花梨

診療について、ご報告いたします。

【花梨】

■体重　24㎏
■血液検査（※前回10/21　他院）
・血小板（正常値20~50）→1.6
※前回…31.4
・赤血球　（正常値550～650）→208
※前回…695（他院）
・ヘマトグリッド（正常値20~50）→4.5
※前回…16.2

■レントゲン
肝臓など右側に大きく腫れ
腹腔内に出血
肺にガン転移は認められず

■エコー
肝臓に腫瘍あり（※他臓器については詳細検査なし）

＜診断＞
肝臓の腫瘍が破裂し、腹腔内に血が溜まっている。
血小板が少ないため、血が止まらない。
腹部に紫斑が認められるが、これは出血が止まりにくくなっているため
少しぶつけただけで、その個所が内出血を起こしている。
出来る治療は現時点はなく、残された時間を美味しいものを食べさせるなどして
あげた方が良い。

■セカンドオピニオン

他院にて10/21に乳腺腫瘍切除し出した病理結果では

乳腺腫瘍由来のリンパ節転移が認められるとある。

この時点でリンパ節の50%をがん細胞が占めているとあり
腹腔内に転移があると思った方が良い。
リンパ節は言わば関所のようなもので、そこが50%癌細胞になっているのなら
ストッパーの役目をせずに、がん細胞が通過してしまっていると考えるのが妥当。

10/21のレントゲン画像では、脾臓に腫れが見られるが
肺や肝臓への転移があったかは分からない。

腹腔内から採取した血液のヘマトグリッド値は11.7
血管から採血したものは14.4

全くの血液なら同数値であると思われるが

この差は、腹腔内の血が止まりかかっているのか、
或いは腫瘍から出た浸潤液で薄まっているのかのどちらかではないか。

昨日他院で処方された薬2種のうち

プレビコックスは出血が止まりにくくなりやすいので使用は勧めない。

止血剤として出されたものは、毛細血管などからの出血を「予防」するもので
現行で出血してしまっているものには飲ませても効果がなく、止血に必要な
血小板そのものがないので飲ませても飲ませなくても同じ。
（※投薬を中止します）

乳腺由来の転移ではなく、進行速度の速さ（悪性度）と血小板減少などの症状から
「血管肉腫」ではないかと考えられる。
※この場合進行速度、悪性度ともに高く1か月で腫瘍が破裂するまでになることもある。

腫瘍として大きいものは肝臓のものだが、開腹してみると大小の腫瘍があちこちに
出来ているかもしれない。
肝臓癌の破裂ということは、がん細胞が腹腔内に播種している。

今できる対処法としては
・輸血をし止血する
・オペで患部を切り取る
などがあるが、この先転移が起きる可能性が高いことや、輸血は根本的治療にならず
一時的なものに過ぎないことを考えると現実的ではない。

今後出てくる症状として考えられるのは。
貧血が酷いため、酸素をうまく身体に運ぶことが出来ずに苦しくなってくる可能性と
腹腔内の血液が臓器を圧迫してくるため、うまく機能出来なくなる可能性がある。

残された時間を美味しいものなどを食べさせて過ごさせてあげるのが良い。

～ここまで。

今朝は与えられたお肉を完食（ドライは食べず）
歩いて診察室からも出て来られましたが、長い時間は歩けずでした。

残念ですが、少しでも苦しくならないよう気を付けてあげるしか出来ないです。
排泄は室内でしてくれるので、散歩はNG。
排泄出しも無理に出さない方が良いと思いますので（ぶつかると出血するため）
部屋前に張り紙をしておきました。

食べられるうちに、食べたいものを食べさせてあげたいと思います。