keroぴょんは賃貸マンションに住んでいる。

各フロアはひとつ廊下で繋がっているが、

どの部屋の玄関ドアも、

同じ色、同じ仕様で均一なデザインである。

 

そのため若年性認知症の妻は、

フロアが違う同じ位置にある部屋の鍵穴を

しつこくガチャガチャし怒られたことがある。

 

認知症でなくても、

酔っぱらったときなどの“あるある”だが、

認知症を発症すると、

中核症状により空間認識等が怪しくなるため、

こういうことは起こりやすく、

生活上の工夫が必要となってくる。

 

 

トイレの扉が閉まっているだけで、

妻はトイレの位置がわからなくなった。

そこでトイレの扉と、

その手前の洗面室入口に貼り紙をした。

トイレの扉は完全に締めず、

ドアの厚み部分にも「トイレ」と紙を貼り、

妻がわかりやすい対応をした。

 

来年には65歳以上の5人にひとりが

認知症といわれているが、

具体的な人数は675万人(有病率18.5%)

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全国の小学生の人数が約605万人なので、

それを上回ることになるため、

社会的にもデザイン的工夫は欠かせなくなる。

 

このブログでもサインや、

トイレのピクトグラムについては書いたが、

オランダの認知症ケア施設での試みが、

とてもユニークなので触れておきたい。

 

賃貸マンション同様、

日本の老人ホームの居室の扉も、

部屋が違っても同じ仕様であるが、

オランダのケア施設でも、それは同じだった。

 

ところが首都・アムステルダムを拠点に

活動する「true doors」という団体は、

ケア施設の居室の扉の内装にこだわった。

 

何をこだわったかといえば、

単色で均質なものを

個性を表す扉に変えることだった。

 

これにより施設入居者が

自分の居室がわからなくなるトラブルを、

デザインの力で予防できるようになった。

 

ドア変更はドアのサイズに合わせ、

ステッカーを上から貼るというやり方なので、

ドアそのものを取り換える必要はない。

わかりやすい事例を出すと、

日本のラッピング電車と同じ要領である。

 

実際の写真付の記事は、

下記のTABI LABOを参照してほしい。

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もし日本の高齢者施設で行うなら、

自宅の玄関扉や居室ドアの写真をもとに、

同じようなデザインにできると、

帰宅願望を予防できるかもしれないと思った。

 

 

(過去の関連ブログです)