Q・タランティーノ製作総指揮ですが...『フェティッシュ』(レブ・ブラドック監督作品』 | Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評-

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イーグルドライバーの観た映像作品について、あれこれ書いて行きます。
主に「洋画」ですが、ジャンルにはあまりこだわらず、インスピレーションで拝見する作品を選んでいます。
海外の「ドラマ」も最近は気になります。

『フェティッシュ』(原題:Curded /1996年アメリカ/89分)

監督:レブ・ブラドック

脚本:レブ・ブラドック、ジョン・マース

製作:ジョン・マース、ポール・プーグ

製作総指揮:クエンティン・タランティーノ

撮影:スティーヴン・バーンスタイン

音楽:ジョゼフ・ジュリアン・ゴンザレス

美術:ウェンディ・マカロック

衣装:ビヴァリー・ネルソン・サフィア

出演者:アンジェラ・ジョーンズ、ウィリアム・ボールドウィン、バリー・コービン、メル・ゴーラム、ブルース・ラムゼイ、ロイス・チャイルズら

100点満点中61点


 猟奇的な殺人事件に異常に関心のある女性を主人公に、殺人現場の様子をラテン音楽に乗せて、軽快におくる犯罪コメディ作品。

 製作総指揮がクエンティン・タランティーノで、当時お弟子さんのような存在のレブ・ブラドックに監督をやらせ、以前、タランティーノ監督作品『パルプ・フィクション』に出演していたアンジェラ・ジョーンズを起用して作ったブラック・コメディです。

 ・・・ただ、とにかく冒頭からノリが軽い。筋立ても、今ひとつ練られていない印象で、せっかく個性的な役柄に魅力的な俳優を当てたにも関わらず、生かしきれていないのが、なんとも“もったいない”印象です。

 低予算で作られているのは見て取れますが、いくつか伏線をはって脚本をもう少ししっかりと作り込み、陳腐でもいいからショッキングなシーンや意表を突くシーンを数箇所挿入して、終盤の畳込みをテンポよく行っておけば、89分の作品全体もしまって見えたハズです。総体的にパンチが無さ過ぎます。

 主演のアンジェラ・ジョーンズはとても美人とは言えませんが、大変に魅力のある個性派の女優さんで、演技力もあり、身のこなしも綺麗なので彼女のプロモーション作品として観るなら、それなりに価値のある小作と言えます。


(あらすじ)

 1977年、コロンビアで菓子店を営む両親のもとで少女時代を過ごした「ガブリエラ」は、この年、射殺されたばかりの死体を見たことによって、日常的に起こる殺人事件に異常な程興味を持つようになる。大人になるまで、新聞の三面記事に載る残虐な殺人事件ばかり切り抜き・スクラップをずっと続けてきた。

 現在、「ガブリエラ」はマイアミのパン屋で下働きをしているが、ここ数年この地を騒がしている凶悪事件がある。それは、裕福な中年女性ばかりを狙って繰り返される猟奇殺人で、「ブルー・ブラッド・キラー」としてマスコミで騒がれている。この殺人事件の特徴は、被害者が裕福な中年女性であるというだけでなく、その手口が残忍で、体中を数十箇所小剣で指しておきながら、瀕死で這いつくばる被害者の絶命寸前に首を大剣で切り取って持ち去るというものである。「ガブリエラ」が、この連続猟奇殺人事件に、大いなる関心を持たない訳はなかった。彼女は、テレビの広告で、多発する殺人事件の現場掃除を専門に請け負っている清掃会社があることを知り、この会社に転職することにするが・・・