あなたを好きな理由を考えてみた。


声が好き。

指の長さが好き。

眉を蹙めたときの眉間の感じが好き。

音楽的な感性が好き。

頭の回転の速さが好き。

冷たいような優しいような生ぬるい感じが好き。


でも、幾つ数え上げてみても何かがちがう。



あなたを嫌いな理由を考えてみた。

思いつかなくて困惑した。



あなたと一緒にいる理由を考えてみた。

ただ一緒にいるということの幸福感だけで息苦しくなった。



あなたと一緒にいられない理由を考えてみた。

哀しくてただ泣きたくなった。

たった一言が言えない。

心の中で繰り返すだけ。


さよなら。


それだけで、全ては終わるのに。

二度と私の口からは言えない言葉。

わかってたはずだった。

嘘でいいと思ってた。

私の傍であなたが眠る。

ふと目覚めたときあなたがいる。

息ができなくなる。


嘘でいいなんて言えなくなる。



かつてあなたを手に入れたとき、私の世界が回り出した。

かつてあなたを手放したとき、私の世界はまた動きを止めた。

あなたがいない世界。

あなたのいない左側。

いつまで経っても慣れなくて。


誰に愛されても、誰を愛してると思っても、結局私が帰っていく世界はあなた。