諏訪大社 氏子大総代
KT 様
拝啓、新年を迎え益々ご盛栄のこととお慶び申し上げます。
私達「全国動物ネットワーク」は全国150を超える動物愛護団体のネットワークでございます。諏訪大社に生贄行事「蛙狩神事」の撤廃、または「生きたカエルに代わる代用品の使用」をお願いし続けております。ご多忙中、大変恐縮でございますが、以下、ご一読賜り、ぜひともお力を賜りたくお願い申し上げます。
諏訪大社では毎年元旦、生きたままカエルを串刺しにし「いけにえ」にしておられます。
カエルは脊椎動物であり私達と同じように痛みを鋭く感じますので、大変残酷な行為です。
私達はこの儀式の廃止、あるいは代用品の使用を数年にわたって求めています。
「諏訪大社は生き物を使った残酷な宗教行事をやめてください」
「諏訪大社は日本最後のいけにえ行事をやめてください」
「生きたカエルの代わりに人形などの代用品を使ってください」
この生贄行事は国内だけではなく海外にも知られるようになってきました。
そして、今までこの行事に何の疑問も持たずにいた地元の方々(その中には氏子の方がたも大勢おられます)からも「もうやめる時期かもしれない」という声が上がり始めております。
さらに、当ネットワーク代表の鶴田が宮司の北島様と面談した折、北島様より
「自分もカエルが可哀そうだと思っています。けれども氏子様方の希望があるのでやめることが難しいのです(要旨)」
と氏子様方のご意志を尊重する旨、語られました。そこで、私達は氏子大総代であられるK様のご見解を直接賜りたいと考えました。
海外では「いけにえ」が次々と廃止されてきました。推定50万頭の動物が殺されるネパールのガディマイ祭も世界中の批判を浴びて禁止されました。生き物を使った宗教行事、祭祀は廃止あるいは代替品の使用が国際的な常識です。
デンマーク農業大臣Dan Jørgensen「動物の権利は宗教より優先される」と明言しました。
“Animal rights come before religion Minister for Food, Agriculture and Fisheries
そして2021年12月、ついに海外の最有力愛護団体であり900万人の会員とサポーターに支持されているPETAが諏訪大社に生贄をやめるよう要請しました。
PETA(People for the Ethical Treatment of Animals)
21世紀の日本で「いけにえ」が行われていることは国際的にも理解が得られないのではないでしょうか。
国内の経済状況が悪化し、また海外でも戦争により多くの人々が命を落とし苦しんでいます。職を失った人々、行き先が見えずにもがいている人々、ことによれば自死という選択から逃れようとしている人々が新たな一歩を踏み出すために、元旦、神社にお参りに行きます。
私達は命の儚さとそれゆえの大事さを経験しています。
その様な人々が向かう元旦の諏訪大社で、無抵抗な生き物に苦痛を与え串刺にして命を奪い生贄にしていることに、世界は大きな矛盾と憤りを感じるのではないでしょうか。
目の前の小さな命を慈しむことを神社は率先してお示しいただき次世代に慈愛の精神を教え導いていただきたいと存じます。
諏訪大社に、せめて人形などの代替品への変更をお願いしていただけないでしょうか。
国内の諏訪神社の中には、カエルの陶器製人形の代用品を用いたり(諏訪開諏訪神社 京都市下京区)、カエルを射る所作だけにして下さっている神社(長野県生島足島神社の蟇目鳴弦)があります。これこそ時代の要請による適切なご判断、かつ、文化や伝統の正しい継承方法であると考え感謝しております。
このような時代だからこそ、人々に寄り添う神社としてこの問題に終止符を打っていただきたいと、笠原様を筆頭とする氏子の皆様から諏訪大社に進言していただきますよう重ねてお願い申し上げます。私達は文化、伝統を否定する立場ではございません。
これまでも諏訪大社が鹿やウサギの生贄の廃止等、自ら時代に沿って修正や適応をされつつ、文化と信仰を守られてきたことを承知しておりますがゆえに、期待と希望をもっております。
尚、誠に勝手ではございますが、この件についてのK大総代様のお考えを賜りたく存じます。(ご回答は公開とさせていただきます)若しくは、御面談いただけることを切にお願い申し上げます。
突然のお尋ねの段、ご寛容にお願い申し上げます。
敬具
令和6年1月吉日
全国動物ネットワーク
ANIMAL NETWORK JAPAN
代表 鶴田真子美
かつて蛙狩神事はこちらの橋の下を流れる御手洗川で執り行われていました。
が、現在、蛙狩神事はこの奥で人目を忍んで行われていると言われます。
日本はG7にも加わる主要国です。いつになれば生贄神事を止めるのでしょう。小さな生き物を串刺しにして、偉い大人らが願掛けをする時代でしょうか。
by鶴田真子美(おかめ)