしても、部品はどちらもかなり高額である上、長期欠品のため直したくても直せないトラブルです。
それをプログラムで少し「調整」してあげるというものです。
エンジンチェックランプが点灯し続けていて、
その原因・内容が分かり切ってはいるものの、
NOxやAdBlueがチェックランプを点灯させ続けている事で、
全く別の重大なトラブルが発生したとしてもドライバーさんは気付く事が出来ません。
過敏に反応する所を少し調整してあげてチェックランプが反応しない様にしてあげる事で、別で本当に重大なトラブルが生じた際にはきちんとドライバーさんにお知らせしてくれるという、本来の「エンジンチェックランプ」としての機能を取り戻す作業です。
同作業をご希望される方は、その辺りをご理解下さい。
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愛媛新聞社の「マイベストプロ」に掲載されました
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