下記のブログは11/12に公開致しましたが、
警察より掲載中止の要請を受け、いったん記事を取り下げました。
その後複数の弁護士に相談し、記事の掲載と情報公開には問題がないこと、
今回のケースは不法侵入には当たらないとの見解を頂き、
再度掲載いたします。
センターより12回もの指導を受けながらこのような実態が放置されてきたことを、
大変遺憾に思います。
また今回のようなケースがたとえ氷山の一角であったとしても、
悲惨な飼育状況に置かれた犬猫の声なき声のために、
諦めず声を上げていきたいと考えております。
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9日の月曜に、高校生からメール相談を受けました
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Subject:犬たちの救助調査のお願い
こんにちは
先日、常総市へボランティアに行きました、高校3年生です。
その時、私が活動していた向かいの家で沢山の犬を飼っている人がいました。そこにいる犬たちは、震災当時のまま、ケージも汚れていて、足に糞や石の固まりがまとわりつき、爪は伸びきったまま。顔も泥だらけで毛もカットされていませんでした。ストレスなのか、皮膚病になり毛が抜けてしまっている犬もいました。白内障になっている犬も。小さい部屋に約20匹ほどの犬たちが小さなケージに何匹も入っていました。水はありませんでした。糞もそのままの状態で虫が発生し、ハエが犬に沢山ついていました。さらに、窓も何もない密室空間に閉じ込められていました。何か訴えるように見ては、枯れそうな声で鳴き続けました。震災で苦しい状況なのは理解していますが、犬を閉じ込め不衛生な状態で放置するのは違うと思います。話によると、ご主人はブリーダーだと聞きました。家に戻られたのは、午後の4時頃でした。主人が普段どういう生活を送っているのかわかりませんでしたが、犬たちの状況を見る限り、あまり良い印象を受けることができませんでした。ボランティアの人に聞いても、主人がいる限り、どうすることもできないとの返事でした。どうすればいいのかわからないのでアドバイスをくれたら幸いです。協力お願いします! N
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このようにお返事しました。
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Nさま
9日の月曜にご相談を受けましたが、この日は私が仕事で動けず、すみませんでした。ご報告いたします。
翌日の火曜に現地確認しました。
通りを歩く住民や災害ボランティアさんたちに聞くとすぐその小屋に案内されました。皆さん放置された犬を心配されていました。
ブリーダーは水害の直後は避難所にいて最近は帰宅したようですが、動物のことは放置し、まったく世話をせず、昼間はカラオケや農作業に跳んで歩いているそうです。
不在のブリーダーに代わり、ボランティアさんたちが犬たちに水や餌を与えたり掃除をしたり、されていたそうですね。何人かから、伺いました。土砂を掻き出したり清掃したりの合間に、本当に大変でしたね。
ブリーダーに家や犬小屋の片付けを指示された災害ボランティアの若い女性に案内され、なかを見せてもらいましたが、あまりの酷さに驚きました。
災害ボランティアさんたちもどうしてよいかわからず、でも放置はできず、社会福祉協議会のボラセンに相談されていたそうですが、人の対応で手一杯でそのままにされていたようです。
二体のミイラ。
尻尾が挟まったまま、扉が閉められている、扱いの乱雑さ。
助けられるのは人間。
これは、犯罪です。
水害以前の話だ。
私も過去に阿見町のブリーダー告発人のひとりになったことがありますが(有罪となり廃業しました)これに匹敵するほどのレベルです。明らかな犯罪であり、警察が対応するレベルと判断しました。水害とは関係なく、以前からの不適切飼養に違いありません。なぜ、このまま放置されたのか、動物指導センターは指導をしていたのか、このような飼養環境でも、動物取扱業としての存在が許されるなら、茨城県の繁殖現場ではなをやっても許される、動物には地獄だなと思いました。
後でわかりましたが、センターは、この家主が19年にブリーダー登録をしてから、過去に12回も、指導のために訪問しています。さらに、24年には、動物取扱業の登録更新まで許していることがわかりました。センターは、すべて把握していたのです。
いつも事前に訪問の日時を伝えてからの査察をするため、汚い部分や死んでしまった犬は隠されてしまいます。こうして動物たちは劣悪な環境におかれたまま人目の届かないところで息たえます。
今回の件ですが、
動物たちは世話をされず、ケージもトレイも極度に汚れており不衛生ですし、栄養状態が悪くて、トリミングもされず毛は延び放題、毛艶も悪い、水もなく、古くかびたドライが散らばり、糞尿といっしょに積もっていました。三体の死体がケージのなかに放置されていました。(水害のあと、10月になって知り合いの人からまた新たに貰い受け、入れたと言います。ダックス2匹とシーズー1匹でした。)
ミイラの放置された部屋に、生きた犬たちが15匹。その明日の命の保証もありません。
別の部屋には小型が4匹。また別の、窓のない行灯部屋には大型犬が3匹。
ボランティアさんが掃除をしていましたが、状態が悪いです。
動物愛護法44条の虐待にこれがあたることは間違いなく、私はその場で警察に通報し、警察に現場に来てくださるよう要請しました。が、すでに夕刻で、別の事件で警官が出払い、対応が出来ないと言われましたので、翌日に待ち合わせ、場所まで案内することになりました。
水曜に警察に電話をかけ、昼過ぎにアポをとり、現場に向かいました。
あなたはなぜいつも警察なのか、まず虐待があれば指導センターだろう、と、警察に電話で怒られながら、現地に来てもらいました。
でも、これは茨城県動物指導センターに相談する域を越えています、現行犯逮捕でもおかしくないくらいです。また、センターに話せば、ブリーダーに連絡され、警察が来るときには遺体を隠されてしまうことを恐れました。だからまず、警察、と。
犬たちはガラスの引き戸から、よく見えました。警察も、悲惨な光景に驚かれていました。パトカー3人、私服警官ふたり。
警察が指導センターを呼び出しました。
さすが、警察は聞き込みをされ、ブリーダーの連絡先をボランティアさんや近所から聞き出して、連絡をとられました。
がなかなか電話に出ません。行きつけのカラオケにも探しに行かれましたが、いません。
ブリーダーが帰宅したのは6時くらい、指導センターの到着もほぼ同時。それから暗いなかで、現場の確認、犬の状態の調査、事情聴取、撮影、3体の遺体の回収。
現場の確認と、検証には、まだ数日かかります。そのあと、生きている26匹の犬は、当会で緊急保護預かりをするよう警察から依頼がありました。
まず体調を整えてから、譲渡となるかと思います。
取り急ぎご報告まで。
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連絡して下さった高校生のおかげで、当会でも情報を得て動くことができました。
現場には、スマイルさんも、緊急保護に備えてたくさんのケージを積み、駆けつけてくれました。
緊急保護に対して、会員、理事、みんな賛成してくれました。
ただ、こんな繁殖現場は、茨城県にはありふれています。
関わりを持つ人たちは、
諦めないでください、
動物愛護法があり、ネグレクトも違法、犯罪です。
改善が見込まれるなら、動物指導センターに、相談しましょう。
ひどい場合は、警察の生活安全課にも相談し、現場を見てもらいましょう。
動物愛護法44条を運用してもらい、取締りを求めましょう。
これが立件されるよう、見守ってください。うやむやにされぬよう。
たくさんの前例を積み上げていき、やがては社会全体が、あらゆる動物虐待を認めないようになればよいです。
これは、氷山の一角でしかなく、たまたま水害があったから、明るみに出ただけ。一階部分でケージで水死してしまった犬は哀れでなりません。が、生き延びた犬には、救済のチャンスとなりました。
劣悪ブリーダーや不良飼い主のもと、苦しむ動物たちがまだまだいます。行政、警察も、私たち民間も、積極的に動いていかれるさらなる法整備を願います。
数値規制です。
飼い主の所有権放棄です。
そして、行政による整った緊急保護場所の確保です。
こんなになっても、ブリーダーは、手放す気はなく
まだまだ業をやるつもりなのですから。
*また、このときの26頭の犬たちは、夜中にケージを運んで待機していた私たちcapinには渡されず、いったんセンターが引き取ることになりました。連絡を待っていましたが、あのときの子たちが、東京の「成犬譲渡の会」さんに移動したことが、後日、たまたまテレビを見ていて分かりました。心のケアをしている様子が取材されていました。センターからも何の連絡もなく、私たちはとても心配していたのです。無事に保護されたことがわかり安堵しました。
行灯部屋のゴールデンたち 早く助け出したいものです!!!