トラブル修理-NOxセンサー不良によるチェックランプ点灯で、いったい何人の方が泣かされているか | フリークのブログ

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「それって幾らになるの??」にも、明確にお答えします(^^)

現在、夏季休暇真っただ中ですが、

この休みを利用して、事前にした準備していた事を色々と深堀りしております。

 

 

会社の方は既にお休みに入っていますが、

12日、13日と、朝8時から夜19時頃まで、結局夫婦二人でがっつりと仕事をしておりました。

事務仕事が全然終わらないんです(^^;

うちの奥さんは、「15日も出ないと無理っぽい・・・」なんてぼやいていましたが・・・

働き者の嫁というのは、経営者にとって非常に有難い事ではありますが、あまり無理をして欲しくないので、心裏腹です。

 

 

休みとは言え、シャッターは開けていましたので、

神戸から旅行で来られていたメルセデスベンツのご夫婦さんが「助手席ドアが閉まらなくなりました」と立ち寄られたり、

神奈川から愛媛に帰省中のW124が香川県の高速道路上で冷却系統トラブルによりオーバーヒートして運ばれて来たり、

長野県に行かれている愛媛県の方から「走行中、車から不穏な気配が・・・」という相談があったり、

 

何だかんだと、他にも色々電話頂いたりとかでして、ネタには事欠かない状態ではあります。

 

 

 

私がこの二日間、奥さんと共に会社に出ていた理由はと言えば、一番はホームページの改良ですが、二番目は今回の表題にもあります「NOxセンサー」への対応・対策に付いて色々練ってみようと思っての事です。

 

ホームページに付いては、商品ページをもう少し見易くという事でしたので一日あれば終わりましたが、その作業をしながらも車の方を時々ちょこちょこイジっては次の案を、イジっては次の案を・・・とやっておりました。

 

 

 

さて、この問題のNOx!

 

既に苦い経験をされている方も多いと思いますが、兎に角チェックランプを点けたがります・・・(笑)

 

しかも、笑い話にもならない事が2点。

 

一つ目は、NOxセンサー1個が10万円するという事!

 ※社外部品・優良部品は過去に何度となく試しましたが全てダメ!

そしてもう一つは、ここ1年位の間、ずっと「世界欠品」という事!

 

 

チェックランプが点灯しました!

診断機を当ててみると、原因はNOxセンサーでした!

部品交換で、診断料と工賃まで含めると12万円です!

※V型エンジンの場合は2個付きなので約25万円です!!

 

そして、これが何と、何回も何回も壊れるという事。

 

私が知っている方の中で一番酷い例は、県外の方ですが、5回交換している方が居られます。

まぁ、この方の例は飛び抜けていますが、非常に多いのが、

今まで2回交換したけど、今回これで3回目がまた点灯・・・という方や、実際3日前までお預かりしていたフリークのお客様はW205で、今までディーラーさんで3回交換しているが、今回4回目が点灯した・・・なんてのもあります。

 

頻繁に点灯する方は2年おきに交換している様で(チェックランプ点灯の為車検に通りません)、聞いた中で一番酷い方は1年おきに交換している方が居られました。

 

ディーラーさんに、「対策された新しいプログラムなんかあったりするんじゃないですか!?」という相談をした方も居られましたが、その様なものは無いそうです。

それに、ディーラーさんでも恐らくこの件については頭を悩ませているという事もあるでしょうから、そんなプログラムがあればすでに更新している筈です。

 

このNOxセンサーに、皆さん一体どれだけのお金を落として来たことやら・・・

 

 

そしてこのNOxセンサーに付いて、少し前から「どうにかならないものか・・・」と考えており、今回のお休みでその辺り考える時間や作業する時間を頂いての色々トライという事です。

 

 

 

NOxセンサーが原因でエンジンチェックランプを点灯させると、診断機で消さないと消えません。

チェックランプ点灯の多くの場合、とある理由で一瞬だけ「閾値」を超えた為点灯させていると私は考えています。

その為、フリークに入庫して来たNOxセンサートラブルの多くは、入庫時で既に「過去故障」となっているのです。

 

 

NOxセンサーが壊れているのではなくて、一部要因により一時的に異常数値を検出してチェックランプを点灯させているが、NOxセンサーは再び正常動作に戻っている。

しかし、チェックランプが消えないので、結局「交換」となっているという事です。

 

 

そりゃ、今まで完全に壊れたNOxセンサーも、何台か診ては来ましたが、それでも割合で行くと20%程度ではないでしょうか。

この手のトラブルの多くは、実はNOxセンサーが悪いのではないと推察しています。

 

ただですね・・・、

エンジンチェックランプが点灯しました → 原因はNOxセンサーでした → という流れに於いて、この先に必ず訪れるのは「NOxセンサーの交換」しかないのです・・・

 

診断したディーラーさんが悪い訳でも無く、判断をしたメカニックさんが悪い訳でも無く、これは必然的にそうなる、いや、否応なしにそうなってしまうルーティンなのだから仕方ないんです。

NOxセンサーがダメでチェックランプが点灯したのに、違う部品を交換する訳がありません。

 

ただ、そのルーティンで最後に訪れるのが「NOxセンサーは世界欠品中ですので、納期に4週間程度かかります」というやつですが(^^;

 

 

 

さて、そもそもこのNOxセンサーって、何ぞや!?という事ですが、本来のお仕事は、排気ガス中の窒素酸化物と酸素の濃度を検出決定する事です。

これによりECUは窒素酸化物の残留濃度を認識して、排気システムに故障があればチェックランプを点灯させる・・・というものになります。

センサー信号数値(μA値)が上がれば上がるほど、窒素酸化物濃度(ppm)が高いと判定しています。

もちろんO2センサーなどと同じ様に加熱素子が内蔵されていて、セラミックを600~800℃の作動温度帯まで加熱してもいます。

 

 

ここから私の勝手な推察ですが、何かの要因で一時的にμA値が上がり、それを「一時的な機能障害」と判定してチェックランプを点灯しているのではないか!?という事です。

 

 

 

そうです。

ただのセンサートラブルなんです。

しかも、一時的な。

(実際にNOxがどうこう言う問題ではないという事)

 

 

そこで、まず多くの方が考えるのが(そして私も考えたのが)、このNOxセンサーの閾値をもっと余裕を持たせてあげるという事!

※この閾値トリガーに関しましては、カウンター作動条件と故障コードステータスに関する公式見解資料を提示して下さったT氏に感謝いたします。
 

しかし、結果無念の敗退・・・

閾値の決定はNOxセンサー本体で行われていて、そこからのチェックランプ点灯指示によりECUがお仕事をしている様です(ただし、以後もこの点に関しては学びの余地あり)。

その為、現時点ではNOxセンサー側にアクセスするツールが無いためどうしようもありませんでした。

(あ、それに、私の脳みそでは、あの資料を理解するには後5年はかかります)

 

 

続いて行った事。

 

もうここからがね、

ほんと、

そんな事、普通するかね!?・・・って感じになっちゃうんですけど。

 

 

実験車両(642型の3000ccディーゼルターボ)で、

 

 

NOxセンサー、抜いちゃいます!

 

 

ついでに、EGRも抜いちゃいます!!

 

 

 

そりゃ、点くよね~!!

 

 

 

そりゃ、拾うよね~!!!

 

 

 

そして、

 

 

 

プログラム変更で、まずはEGR OFF。

 

 

 

結果、EGRはこの車には装着されていないものとなりました。

 

 

ただし、NOx OFFは初回トライ時はどうにもできず・・・

 

 

そうこうしていると、前々からNOxで相談して頂いていたW205のお客様がご来店に(M274/2000ccガソリンエンジン)。

 

 

 

NOxセンサーは、今まで3回交換されていて、この度不幸にも4回目の点灯・・・

(実際点灯に関してはもっと数が多く、ディーラーさんにて消して貰ってもいます)

 

 

診断結果は案の定、NOxセンサーの一時的な機能故障。

大文字Fなので、「現在故障」として検知されています。

 

 

早速ECU取り外し。

 

 

今後のステップアップ修理に備えるためにデータを抜いておきます。

 

今回はステップ1を施工。

 

 

この後、まだ2回ご来店頂きたいとお願いをしました。

こんな事やってる整備工場多分他に無いので、

「結果はどうなるか分かりませんし、日本で初めての事だから前例も無い。でも、協力して頂けるなら私も一生懸命答えます!」とお伝えすると、とってもいい方で全てに於いて快諾頂けました。

 

夏季休暇前に一旦納車させて頂いて、次回お預かりまでの間にステップ2とステップ3の準備をしておきます。

 

 

 

そして再び、うちのおGちゃん。

 

 

NOxカプラー抜いたままちょこちょこ乗っていたら、

当然と言えば当然ですが、エンジンチェックランプ点灯!

距離にして約15km。

ディーゼルエンジンは時間換算だったかな!?

確か、30分だった様な、、、記憶が、、、(^^;

おおよそ、その位の時間は積算走ったと思います。

 

 

 

こちらでテストしているのはいきなりのステップ4。

つまり、NOxセンサーの完全OFF。

カプラーを抜いた状態でもECUはエンジンチェックランプを点灯させないというプログラムをインストールします。

 

 

もう・・・、一体何回外しては付け、外しては付けしたのでしょう。

OBDでのアクセスが不可のECUなので仕方ないですが。

 

すると・・・、

 

 

 

エンジンを始動してもエンジンチェックランプは点灯しません。

※もちろん、エンジンチェックランプの消去作業はしていません。

 

 

 

そして診断機にてチェック。

NOxセンサーカプラーを抜いている(CAN通信が出来ない状態)にも関わらず、NOxセンサー異常を検出しなくなりました。

 

これはNOxの完全OFFですが、今の所お勧めは、単純な閾値変化によるエンジンチェックランプ点灯指示には反応しないようにするプログラムのインストール「ステップ3」かな。

 

 

 

今後まだまだに詰めていく必要がありますし、研究・実験途中でもあります。

でも、現段階の内容でも興味のある方はお問い合わせ下さい。

 

 

てゆーかね、

AMGになったら、EGRとかNOxとか、付いてないそうです。

そもそも、NOxセンサーなんて付いていない車が殆どです。

 

海外では、ダミーキャタライザーへ換装して、不要システムの完全撤廃までやっている例も多々あるそうですよ!

 

 

 

 

今回私が行ったことに対して、もしかしたら否定的な見解をお持ちの方が出て来られるかも知れません。

でも、SCRやDPF、ディーゼル車でのAdBlueシステムはまだ生かしていますのでご安心下さい。

 

今後の発展に、乞うご期待!!

 

 

 

 


※同じ内容の故障事例でも、必ずしも原因は同じとは限りません。同じDTCでも原因が多岐にわたる事もあります。修理の基本である、しっかりとした問診と診断手順で原因究明して下さい。「同じ部品を交換したけど直らなかったけど、どうして?」という意味不明の連絡が同業者様から寄せられています。基本の順守をお願いします。ユーザー様も、症状が同じだからといってお付き合いのある整備工場さんに「この部品を変えて下さい」といった指示はお控え下さい。


※弊社では時々整備ブログを書かせて頂いておりますが、ブログ掲載を行って欲しくないお客様は事前に申しつけ下さい。出来る限りこちらからも「掲載可否」を頂く様心掛けますが、折り悪くその接点を持てない事もあるかと思います。ご来店時アンケートにも、「掲載可否」の項目を追加させて頂きました。掲載内容・記述内容に付いて訂正・削除をご希望の方はご連絡下さい。出来る限り早急に対応させて頂きます。
 

 

 

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