トラブル修理-ボルボ V60 エンジン不調からの載せ替え&ECUクローン作製 | フリークのブログ

フリークのブログ

自動車の整備を、もっと身近に、もっと分かりやすく!!

「それって幾らになるの??」にも、明確にお答えします(^^)

仲良くして貰っている整備業者さんよりお仕事のご依頼。

 

 

 

ご依頼内容は、エンジン不調の原因探求。

プラグやコイルを交換しても、交換するたびにミスファイア検知箇所がコロコロと変わるというもの。

色々調べて行くと、原因は3番シリンダーの圧縮がゼロ。

 

オーバーホールしての修理も検討しましたが、

余りにも部品が無さ過ぎて全く前に進みそうにない・・・

(本国欠品も多発)

 

 

では、程度の良い中古エンジンはないかなと探してみましたら、

 

 

 

走行4万キロで、更に現状自走可能な状態で、

最近リヤ周りを事故しただけの、フロント無傷の同型ボルボが見つかり、早速中古エンジンを手配しました。

運がいい!!

 

 

 

距離は少ないとは言え、タイミングベルトを含む消耗部品は交換です。

SSTを用意して、

 

 

 

うちの手練れが組み上げて行きます。

 

 

 

タイミングベルトも勿論ですが、こんな時でなければなかなか交換のし辛いサーモスタットやその他シール類などを同時交換して行きます。

 

組みあがったエンジンを載せ替えてエンジン始動。

勿論問題無し。

 

 

 

それはそうと・・・、

 

 

お預かり当初より入っていたこのDTC。

極端なエンジン不調と、多発するミスファイア検知の陰に隠れていたけれど、

 

CEM(セントラル・エレクトロニック・モジュール)には、メインバッテリーリレー、一般不具合情報、一般電気的不具合のDTC。

 

そしてECM(エンジン・コントロール・モジュール)には、CEMと同じ内容のエラーを検出。

 

 

そして症状はと言えば、

ドライバーさんが感じる内容としては、

ハンドルを回すとオーディオが落ちる、

アイドリングストップしない・・・など、

直接伺った訳ではありませんので他にもまだあるかも知れませんが、

エンジン載せ替え完了後に試運転した結果では、上記の様な症状を確認。

まるで、オルタネータの発電がとても弱い様にも思えます。

 

 

あれこれ追いかけて行くと、

 

 

結局、エンジン始動と同時に小さなサブバッテリーのみで電装関係が動いている事が判明。

メインバッテリーはエンジンをかけているのみ。

エンジンが始動したと同時にメインバッテリーが回路上から切り離されて、小さな小さなサブバッテリーだけで動いています。

これって、アイドリングストップでエンジンが止まっている状態の時の、そのまんまの状態って事。

こりゃ、サブバッテリーに負担はメチャクチャ掛かってるし、

走っている間も電気はサブバッテリーのみで供給されているのだから、そりゃ電気足りませんよね。

 

 

 

そこで先に疑ったのはこのリレー。

こいつが、エンジン始動と同時に「カチッ」音を出して、メインバッテリーを切り離している。

動作自体は行っているので、このリレーのON/OFFを間違った状態で操っている犯人が何処かにいるはず。

 

ちなみに、装着されている場所は、

 

 

こんなところ。

 

「アース回路に短絡」というのは「ショート」していますよ!なので、これの原因は何処か?誘発している何かが他にあるのかを順に調べて行くと、このボックスの中にショットキーダイオードを発見。

 

このダイオードが悪いか、、、

もしこれが犯人で無かったら、あとはこの上流でショートを起こすとなると、ECU内部しか無い。

 

ダイオードが犯人であることを願って部品を調べてみます。

とは言え相手はボルボ。

部品供給の最小単位は、だいたいはこのBOX丸ごとってパターンが多いので、何ならこのショットキーダイオードのみ取れないか探してみると、なんとこれは日本の企業が作っているダイオードという事がわかり、その企業のサイトから単発で注文。

 

 

数日後、何処の国から何が届いたの??って思ったら、

 

 

開けてみたら、例のダイオード。

 

頼むから直ってくれ~~!!!

という、願いは儚くも散ってしまい・・・

例のDTCは全て残ったまま消えない。

消してみてもすぐさま立ち上がって来る・・・

 

 

 

残念ながら、こいつでほぼ確定。

 

 

ご依頼頂いている業者さんにここまでの経緯を話して相談し、続いては中古のECUを探してみる事になりました。

 

このエンジンが載っていた元の車は、恐らく同型ECUと思われるので確認。

見事品番がドンピシャ適合!!!

 

 

早速取り寄せて、故障ECUからデータを吸い出し、

 

 

 

あれこれやってクローンを作成。

 

 

そして、完全クローン体となった故障していないECUを車両に装着しエンジン始動。

 

 

 

エンジンも一発始動!!

そして無事、ずっと消えてくれなかったDTCは全て消失してくれました。

 

ちなみに、

ショート関連のDTCと合わせて、どうしても消えてくれなかった

「サーモスタットヒーター制御回路」のエラーも消失。

 

君もECU絡みだったのね。

 

 

自分たちもやりたい事やらせて貰って、

きちんとした形で完治まで持って行かさせて頂けた事に感謝です。

 

 

 

さて、私は今日から東京に出張です。

このブログは機内で書いています

(何だか、出来る営業マンみたい!)

 

ビッグサイトで開かれる IAAE に,、関係企業さんが招待してくれました。

二日ほど現地滞在します。

会いたいと言って下さっている方々数名とお会いする予定ですが、もし東京ビッグサイトを訪問される方が居られましたら、是非会ってお話ししましょう!

ちなみに8日の夜は三茶駅辺りに居ます。

 

ここに個人のLINE-IDなどはちょっと掲載しにくいので、

もし「会ってやってもいいぞ!」って方は、会社の方に電話して頂き、私の個人LINE-IDを聞いて下さい。

 

色んな意見交換をしましょう!!

そしてもっともっとこの業界に、横のつながりを(^^)

 

 

 

 


※同じ内容の故障事例でも、必ずしも原因は同じとは限りません。同じDTCでも原因が多岐にわたる事もあります。修理の基本である、しっかりとした問診と診断手順で原因究明して下さい。「同じ部品を交換したけど直らなかったけど、どうして?」という意味不明の連絡が同業者様から寄せられています。基本の順守をお願いします。ユーザー様も、症状が同じだからといってお付き合いのある整備工場さんに「この部品を変えて下さい」といった指示はお控え下さい。


※弊社では時々整備ブログを書かせて頂いておりますが、ブログ掲載を行って欲しくないお客様は事前に申しつけ下さい。出来る限りこちらからも「掲載可否」を頂く様心掛けますが、折り悪くその接点を持てない事もあるかと思います。ご来店時アンケートにも、「掲載可否」の項目を追加させて頂きました。掲載内容・記述内容に付いて訂正・削除をご希望の方はご連絡下さい。出来る限り早急に対応させて頂きます。
 

 

 

 

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

(1) フリークでは、密閉式ミッションの圧送交換が出来る様、様々なアタッチメントを製作・販売しております。メーカーから提供されていないストレーナーや、長期欠品しているストレーナーの在庫も出来る限り取り揃えています。商品一覧はこちらです → F-PETシリーズ

 

(2) フリークは、AUTELの代理店でもあります。AUTEL製品のご購入を検討されている方は、連絡頂けましたらお見積もりさせて頂きますAUTEL インテリジェント テクノロジー

 

(3) 弊社への連絡は、LINEかメールをご利用下さい。連続したお問い合わせの中で失念してしまうのを防ぐ為です。ご協力下さい。LINE-ID 「freakltd」 メールアドレスは 「 info@c-frk.jp 」 です。

 

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

 

株式会社フリークのホームページはこちら

 

 

ブログランキングに登録しています。
クリックして頂けるとランキングが上がりますので、お願い致します(^^)

 

 

愛媛新聞社の「マイベストプロ」に掲載されました

 

 

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・