『あきない世傳 金と銀』 | Capricious Bookshelf

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 昨年の12月から NHK-BSで放送されていた『あきない世金と銀」全8話を視聴しました。

 原作が大好きで、ドラマ化の決定と主人公の幸を小芝風花ちゃんが演じるということでとても楽しみにしていたドラマですが、たったの8話でどこまで描かれるんだろうと思っていました。

 結局は、幸の再々婚とお家さんである富久の死までということで、原作でいうと13巻中の4巻までと、5巻の冒頭辺りまで。

 幸の液乱万丈な人生と、そこに負けない芯の強さはしっかり描かれていたと思いますし、一歩間違えたら重くなりそうな部分を、小芝風花ちゃんが上手にあっけらかんと演じてくれていて、とても良い流れになっていまし

た。

 

 ただ、。

 幸と富久の絆はもうちょっと丁寧に描いてほしかったなぁというのが、正直な気持ちです。

 幸のこれからの人生と商いの大きな指針となっていくのが、富久の信条である「買うての幸い、売っての幸い」という言葉なのですが、今回のドラマではこの言葉の重みがいまひとつ伝わってこなかったんですよね。

 妹の結や惣次の今後も含め、江戸での商いなど、続編が制作されそうな伏線が張られているので、続編を期待してはいるのですが、原作通りであれば、これからの幸や五鈴屋の行く末には激流が待ち受けています。

 その時に、幸を奮い立たせたり、勇気付けてくれるのが富久のこの言葉なので、そこがちゃんと活かされるのかなぁと、そこだけが心配です。

 

 キャストさんについては、まず幸役の永瀬ゆずなちゃんと小芝風花ちゃんがとにかく良かったです。

 お二人とも好きだったというんもありますし、2人が同一人物であることに違和感なし。

 前向きで芯のある、とても素敵な幸に会うことが出来たことに感謝です。

 

 治兵衛ですが、原作読んでる時の私のイメージは志賀廣太郎さんだったんです。

 なので、キャストが発表されたとき、舘ひろしさんはちょっと違うなぁと思ってしまったのですが、実際にドラマが始まってみると、とっても素敵な治兵衛さんでした。

 ダンディ鷹山のイメージが強過ぎたのでしょうね、この作品で認識がアップデートされました。

 

 あともうお一方、特筆したいのは、お竹どんのいしのようこさん。

 原作では、もう少し恰幅の良いどーんとした女性をイメージしていたので、ちょっと線が細すぎるような、と思っていました。

 でも、ちゃ〜んと、お竹どんになっていて、すごくすごく、素敵でした。

 この先の、幸とお竹どんが一緒に五鈴屋で頑張って行く姿、このお二人で見られたら嬉しいと思っているので、やっぱり続編、制作してほしいと思います。