風ちゃんのこと。 | CAPIN(キャピン)公式活動報告

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認定NPO法人「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク CAPIN」
公式ブログ

8月の暑い日曜日。
里親会終わりに、ネグレクトレスキューの現場に行きました。


私が聞いた情報は
・何年も檻の中から出されない女の子ワンコがいる。
・ご飯は3日に一回、親戚のひとが来るだけ。


話を聞いただけでもむごい。。


そして、大体想像は出来ていたけど、現場に行ったら、さらに絶句しました。


風太


風太


フェンスで出来た檻の中に犬小屋があって、犬小屋から扉の所まで
1.5m

たった1.5mの世界でこの子は何年も何年も
暑くても、寒くても、大雨の日も台風の日も、雪の日も、雷の日も
嬉しくても寂しくても

ずっとずっと、一人で生きてきたんだ。



もう寂しくないよ。



ここに来て、分かったこと。

女の子と聞いていたけど、一目瞭然。男の子です。

「誰も開け方が分からない」と言われていた扉は、
あっさり普通に空きました。
風太
難しい事ではない。開けたいかどうか、気持ちの問題だと思う。

そして、男の子は人に対して抵抗がないということ。素直な男の子です。

もう一つ分かったことは、ここから出ることに対して、かなりの抵抗があるということ。



この日は偵察に来たのですが、もう一人のボランティアさんと話したことは
「もう、今日にでもレスキューしたい」
ということ。


ご飯を上げにきてくれる、親戚の方の情報はもらっていました。
その方に電話をすると、出ない。

親戚の方のお宅の住所も分かっていた。
その方のお家までここから車で15分ほど。
「行こう!」
ということで、お宅にいきました。

が、留守でした。
ご近所に聞き込みをした結果、
この親戚の方も、色々生活に苦労を抱えていて、忙しいなかギリギリのところで男の子にご飯を届けに行ってくれている
ということが分かりました。


きっと、事情を説明したら、手放してくれるはず。

そう話合って、親戚の方の帰りを待っていましたが、帰って来ませんでした。

「もう一度現場に帰ろう」
と、二人で親戚の方のお家を出て、現場に向かいましたが、
私は私で電池切れ^^;
途中コンビニでコーラを飲んでいると、
ボランティアさんから電話が


途中で親戚の方っぽい人とすれ違って、追いかけたらやっぱりその方で、話をしたらOKくれた
と。
「あの子、連れて帰れます!」

と。


レスキューにおいて、最重要課題は所有権問題。
その重要課題はコーラを飲んでるうちにクリアされていました。

スミマセン。
ありがとうございました。


現場に戻ると、もっと根深い問題に直面します。
風太


「僕に会いに来てくれて、ありがとう。でも僕はここでいいよ。また僕に会いに遊びに来てよ」

男の子は、ここから出ることを強く拒みました。


首輪を着けて引っ張り出そうとしても、首輪を首元に持っていくと
「ガウッ」
と言ってしまいます。


安全面を考慮して、今日は所有権を放棄してくれただけでも大きな前進として、また別の日に連れに来よう
と、この日は断念します。





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水曜日。
作戦を練って、保護に務めます。
風太
風太
「オレたちと一緒に行こう」
「ボクはここを離れない」

の攻防戦は6時間を越えました。


アナタがここで生きてきたことは尊重するけど、でもここで一生は終わらせたくない。
だってアナタにも輝かしい未来。本当の家族の笑顔が待ってるから。

だからお願い。ここから出てきて。



最後は
「嫌だ。怖いよ。怖い事しないでよ」
と泣き叫ぶ男の子を無理やりバリケンに入れました。


風太
「一緒に行こうよ。みんなが待ってるよ」


風太
男の子は拗ねていました。


即病院へ。


風太
長い爪と真っ黒に伸びた裏毛



風太
お耳は真っ黒に汚れていました。



風太
嫌なことをされて、時々「怖い」って泣いちゃったけど、我慢できました。
男の子だもんね^^



男の子は風太(ふうた)くんと名付けられました。



これはシェルターのボランティアさんに頂いた写真。
風太
シェルターでは最初は怖くて立ち上がることも出来なかったけど

風太
立ってご飯を食べるとこが出来るようになった

風太
撫でてもらっても平気になって^^


風太
お外でも撫でてもらえるようになりました^^


今はまだ、お外の世界が怖くて、お散歩には行けません。
でも、少しずつ少しずつ慣れていっているようです。


ふうちゃんのこと、
応援してくださいね^^

 

(by しみゃおさんブログより・転載ドラメイ)