車の吐息 駐車場を白く照らして夏の月 車の吐息涼しく包む 一日中暑い夏の空のもとを走って来た車が夕方 になると 次々に戻って来る駐車場は車にとって安心 して休めるふところのようなもの でしょうね 白く光る月下にホッと車の安堵の吐息が洩れてきそうな 静かな夜
蝉の片翅 ひぐらしの葬送のごと 鳴く樹下 蝉の片翅を 蟻がひきゆく ひぐらしの鳴き声は もの悲しく聞こえることもあるまして 日暮れの頃は 蟻が渾身の力?をこめて蝉の翅を引いてゐる 夏の風景の一齣 じっと見ていると生きゆく ものの哀れさが身に沁みてくる 今年の夏は 特に暑つかったですね 蝉の声も虫の鳴き声も同時に聞こえる此の頃 年々に巡りくる季節のたびに感動 を頂いてゐますよね~
音 みな優し 久し振りです 眼の手術も順調にすみ 再び綴ってゆきますので 何卒 前回同様よろしくお願いいたします どうぞ 遊びに いらっしゃって 下さいね 眼を病めば 音 みな優しく聞こえると 話せしわれに うなづく子の声 病んでみて初めて解 り得ることがありますよね 元気なときは気の付かなかったけれど・・・ 自然に発する音や生活音 等しみじみと聞いてゐることも なく過ごしてきたのだな~眼を閉じて聞いていると 鳥の声 車の走る音 人の行き交う気配 それぞれの 表情を持って 居るように思える 此の日頃です
辰子姫の像田沢湖の夜来のいかずち さらり晴れ 辰子姫の像 湖上に輝く 角館の武家屋敷や民芸品など見て 夕方田沢湖 に向かう 宿は 四階の湖面がはの部屋 湖岸 に夕靄がたちこめ明かりがほつほつ灯ってゐるのを見ていたら何故か 郷愁にかられてしまってね~ 友と入浴 食事を済ませ涼風に当たろうと思い窓を開けると強い風が吹きつけてきて 遠くに雷鳴が聞こえてきた 何分もたたないうちにダイナミックな雷鳴と閃光 恐怖心と怖いものみたさに布団を被って窓を覗く閃光の度に湖面が白く浮き上がる空が割れるような雷鳴に布団にかじりつく 怖かったー 朝空は真青に晴れ渡り辰子姫の像がきらきら輝いていた
啄木の蟹 片瀬浜 指より零れる砂優し 啄木の蟹 短歌(うた)より出ずる 梅雨の薄曇り 片瀬の海は賑わってゐるサーファー が気持ちよさそうに滑ってゐる 少し湿った海岸を 靴をぬいで素足であるいた 踏みしめる足裏の感触が 嬉しい~~両手で砂を掬うと意外に さらさらとして 指の間より零れる ふと 啄木の歌を思い出しました 東海の 小島の磯の白砂に われ泣きぬれて蟹とたはむる 啄木が遊んでいた蟹はどんな蟹でしょうね きっと小さな蟹 かもね 挟まれたらいたいよね その傷みは胸のいたみに通じるのでしようね~
鏡面に映ゆ 裄(ゆき)丈は合はねど亡母の絽(ろ)の着物 桔梗の模様が鏡面に映ゆ 夏の土用の虫干しの頃になると着る事ことの少なく なった着物などを風通しよく干します 中でも亡母の 紺地にぼかしの所に紫と白の桔梗模様のきものが好き で袖を通し前見頃をきちんと合わせ衿もともシャキ つと調え姿見の鏡に向かう 袂をそっと腕のせ 横を 向いたり後ろを見たり 鏡に映る姿が亡母に重なり 遠い記憶を覚まします
空梅雨の風 知らぬ間に 人疵つけし 言の葉の 胸にさ揺らぐ 空梅雨の風 自分では他意もなく話をしていた積もりでも ときには 人を疵つけてしまう事もありますよね 長い付き合いの 人なら気心も知れて解りあえるのですが 又 じぶんも 疵つくこともあります が 今日は 反省の一日です
軸の山水 残照の差し入る茶室の床の間の 軸の山水も夕景となる 静かな佇まいの茶室に招かれ 障子をそっと開けると 折りからの残照が差し入り床の間の山水の描かれた掛け軸 が赤く染まり 夕景の絵のように美しく見えました 障子を閉めると障子いちめん朱に映えて なんだか 異次元の世界にゐるような気持ち,,,,,,,これも自然の 作った美しさですよね
レイテの千の風に 征きしまま 祖父はレイテの千の風に 成らず戦跡の 草に吹きなむ 戦争にい征ったまま還らない祖父の慰霊祭が身内で 行われました その時はじめてレイテ島で戦死された 事を知りました 幼い頃は南の島とおしえられていま した 戦争末期の激戦地であったこと当時を知る人達 に聞き いつしか涙ぐでいました私の心の中では千の風 ではなくレイテに留まって戦跡の草の上にそよそよ吹いて ゐるだろうなあ~と思ってゐます いつの日か訪ねてみたい 祖父の終の島へー