『王様戦隊キングオージャー』 | Capricious Bookshelf

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MyFavoraite/浦井健治・赤楚衛二・上川隆也・STING・ALESSIACARA・特撮(戦隊シリーズ&仮面ライダービルド)/編み物

 『王様戦隊キングオージャー』 が最終回を迎えました。
 ファンタジー要素が強いということで、おそらくCC メインになるだろうと予想。
 最初は数話で脱落するだろうとと思っていたのですが、2022年10月に発足したというバーチャル
プロダクション部の技術が素晴らしかったですね。 違和感なく、世界観に浸ることが出来ました。
 全員が王様という設定も新しく、仲間になっていくというよりは、互いを尊重しつつも必要な時だけ協力し合うという部分が新鮮でしたし、 腹に一物どころか二物も三物を抱えていそうな王様たちの応酬も見どころのひとつ。
 そこをちゃんと表現出来る俳優陣の演技も素晴らしくて、誰かが裏切るのではないか、また出し抜こうとしているのではないか、といい意味での緊張感があって、目が離せませんでした。
 さらに。追加戦士が1話からナレーションを担当していたというのも新しい試み。
 この池田匡志君がまた、いい声しているんですよね。語り部という設定に相応しい心地良さがありつつ、不穏さを感じさせる間の取り方も上手。
 戦隊モノは「この戦士が推し!」となることが多いのですが、今回は本当にいいチームで、誰が一番とか、誰それは苦手という気持ちがまったく湧きませんでした。
 それぞれの王に仕える側近や民たちの存在も大きかったですね。
 それぞれの王との絆や関係性があって、王を頼るだけでなく、逆に頼られることもあったり、率先して支えたり、諌めたり。その関係性に何度も泣かされました。
 みんな大好きなのですが、その中でも私は特にモルフオーニャとすずめちゃんが好きで、2人の登場シーンがない回は寂しいと感じたほどです。
 今回のレギュラー陣はメインキャラだけでなく、サブキャラの方々もこれからの活躍を応援したいと思える方ばかりでした。
 
 そしてそして。
 何よりも興奮したのが、10周年を迎えた『獣電戦隊キョウリュウジャー』とのコラボです。
 本編ではキングとウッチーの登場がなくて、そこがちょっと寂しかったのですが、既に芸能界を引退してしまっているアミィ役の今野鮎莉ちゃんが期間限定で復帰‼️
 それだけでも嬉しかったのに、大好きなラッキューロたんが画面に登場した際には、年甲斐もなく、狂喜乱舞状態でした。
 このキョウリュウジャー回は現代の地球が舞台なので、ずっとスタジオでバーチャル撮影をやって来たものが、ここだけロケになったことでより、それぞれの世界観が活きてきて、そこも新鮮でした。
 さらに。GW期間限定公開のV-CINEXTにはダイゴとウッチーも登場とあって、ワクワクが止まりません。
 
 49話のタイミングで、夏の映画『アドベンチャー・ヘブン』も視聴。
 メイン監督である上堀内監督がパイロット版、この映画、そして最終3話を担当。
 映画のメイキングも見たのですが、年始にYouTubeで配信された『仮面ライダービルド』のビデオコメンタリーで「丸くなったんだよ」と発言されていた上堀内監督。丸くなったというよりは、感覚で伝えようとしていた昔と比べて、分かりやすい言葉を使って、自分の求めているものを伝えようとされているんだな、と感じました。
 根底にある、作品への愛情や情熱、とことん拘る部分はそのままで、厳しいだけでなく、演者に寄り添うように指導出来るようになられたのだな、と思わされました。
 
 その映画では、ゲストさんがまた豪華。
 メイキングでは、中村獅童さんや雛形あきこさんの作品に取り組む姿勢が垣間見えてその影響でレギュラー陣が引っ張られていく様子が見えました(レギュラー陣より、獅童さんの変身シーンが長かったというのには笑いました)。
 私自身が声優さんに詳しくなくて、申し訳ないことに佐倉綾音さんを存じ上げなかったのですが、佐倉さん、いい声ですね。 第一声で見事に心を持っていかれまして、登場するたび、耳が幸せになりました。
 この映画のゲスト陣が再登場した49話は最初から最後まで泣き通しでした。 終わってから気付いたのですが、間に CM を挟まないという、 スポンサーさんまで巻き込んでの構成も素晴らしかったですね。
48話から最終話までの3話が実質の最終回という構成で、1本の映画を見ているような完成度。
 唯一1話から登場していた敵役のカメジムと戦うのがちゃんと因縁の相手であるところも、 皮肉屋な彼に用意された皮肉な結末も私は好き。
 ミヒャエル・エンデの名作「はてしない物語」 が好きなので、語り部が紡ぐ物語として終わるのではなく、 この物語を受け継いでいってほしいという終わり方も好きですね。
 
 これまでの戦隊シリーズのお気に入りリストに追加決定ですし、Vー-INEXTも楽しみに待ちたいと思います。