チラシやDMを受けとった時「あぁ、メチャクチャ売りたいんだろうな」というような感じを受ける時ってありませんか?
売り売り感が伝わってくる販促物は、やっぱり反応が悪い。
ただ、販促物の8割以上がそうなっているのも現状です。
もしかしたら自分達では気付いていないだけかもしれませんが(汗)
反応のいい、伝わる販促物をつくるには、シナリオが大切です。
コトマーケティング的には、この3つのポイントを押さえてシナリオを描きます。
- 誰に(ターゲットを絞る)
- 何を伝えて(ターゲットの知りたいコト)
- どうして欲しいのか(資料請求、来店、予約、購入など)
誰に、どうして欲しいのか?
その為には、どんなコトを伝えればいいのか?
シナリオの最初は「誰に」です。
メッセージやコンテンツを伝えようとした時、その内容が伝わるためには「誰に伝えるのか」が明確でないと伝わりません。
そもそも「伝える」という行為には相手がいると思いませんか?
誰かに伝わったら、誰でもいいから伝わったらと思って発信するコトバって、難しくないですか?
例えば、相手が小学生なのか?25歳の女性なのか?40歳の男性なのか?これによって、伝えるコトバも変わってくるはずです。
だからこそ、まずは伝える相手を明確にする。
相手を明確にすることで、その人の興味のあること、不安に感じていること、不満に思っていることが見えてくるはずです。
「何が知りたいのか?」「何に興味があるのか?」が見えてくる。
そこが見えてくれば、何を伝えるかはカンタン。
興味のある人には「興味のあるコト」を伝えればいいし、
不安や不満のある人には「不安や不満を解消するコト」を伝えればいい。
知りたい人に、知りたいコトを伝える。
だから「伝わる」。
すごくシンプルなことなんです。
ご存知の通り、人間の脳ミソって興味のあるコトにしか反応しないようにできています。
例えば、同じ商店街を歩いていても、ゴルフ好きな人は「ゴルフショップのカンバン」が目に入るし、ヨガが好きな人は「ヨガスタジオのカンバン」が目に入る。
同じ景色を見ているはずなのに、興味のあるコトしか目に飛び込んでこないのです。
ということは、相手の興味のあるコトを発信しないと反応されないと言うこと。
だからこそ、「誰に」からシナリオを描いていかないといけないのです。
しかしながら、販促物の多くはそうなっていない。
ちなみに、新聞を取っている方は新聞乗り込みチラシを一度見てください。
そのチラシは「誰に」むけて作ったものか?
読み取れるチラシがどれくらいあるでしょうか?
20枚~30枚の新聞折込みチラシが入っていても、ターゲットが明確に読み取れるチラシは、、、
ほぼありません。
何故なのでしょうか?
それは、「売り手が言いたいコトを言ってしまっているから」
相手を見ずに、自分達が言いたいコトだけを発信して、誰でもいいから買ってほしい!そう思っているからです。
「えっ!?そんなことない??」
では、「誰の」「何のために」そのチラシをつくっていますか?
「お客様の役に立つために」
そうでないと伝わりません。
だって逆の立場になって、あなたがお客様だとしたら「売られたいですか?」
だれも売られたくなんてない。
そのとき持っている興味のあるコトを満たしたり、そのとき持っている不安なコトを解消したり、不便なコトを解決したりしたい。そう思っているのです。
だから、伝えるためには「誰に向かって情報を発信するのか」を明確にすることからシナリオをはじめていってくださいね。
きっと、あなたのメッセージが、あなたの届けたい人に伝わるはずです。
お客様に「価値を伝える」ことはすごく大切なことであり、コトマーケティング的に「核」の部分でもあります。
ただ、この「伝える」という行為においては、必ず「相手」がいます。
その相手を知らずに伝えようとすると、どうなるでしょうか?
それは、ただ自分がいいたいコトを伝えるだけになる可能性が高い。
相手を見ていないから、相手を知らないから、まったく伝わらないのです。
価値を伝えるためには、まず相手を見る、知る、聞く。
相手を理解すればするほど、価値を伝えやすくなります。
これを身近な事例から感じ取ってください。
少し前になりますがテレビを買い替えたときの話です。
テレビが「地デジ化」するときに、僕も仕方なくテレビを買い替えようとして、家電量販店に家族と一緒にテレビ見に行ったのです。その当時は、液晶テレビとプラズマテレビという2つのタイプがあって消費者からすれば、何がどう違うのかさっぱり分かりませんでした。
そんな中、自宅近くの家電量販店に行って、テレビの売り場に進んでいくと、ある男性の販売員の方が声をかけてきました。
販売員「(僕の子供を見て)お客様のお子様ですか?」
僕 「ええ、そうです」
販売員「お子さん、まだ小さいんですね、おいくつですか?」
僕 「5歳で、まだ幼稚園なんですよ」
販売員「だったら、テレビの画面とか掌でベタベタ触りませんか?」
僕 「そうそう! 思いっきり触ったりするんですよ」
販売員「実はそれって、液晶テレビの場合、故障の原因になりやすいんですよ」
僕 「えっ!? そうなんですか?」
販売員「なおかつ、保証外ですので、修理費もたかくて」
僕 「えっ! ほんとに?」
販売員「ですので、もしテレビをお買い換えの時はプラズマテレビがおススメです」
僕 「なるほど、そうなんですね」
販売員「お客様によって、選び方も異なってきますので、よかったらお住まいのことや、テレビの使い方などもお聞かせください。」
僕 「へぇ~だったら……」
こうして、僕はいろいろと話を聞き、プラズマテレビを購入したのですが、問題は僕がどのテレビを購入したかと言うことではなく、テレビを購入したプロセスにあります。
「どんなテレビをお探しですか?」
「ご予算はいくらくらいで」
「ただいま、このテレビが当店では人気があって」
(※販売員が言いたいこと)
もし、そんな接客だったら、嫌気がさして買っていなかったはずです。でも、僕はその日に、その接客を通して購入しました。
どうしてか?
どうして僕はその接客でプラズマテレビを購入したのでしょう??
① 最初は「相手のコト」に興味を持ち、相手のことを理解しようとする。
→僕の子供を見て、どんな状況か、どんなコトが想像できるかを考えた
② もっと知りたくて話しかけてみる。
→それを確認するために年齢を聞いてみた
③ 興味をもち、深く掘り下げてどんどん聞いてみる。
→困ってるコト、問題になってるコトなどを聞きだした
④ 相手のことが分かるにつれて、お互いの共通項目が見つける。
→困っているコトに対して解決策を伝えることで、よりよいテレビ選びにつながる。
⑤ そうすると、こっちのことにも興味を持ってくれて聞いてくれる。
→販売員が相談相手になり、いろいろな状況を話し、相手の話も素直に聞くようになる。
⑥、どんどん、分かり合えるようになる。
→家の状況を伝え、分かり、そこにピッタリのテレビが選べて満足する。
いかがでしょうか?相手(お客様)を知る、見る、聞くことで、お客様の状況がどんどん見えてくる。そうすると、知りたいコトが見えてくるのです。
どんなに素晴らしい商品やサービスであっても、その価値を伝えようとした時には必ず「伝える相手」がいることを頭の中に入れてください。
相手に価値を伝えるということは、相手の状況、相手の課題や悩み、相手の知りたいこと、を知った上で、どうすれば伝わるかを考えていくことが大切です。
ですから、お客様を知る・見る・聞く。
まずはお客様に興味を持つことが大切なのです。
次回は、コト売りで大切な7つのポイント⑥~⑦をお伝えしますね。
シリーズ記事:
コト売りで大切な7つのポイント①~③
コト売りで大切な7つのポイント④~⑤