このブログでは、
成年後見制度について、
何度かテーマとして取り上げた。
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成年後見人になれるのは、
弁護士、司法書士、親族が主だが、
それ以外に市民後見人が存在する。
市民後見人とは何だろうか?
裁判所のサイトによると、
「市区町村等が実施する養成研修を
受講するなどして成年後見人等として
必要な知識を得た一般市民の中から、
家庭裁判所が成年後見人等として
選任した方です」と定義されている。
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https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/file4/H29.1kouhou.pdf
他方、老人福祉法の一部を改正して、
市民後見人制度を誕生させた
厚労省のサイトでは、
明確な定義がないとして、
3つの見解が示されている。
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https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/dl/shiminkoukennin.pdf
市民後見人の役割は、
財産管理と身上監護(身上保護)。
弁護士、司法書士、親族による後見人と、
業務の内容は同じである。
ただし地域密着型の特性を生かし、
月1回の本人面談など、
市民感覚を生かした
きめ細かい支援が期待できる。
令和3年の成年後見人等と、
本人との関係を見ると、
80.2%が親族以外となる。
その中でも市民後見人は、
全体の1%(320件)と、
まだ普及していない。
成年後見制度で問題となる報酬だが、
市民後見人の場合は、
ボランティア的な活動との
位置づけのため、原則は経費のみで、
“無報酬”である。
一部の自治体では、
時間給を支払うところもあるようだ。
また後見監督人がつく場合には、
そちらへの報酬は発生するが、
社会福祉協議会であることが多い。
市民後見人が選出されるには、
いくつかの条件があり、
家裁にリクエストできるわけではない。
どんな条件かといえば、
生活保護を受けるなど、
管理財産が多額ではなく、
身寄りの親族がいない、
あるいは親族が遠距離にいる、
親族間に対立がないなど、
複数の条件を満たしていないと難しい。
国連から物言いがついた成年後見制度だが、
政府は「2027年3月までの
見直しを見据えている」と回答している。
何ともはっきりしない表現だが、
法改正で検討されている項目については、
機会を改めて書こうと考えている。