人を殺めたあとの24時間
『オルモスト・ムーン 月が欠けゆく夜』
読み終えたので少し感想を。
前作の『ラブリー・ボーン』も衝撃的でしたが、今作はじりじりと迫りくる衝撃的な作品でした。
認知症の母を突発的に殺めてしまった娘。その後の24時間、それまでの母との確執、父親のこと、恋人のことを回想しながら、進んでゆきます。そこには、まともではないことをしでかした人間が執拗にまともであろうとする行動、その深層心理が描かれています。
以下、印象的なシーンのセリフ
「お前のママはどこも欠けていない状態にほぼ近い、私はそう考えるようにしている」
「人生の多くはまったく完全というわけではなく、ほぼそれに近い状態だ、ということさ」
「月みたいなものということ?」
「そのとおりだ。月というのはいつだって完全な形でそこにある。ただ、その姿をいつでも見ることができるわけではない。私たちが見ているものは、ほぼ月に近いもの、あるいはなんと言ったらよいか、ほんの少しだけ月でないもの、だっていうことさ。残りは、隠れていて見えないだけだ。」
この物語を読んで、私はすごくショックを受けました。自分の人生でそれとなく重なる心理があるのです。胸が痛みました。
でも、最後まで読み終えたときに、少し、ほんの少しだけ光が見えた気もしました。この状況から這い上がる。
どん底まで落ちてしまっても、再生する力が人間にはあるはず。
本や映画、シリアスな作品を見るたび、感銘を受けます。ゆらゆら不安定な精神を正そう、って前向きに考えられる。最悪な状況からでもきっと何かが生まれるはず!
春だけど、暗雲立ち込めていたけど…なんとかがんばってゆけそうだ。
選んだのも決めたのも自分だから。





(良い席で空いているときだけは。)



