大阪からレガシィワゴンのタイミングベルトでご来店です。
遠いところ、しかもせっかくのお休みを利用して頂いてのご来店、
まことにありがとうございます(^^)
まずはリフトで上げてタイヤを取り外します。
走行中、オイルの焦げた臭いがするとの事、下回りを入念に点検。
水平対向のウィークポイントである、ヘッドカバーガスケットからのオイル漏れ、
そして、タイミングベルトカバー内からのオイル漏れを発見。
タイミングベルトの交換を行うので、
ラジエータを取り外し。
オルタネータパワステベルトが!!
先日ブログにアップした、まさにその状態での山破断です!!
(そのブログの内容はこちら → 車検整備+ベルトの材質が変わって来ています)
他の山も破断しかけています。
もし破断すると、急激な強度の低下が起こり、ベルト自体が破断してしまいます。
すごくギリギリのタイミングでの入庫でした(^^)/
ドライブベルトとアイドルプーリーを取り外し、
タイミングベルトカバーを取り外します。
タイミングベルトが顔を出しました。
アッパーホースの接続口には、固形化した冷却水が大量に付着。
この状態では、取り付けたホースとの当たり面が綺麗に出ませんので、
冷却水の滲みや漏れを起こしてしまいます。
スクレッパーで綺麗に削り落とし、
耐水ペーパーで綺麗に磨き上げておきました。
カムシャフトのオイルシールからオイルが滲んでいました。
滲んでいるのは右バンク下の、このカムシャフト。
なのに・・・
このカムシャフトプーリーの取り付けボルトだけが、
まっっっったく緩みません!!
水平対向ツインカムなので、カムシャフトプーリーは全部で4つ。
その内1本は、エアーインパクトで回すと、一瞬で緩み!
(えっ?これ、締まってた??位、軽く(^^; )
他の2本はエアーインパクトでしっかり回すと緩みました。
が、
この1本だけがどうしても緩まない。
しかも、ここからオイルが滲んでいるという・・・。
スバル車のカムプーリー用SSTで固定し、
スーパーロングのスピンナーハンドルにて何度もチャレンジするも・・・
全く緩まず。
スピンナーハンドルハンドルが、しなる!しなる!!
この状態、たぶんスピンナーハンドルの方が折れる(-_-;)
ラスペネをたっぷりかけて一晩放置してからトライしたり、
かなり強めのエアーインパクトでトライするも、ことごとく玉砕・・・(T_T)
約6年前に、どちらかの整備工場さんでタイミングベルト交換されていますが・・・
完全にトルク無視で作業してる(T_T)
どうしても緩まないので、かなりのパワーでアタックする事になってしまいますが、
トラック用のエアーインパクトでチャレンジ!
一回り大きなエアーインパクトなので、
エアコンコンデンサーにつっかえて隙間に入りません。
エアコンガスを回収して、
エアコンコンデンサーを取り外し。
ある程度の隙間を確保出来る様になりましたので、
トラック用インパクトにて、無事緩めました。
配管が開いたまま放置はあまり良くないので、
Oリングを交換、エアコンOリング用潤滑スプレーを塗布して元に戻します。
カムシャフトプーリーが外れて発見。
タイミングベルトの裏側のカバーにヒビが入っています。
カバーを取り外していくと、ヒビがどんどん広がっていきます。
これって・・・、ヒビではなく・・・
ボルトを取り外すと、カバーの一部がポロッ・・・
完全に割れていました!!
左バンクのカバーにもヒビが・・・
こちらは、外れてしまうまでは割れていませんが、
でも、もう少しで取れてしまいそう・・・(-_-;)
カムシャフトプーリー、全て取り外し。
タイミングベルトカバーを取り外し。
オイルの滲みや汚れを綺麗に掃除していきます。
タイミングベルト周りの部品です。
ウォーターポンプも交換です。
当たり面を綺麗に磨きました。
取り外した、ウォーターポンプとサーモスタットです。
冷却水ホースの接続部には大量の錆が。
新品のウォーターポンプとサーモスタットです。
ウォーターポンプガスケットは紙ガスケットの為、
薄く、液状ガスケット(WAKO’Sガスケットメイク)を塗布してから組み付けます。
接続するウォーターホース差し込み口にも、
ガスケットメイクを薄く塗布しています。
カムシャフトオイルシールを全て交換。
ここでタイミングベルト周りは、
割れていたカバーの入荷待ちとなった為、
先にヘッドカバーガスケットの交換に移ります。
まずは右バンクから。
実は、最近ヘッドカバーガスケットを交換されたそうですが、
半月板シール周辺にはしっかりコーキングが打たれていましたが、
この、鋭角のくぼみ部分には、
古いコーキング(恐らく新車時からの)が残っていました。
ヘッド部分には、オイルの漏れた痕跡が見えます。
ワイヤーブラシでコーキングを綺麗に除去。
手の入らない半月板シール部は、
電動リューターに柔らか目のワイヤーブラシを接続して綺麗に除去。
ブローバイホースとの接続部。
ここからも滲んだ痕跡が。
ガスケットが劣化してヒビも入っています。
このガスケットも交換して、規定トルクで組み付け。
ヘッドカバーガスケット周辺の交換部品です。
取り外したヘッドカバーを綺麗に掃除。
新品のガスケットを組み付け。
カムのホルダーとヘッドとのくぼみにコーキングを置きます。
右バンク、組み付け完了。
左バンクは、更に狭い中での作業となります。
こちらも交換完了です。
せっかくですので、スパークプラグもチェック。
問題無いですね(^^)
そうこうしている間に、
タイミングベルトカバーと、その付属部品が大量に入荷しました。
割れたカバーは廃棄。
新しいカバーには、ボルトが固定されるナットも、
エンジンとの隙間を塞ぐスポンジも付いていません。
カム角センサーガスケットも含め、
全て個別に注文しています。
ナット関係を組み付け。
エンジンとの当たり面に生じる隙間を防ぐスポンジを貼り付けていきます。
ここ、きちんと出来ていないと、
隙間からオイルやゴミや水分が、タイミングベルトカバー内に入って来てしまいます。
右バンクのカバー。
割れていた方です。
左バンク側です。
カバーを装着。
タイミングベルトを装着。
タイミングベルトカバーの前側です。
内部からのオイル漏れにより、上下のパッキンがブニョブニョになっていて、
一度外すと、取り付けられなくなりました(T_T)
上下とも、新品のパッキンに交換させて頂きました。
タイミングベルトカバーを3ヵ所とも装着。
ヘッドカバーも、タイミングベルトカバーも、
共にトルクレンチを使って規定トルクで締め付けています。
この辺りのパッキンは、締め付けすぎると潰れてしまいますし、
トルクにバラつきがあると、パッキンがよれてしまい、
その効果が半減してしまいますから。
交換した部品たち。
(これでも全部ではありません)
山が破断していたベルトです。
新品と比較するとその差が歴然です。
オルタネータパワステベルト、
そしてエアコンベルトも交換です。
冷却水を充填。
しっかりとエア抜きを行います。
エアコンガスも充填。
完成後試運転をさせて頂き、
エンジン下回りからオイルの漏れ・滲みが無い事を確認。
今回のトラブル修理では、上記内容も含め以下の作業を行っております。
・タイミングベルト 交換
・タイミングオートテンショナー 交換
・タイミングアイドラプーリー 合計4点 交換
・カムシャフトオイルシール 合計4点 交換
・クランクシャフトオイルシール 交換
・ウォーターポンプ 交換
・サーモスタット 交換
・タイミングベルトカバーNo1(センター)上下パッキン 交換
・タイミングベルトカバーNo2(ライト/レフト) 各交換
・タイミングベルトカバーNo2シーリング 合計7点 交換
・タイミングベルトカバーNo2マウントコンプリートナット 合計7点 交換
・オルタネータパワステベルト 交換
・エアコンベルト 交換
・ロングライフクーラント(冷却水) 交換
・エンジンオイル 交換
・エアコンガス 充填
・エアコンコンディショナー 充填
・ヘッドカバーガスケットセット(左右バンク) 交換
・オイルセパレーターガスケット(左右バンク) 交換
今回の修理ご請求額は、 ¥ 133,500- となっております。
ご用命、ありがとうございました<(_ _)>
<参考データ:車両走行距離 105,830km>
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