コロナ下でも、
妻とは散歩を兼ねてよく出かけた。
若年性認知症の進行に影響するからだ。
ただし不安になると、
トイレが異常に近くなるので、
トイレが多いエリアや、
トイレとトイレを点で繋いで歩ける
ルートを選んで歩いた。
1年ほど前までは、
トイレ内で迷子に
なることもあったが、
ひとりで女子トイレに行くことができた。
「トイレ!」のひと声に、
商業施設や公共施設を目指すが、
トイレのピクトグラムで迷った。
僕もデザインとはかかわりは長かったが、
“狙いすぎ”で認知機能が劣ってきた妻には、
認識しづらいものがあるのだ。
上の写真の左から2つ目が、
シンプルな女子トイレのサインだが、
女子か男子か、複数あると悩む。
ところが下の写真のように、
男女で並ぶとトイレと判る。
さらに下の写真のように、
色がついているともっと認識しやすくなる。
下のように複数サインが並び、
色つきでなくても、
脚があると男女が判る。
下の写真のように、
ピクトグラムが囲まれていて、
さらに色で区分されているのが、
長年親しんでいる記号なので、
妻にとっては最もわかりやすい。
新しい施設ほど、
建築デザイナーは工夫をしたがるので、
認知症の妻には、
なじみが薄いサインとなる。
しかしひとりで辛うじて行けたのも、
1年ほど前まで。
以後は障害者用へ一緒に入らないと、
不安になってしまうようになった。
流し方が自動のもの、
手動のものなど施設ごとに異なるので、
よく判らなくなるのだ。
しかも個室や洗面台に、
バッグなどの忘れ物までしてしまう。
新しめの施設なのに、
障害者用トイレが
女子トイレ内にある施設では、
とても困ったことがある。
もっと困ったのが下の写真の手洗い場。
これは認知症の人でなくても、
焦ってしまうダイソン製。
正面から中心に向かって、
真っすぐ手をかざせば水が出るが、
左右から侵入すると、
両翼のエアドライヤーが、
勢いよく作動してしまい、
認知症の人でなくてもビックリする。
新型コロナで使用停止になりホッとした。