ヤクザと菩薩と、時々、隣人 その2 | キャプテンのブログ

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次の日の朝、引越し屋が荷物を取りに来た。


引っ越しはもう明日に迫っている。





ダンボールに詰めた本と洋服、それに雑貨類

そして本棚が2つ家から運び出されていった。





部屋にはまだ家具や家電が大量に残っている。

が、これらは全てゴミです





洗濯機にテレビ、ソファ、クローゼットに、掃除機だ、アイロンだ、コーヒーメーカーだの、そして大量のゴミ袋…




これらは全部ゴミ





洗濯機とテレビだけは明日の朝、つまり引っ越し当日の朝に、業者に5000円払って引き取ってもらう。



残りは全部粗大ゴミです。






おれの住んでいた府中では、市役所でその粗大ゴミにあったシールを買えば、それを貼りつけて外に出しておくだけで引き取ってもらえるのです。


シールは100円、300円、500円とランクがあり、一番高いのでも2000円。



ちなみに今回の引越しで使った2000円シールは、ソファとクローゼットのみ。


あとはだいたい500、300、100円です。




おれはあらかじめ買っておいたシールに、買う際に言われた回収日と、自分の名前を記入していきました。




気分はサイン色紙を書く芸能人です。


実際はゴミの所有権を書いてるだけですが








さて、回収日はたしか15日


おれの引っ越し日は12日





間に合いませんから、残念ながら前もって出すしかありません。


そしてもう少ししたら、不動産屋が部屋の様子を確認しにくるので、部屋をきれいにしなければならない。



なのでおれは早急に粗大ゴミを外に出していきました。










数分後


部屋にはテレビとソファと布団だけが残った。(洗濯機は外)



アパートの外のゴミ捨て場がどえらいことになっているが、シラをきろう





そんなこんなで不動産屋がやってきて査定が終わり、おれは明日の朝にソファと布団を粗大ゴミで出し、不要品回収の業者にテレビと洗濯機を渡せば、宇都宮に帰るだけとなった。







滞りなく引っ越しは順調に進んでいる。

というかもはや完璧である。





深夜になり、おれは喉が渇いたのでコンビニに出かけることにした。


途中、暗くて見えなかった自分の捨てたコーヒーメーカーにつまずいて蹴飛ばすという、自業自得とはこのことかという出来事に遭遇しました。




ゴミ捨て場を抜けて道路に出ると、誰かがタバコを吸っていた。


おそらくアパートの住人である。

外に吸いに来てるのでしょう。






特に交流もないし、なんか気まずくてやだなぁとか思いながら通りすぎたその瞬間…





「ちょっとちょっとちょっと!!!」





呼び止められた!








『え?』



「いや、これ!通るとき邪魔でしょ!ちゃんと戻さないと!」





怒られました。





いやまぁたしかに通るときにちょい邪魔ですが、コンビニからどうせすぐ戻ってくるから、その時に直そうと思ったのに…


っていうかなぜ、そんなに偉そうに怒ってくるのだろうか



学生アパートだからおそらく同い年だろうし、もしくは年下かもしれんのに。


いきなりタメ語で上目線で起こることないじゃないか。





しかし問題を起こしたくないおれは、『あぁすいません』とコーヒーメーカーを戻しつつ、『これおれのゴミなんですよね。実は明日引っ越すんですよ』と、会話を試みました。



「ふん」



鼻で笑って相づちうたれました。



おそらく大量のゴミにいい気分じゃないのかもしれない。





おれはコンビニに行き飲み物を買って家に帰りました。




戻ってくるとあの人はいなくなっていた。しかし、おそらくあの人は隣の部屋の住人です。





木造なので大きい音を出すとまた何か言われるかもしれん。

もう関わりたくないので、おれは文句を言われないように、明日はソッコーで宇都宮に帰ることにしました。



しかしそのためには、いまのうちにソファも出しておかなければならない


けれどその様子がバレたらまた何か言われるかもしれん。





おれは更に夜が更けるのを待ち、部屋から静かにソファを運び出しました。




これで残るはテレビ、洗濯機、布団のみ



布団も粗大ゴミなので、明日の朝シールを貼って出す。

これはまぁ家を出るときに置いてけばいいだろう。






おれは万全の状態です。


明日の朝、ちゃっちゃと引っ越しを済ませよう。

そして隣人が、更に巨大なソファや布団のゴミが増えていることに気付いたころ、おれはもう東京を旅立っている。



もう会うことはあるまい


こうしておれは、アパートでの最後の眠りにつきました。

続く