触れたくて手を伸ばす。

触れる寸前の、一瞬の躊躇。


私の手は金属みたいに冷たい。

彼の熱を奪うにちがいない、私の手。


彼が首をかしげて、私の手に頬を寄せる。

「冷たくて気持ちいい」


だから、私は私の手が好き。

京都には一ヶ月に一・二回行く。

大学時代を過ごした大切な場所だ。

今日は友人の誕生日プレゼントを探して、ロフトやネオマート、寺町通りをうろついてみた。

いいものが見つかって、ほくほくしながら、午後からの用事を済ませる。


帰り道、川端通りを丸太町から三条まで歩く。

日が沈みかけた京都の町並みは美しい。

休日の夜の喧噪と、そこはかとないけだるさ。


そして記憶が甦る。

人に悲観離合有り。

月に陰晴圓缺有り。


願わくは千里嬋娟を共にせんことを。