トラブル修理-ミニ(F54)診断結果には騙されないぞ!!ウルトラを使った診断 | フリークのブログ

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「それって幾らになるの??」にも、明確にお答えします(^^)

松山市内の自動車販売店さんより修理のご相談。

お車はBMWミニ(F54)。

 

症状は、

・エンジンチェックランプが点灯

・朝一などの冷間時に特にエンジン不調

・登坂などではアクセルを踏んでも加速しない

という内容です。

 

どちらかで既に診断済みらしく、

「エアフロのエラーが出ていましたので、エアフロセンサーの交換を」という事でお預かりさせて頂きましたが・・・

 

さてさて、原因はいかに!?

 

 

 

まずは診断機を接続して点検します。

 

そして今回使用する診断機が、Autel MaxiSys ULTRAです。

 

オーテル・インテリジェント・テクノロジー(Autel日本法人)の社長までもがわざわざフリークにお話しに来てくれて、フリークはAutelの代理店までさせて貰っていて、しかも、今後の建設的な話を色々してくれたりしているのに、未だに、よそから買った”エリート”を使ってるのも何だかなぁ・・・なんて思い、、、

思い切って”MaxiSys ULTRA(ウルトラ)”買いました!

これで、MaxiSys2台持ちです(笑)

そして、診断機はこれで14台目。

あ、いや、

今日、スズキの純正診断機も届いたから、これで15台目だ・・・

ん?16台目か??

ん~、まぁいいや。今度時間がある時にでも数えておこう。

 

 

ウルトラは、インターフェースが超高速で、画面も大きく、そしてオシロ機能も内蔵しているというハイスペック診断機です。

「オシロなんて使わねーよ!」って整備士さんが殆どだと思いますが、まぁ、そんな事言わずに。

 

ウルトラの大画面を有効に使った2画面表示機能を使い、部品の良否判定をしてみます。

 

 

 

まずは診断結果。

 

・118002 混合気制御:混合気が濃すぎる

・102001 エアマス:高すぎる

・120308 チャージ圧コントロール:圧力が低すぎる

・108F01 インテークエアシステム:ターボチャージャーとインテークバルブの間の漏れの疑い

・102002 エアマス:低すぎる

 

確かに、ご依頼主の業者さんが言われていた通り、エアマスのエラーが2つも入っています。

でも、高いも低いも検知していますので、きちんと動作しているのでは?

それよりも、気になる奴が幾つか居ますね!!

 

その中でも特に、118002なんて、よく悪くなる「アイツ」が引き起こす代表的なDTC!

 

 

症状から見ても、診断結果から見ても、

まずは気になる「アイツ」をチェックします。

 

 

 

チェックするといっても、そんな部品の良否判定はどうやるの?

ですが、ここで出てくるのがオシロスコープです。

 

ウルトラには波形ライブラリーも入っていますので、気になる「アイツ」の正常波形をまず確認します。

 

 

 

正常な場合はこんな波形なんですって!

 

 

 

早速オシロを繋ぎます。

 

 

 

おや!?

これは、青森のマイスターが過去に教えてくれた波形そのもの!!

閉じ不良に見受けられる小突起付きの波形が出ました。

そういや須藤さん、こんな事言っていました。

「駆動信号の非通電(12V)時に小さな突起が出て来るのは、壊れる予兆(もしくは壊れている←これは私が勝手に追加)と捉えていいかと思います」って。

 

 

 

せっかくだから動画も。

それにしても、カチカチとうるさい。

壊れたキャニスターパージソレノイドバルブ(以下、パージバルブ)って、よくこの手の音が出ますよね。

 

 

 

新品に交換します。

 

 

 

そして再び波形を確認。

例の小突起が現れなくなりました!

 

そして、ここからがウルトラの真骨頂。

大画面を2画面表示にして、

画面左側で波形をモニターしながら、

画面右側で診断機によるアクティブテストでパージバルブを強制駆動してみます。

波形がどの様に変わるかも見て下さい。

 

 

 

アクティブテストでパージバルブを強制駆動すると、波形変化が目に見えて分かりますので、部品がきちんと動作している事を客観的に判断出来ます。

アクティブテストの結果が、駆動音がする・・・とか、何だか回転が高くなった気がするから動いていると思う・・・などという抽象的なものではないので、お客様にもご納得して頂けるのではないでしょうか。

 

 

 

交換後はエンジン冷間時でも絶好調。

念のため翌朝まで放置し、朝一の完全冷間での始動も確認。

あれ程調子の悪かったエンジンが、今では嘘の様に元気です。

(ちょっと、エンジンマウントのへたりが気になりますが)

 

その後の試運転も調子よく、一連の確認作業をすべて終えた後に再度診断した結果が上記です。

 

ちなみに、当初よりずっと出ているフロントブレーキパッドエラーは、業者さんにお伝えして交換させて頂く事となりました。

 

 

 

余談ですが、こちらスモークテスター。

これもフリークで販売しています!!

 

目視ではなかなか分からないエア吸い箇所を発見出来るので、写真に写っているメルセデスベンツに使うつもりで、ついでに写真とか撮ったりしてたらね・・・

 

 

 

もうほんと、スモークの量、凄いんですよ!!!

車の周り、スモークだらけになっちゃいました。

そりゃ、これだけモクモクと出てくれたら、しっかり診断出来ますね!!

 

 

 

ミニから取り外したパージバルブ。

息を吹き込んでみて、シャッターが開きっ放しになっている事は既に確認済みではありますが、せっかくモクモク出てるので差し込んでみました。

こりゃ、ダメですね!

 

という事で今回は、

診断機が出して来るエラーに惑わされず、

診断機とオシロを使ったトラブルシューティングを見て頂きました。

 

 

オシロ・オシロ言っていますが、私なんてまだまだ駆け出しの下の下、底辺レベルです。

うちのスタッフはもっと凄いし、更にはもっとすっげー化け物級の人達が大阪や青森や宮城や長崎や鹿児島にいますし、私がまだ存じ上げないだけで、凄いマイスターが日本各地に居るのですから、この業界、本当に青天井です。

 

もっともっと勉強しなきゃ!!

 

 



※同じ内容の故障事例でも、必ずしも原因は同じとは限りません。同じDTCでも原因が多岐にわたる事もあります。修理の基本である、しっかりとした問診と診断手順で原因究明して下さい。「同じ部品を交換したけど直らなかったけど、どうして?」という意味不明の連絡が同業者様から寄せられています。基本の順守をお願いします。ユーザー様も、症状が同じだからといってお付き合いのある整備工場さんに「この部品を変えて下さい」といった指示はお控え下さい。


※弊社では時々整備ブログを書かせて頂いておりますが、ブログ掲載を行って欲しくないお客様は事前に申しつけ下さい。出来る限りこちらからも「掲載可否」を頂く様心掛けますが、折り悪くその接点を持てない事もあるかと思います。ご来店時アンケートにも、「掲載可否」の項目を追加させて頂きました。掲載内容・記述内容に付いて訂正・削除をご希望の方はご連絡下さい。出来る限り早急に対応させて頂きます。

 

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(1) フリークでは、密閉式ミッションの圧送交換が出来る様、様々なアタッチメントを製作・販売しております。メーカーから提供されていないストレーナーや、長期欠品しているストレーナーの在庫も出来る限り取り揃えています。商品一覧はこちらです → F-PETシリーズ

 

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