今日を精一杯過ごしているこの子らを | CAPIN(キャピン)公式活動報告

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認定NPO法人「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク CAPIN」
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茨城県動物センターを見学して




今日初めて茨城県動物センターに訪問させて頂きました。



対応して頂いた職員の方から説明を頂きながら色々な場所を見学させて頂きました。そこで感じた事を書かせて頂きます。



施設の扉を開けた途端、一斉に響き渡る犬達の鳴き声。人同士の会話も聞き取りづらい程の鳴き声に、収容されている犬の多さがうかがえました。
施設内は想像していたよりも狭く、暗く、とてもとても寒い場所。まずその事にショックを受けました。



訪問した時はちょうど房内の清掃作業が行われていました。
負傷犬4頭が収容されている房内。排泄物がいくつもあり、それをスタッフの方がホースの水で房内の排水溝へ勢い良く流し込みます。その水の勢いの強さで細かな水しぶきが舞い上がります。
4頭の犬達の手足、座っているお尻、しっぽも水が濡らしていきます。
犬達は部屋の隅に固まり、ある犬はスタッフの方を不安そうに見つめ、ある犬は震えていました。







この日私は厚手の靴下と長靴を履いていましたが、施設の床からしんしんと冷たさが伝わってきます。
水を撒いた床、濡れた手足はどれほど身体を冷やす事か・・負傷犬、術後の犬なら尚更保温が重要です。
昼間でこの寒さ冷たさ。朝、晩の冷え込みを想像するだけで胸が押し潰される思いです。
施設内の暖房は30度設定。しかし室内温度計が表示しているのは「Lo」。
どこからともなく冷たい風も入り込んでいました。







毛布は敷いていないのですか?との質問に「これから敷きます」との事。
施設の入り口にはご支援の毛布が積まれて置かれていました。どうか、毛布を敷いてあげて下さいと願うばかりでした。

大部屋は想像以上に狭い場所でした。その中に過密に犬達が収容されている状態。前に出て来て訴えてくる子、後方で身を寄せ合いじっとしている子、震えている子、身体の大きな子、小さな子様々です。
タライ程の大きな容器にまとめて入れてあるフード。
みんなちゃんと等しく食べられているのだろうか・・震えている君は?
鳴きっぱなしの君は?
どの子がどれ位食べられているのかスタッフの方は把握されているのだろうか・・

人の目がない時間に起こりやすいという噛み殺し。
この寒さ、過密な環境、常に付きまとう緊張感の中で犬達の感じるストレスは計り知れない。どうかトラブルが起きませんように・・

心配事が後から後から湧き上がりました。








大部屋の向かいにはずらりと並んだ個別房。2、3歩あるけば柵に行き着くその狭い部屋の中。水で濡れたほとんどの部屋に毛布は敷いてありません。
人間は、この狭さと寒さに何日耐える事ができるでしょう・・
ここでも、甘えたそうに鼻を突き出してくる子、鳴き続ける子、目を反らす子様々・・
そんな中に、周りがどんなに騒がしくしていても、人が寄ってきても、
壁を向いたままこちらに背を向けじっと座っている子に目が止まりました。






呼びかけにも反応しない、その小さな背中には諦めにも似た悲しみ、絶望が滲み出ているようでした。




この子達が何をしたというのか。

この子達が話せたら、人間に何を訴えるだろう。
申し訳ない気持ちになりました。

人間は想像する事が出来る生き物です。ここにいる犬猫達に心を寄せ、気持ちを想像する事ができるはずです。
自分に置き換えてみれば簡単に分かる事。
動物に気持ちはないと、この背中を見て言えるでしょうか。



収容されている頭数は170近いそうです。いつ殺処分が再開されるか不安でたまりません。
ここで今日を精一杯過ごしているこの子らを救ってあげられるのは私達人間しかいません。

ここで過ごしている犬猫がいる事をもっと多くの方に知って欲しい、心を寄せて欲しいと心から思いました。


クリスマスを迎える今週末。冬将軍もやってくるそうです。
どうか少しでも暖かい環境で過ごす事が出来ますように。そう願わずにはいられません。
私もまた訪問したいと思いました。

by うめこさん