それでも人生にイエスと言いたい。
茨城の夜と霧。
今を生き延びることだけに集中して。
低血糖でした。処置をしたらパッチリ目が開きました。
4カ月センターの個別房にいて、急に4.15引き出し、翌日に去勢し死亡。
極限を生きているから。
見捨てられ、
振り回され、
利用され、
押し付けられ、
助けても
こちらが苦しいときは助けてはもらえぬ、
動物を助けていく活動。
悲喜が濃縮したCAPIN誕生から11年の歳月のうちでも、特に悲しみの詰まったこの一年。
どんなに悲惨な状況でも、世話を待つ子らがいる。
アウシュビッツに送られる家族を描いた物語がありました。いつもそれを思い出します。
男たちは嘆き、頭を抱え、罵倒し、歩き回る、
でも女たちは、こんな日でさえ、子どもたちに食べさせ、服を着がえさせ、忙しく賑やかに世話をする。いつもとすることは同じ。
明日は汽車に乗せられ、アウシュビッツに送られるというのに。
今日もまた無事に終わった、
また1日を生き長らえたことに感謝して、押し入れの寝床に這い上がります。
疲れで風呂にも入らず
倒れるように。
夜中は足元の老犬が鳴くので排泄に起き出します。
踵骨刺のかかとをつかないよう、爪先で。
すべての手指は腱鞘炎でしばらく動きませんが、ギリギリと動かしていくとだんだん戻ります。
すると他の犬たちも騒ぎ出します。
オレも、オレも、と。
そんなふうにして朝が来て、また1日が始まります。
4.15、4カ月センターの個別房にいた犬を引き出しました。
4.16、若かったため昼に去勢手術をお願いしました。
が、夕方に容態がおかしい、呼吸が浅い、と連絡があったのです。
シェルターの世話が終わりでなかったために、
圭さんが和尚さんと一緒に、緊急病院へ搬送くださいました。
が、助からない、と聞きました。
私たちは泣きました。
じっと、こちらを注視していました。
本当に、心配して、ルーンちゃんはこちらを見つめていました。
大丈夫だよ、とルーンちゃんを励ましました。
笑って、大丈夫だよと言い聞かせました。
そのときにも、アウシュビッツに送られる前夜の母親たちの動きを想っていました。
子どもたちを安心させること。
やらねばならないことを淡々とやる。
それからすぐ、救急病院に向かいました。
都内に転院させるためです。
4.16の朝、まだ元気でした。
センターで頂けた書類です。
去勢をし、呼吸がおかしくなり、夜に搬送した救急病院さんでの診断では、心臓にフィラリアがいて、それを出さないと助からない、というもの。
お電話してお頼みしたら、引き受けて頂けたので、夜の高速を走りました。サーキット常連ねこのかあちゃんさんが飛ばしてくださいました。到着は21.30を過ぎてしまいましたが、先生方が待っていてくださいました。
4カ月センターの個別房にいて、急に4.15引き出し、翌日に去勢し死亡。
毒はいつ摂取したのか?
分かりません。
センターでは昨年2019.10.15以降、注射による薬殺を行なっています。
それまでは睡眠薬多量のエサを与えて経口で殺処分していました。
犬たちは大変苦しむと聞いていました。
谷澤獣医によれば、経口での殺処分は有り得ないそうです。犬たちはまず食べない。食べたとしても、相当に苦しむ。安楽死ではない、とのことです。
センターで何かあったのか。
殺処分の仕方も、何が真実か、分からない。
by 鶴田おかめ