『アドレナリン』(原題:Crank /2006年アメリカ、イギリス/87分)
監督:マーク・ネヴェルダイン、ブライアン・テイラー
脚本:マーク・ネヴェルダイン、ブライアン・テイラー
製作:トム・ローゼンバーグ、ゲイリー・ルチェシ、リチャード・ライト
製作総指揮:デイヴィッド・スコット・ルビン、エリック・リード、マイケル・パサーネク、ピーター・ブロック
撮影:アダム・ビドル
編集:ブライアン・バーダン
音楽:ポール・ハスリンガー
出演者:ジェイソン・ステイサム、エイミー・スマート、エフレン・ラミッツ、ホセ・パブロ・カンティーロ、ジェイ・エクスカーラ、キーオニー・ヤング、ドワイト・ヨーカムら
100点満点中98点
追い詰められたヒットマンがロサンゼルスの街中を巻き込んで大暴れするコメディ要素のあるバイオレンス・アクション作品。
この作品は、主人公がある理由により体内アドレナリンの分泌促進と体外からのアドレナリン(=エピネフリン)の高濃度摂取のため、暴行殺人、スピード違反、公務執行妨害などを繰り返しながら目の前に現れる障害をことごとく撃破していく、破壊力満載の奇想天外な暴力シーンの連続です。
老人や病人、女性の区別なく、いわゆる社会的弱者に対しても、いたわりや配慮の心を一切持たず、自身の存命のために手段を選ばず、突き進む主人公の無軌道・無分別な生き方が、ストレスを溜め込んだ現代人には・・・なぜか??スッキリとくる筋立てとなっています。こんな生き方ができれば・・・なんと気持ちがいいだろうなーという展開です。
監督のマーク・ネヴェルダインは1973年生まれニューヨーク州ウォータータウン出身、同じく監督のブライアン・テイラーは出身地年齢不詳で、多くの作品を共同監督しています。本作の続編『アドレナリン:ハイボルテージ』(
2009年)、『GAMER』(2009年)、『ゴーストライダー2』(2012年)でも共同でメガホンを取りました。
主演のジェイソン・ステイサムは、もう皆さん良くご存知の英国出身の俳優。水泳の飛込競技のイギリス代表チームにもいた元選手でした。1992年に飛込競技を引退した後は、ファッションモデルとなった経歴を持ちます。モデル契約していたブランド企業がある映画のスポンサー出会ったことから、映画俳優としてのキャリアをスタートさせました。
共演のエイミー・スマートは、米国カリフォルニア州トパンガ出身のファッションモデルであり女優です。1997年にキャスパー・ヴァン・ディーン主演のSF大作『スターシップ・トゥルーパーズ』で、ヒロインのデニス・リチャーズの同僚役でメジャー映画出演を果たし、2004年にはアシュトン・カッチャー主演の『バタフライ・エフェクト』では、過去が変わることにより様々な境遇にいるカッチャーの幼馴染役を演じて、その演技力の幅の広さを示しました。彼女は・・・可愛いし・・・ある意味・・・魅力的ですよね♥♥♥
(あらすじ)
ロサンゼルスでフリーランスの殺し屋家業で生きている「シェブ・チェリオス」は、ある朝、朦朧とした意識の中で目を覚ます。TVの前に置かれたDVDを再生すると、メキシコ系犯罪組織のリーダー「リッキー・ヴェローナ」が、“ペキン・カクテル”と称される合成毒物を「シェブ」に投与したと言いながら、せせら笑っている映像が収められていた。・・・そうだ、昨晩、「シェブ」は自宅で「ヴェローナ」一派の待ち伏せに会い、バットで頭を殴打された上に、この毒物を注射されたのであった。この毒物の成分は、競走馬の殺処分にも使われる強力な作用を人体に及ぼすもので、副腎(Adrenal gland)のアドレナリン(adrenaline)分泌を抑制し、受容体の働きも抑制するため、およそ1時間後には心臓停止に至らしめるという猛毒である。したがって、常に体内にアドレナリンが高濃度で巡っていないと、「シェブ」は死んでしまうのである。
まず、自分を売った集団に関わる人物を訪れ、誰が黒幕なのかを特定する必用があると判断した「シェブ」は、黒人しか立ち入らないパブに殴り込みをかけるのであった・・・そして、この後ロサンゼルス中が大混乱となる事態に発展する。