最近、バスで老人をみかけます。
午前中はとくにみかけます。
こんなに老人が多い日本を今までにみたことがないですね。
確かに高齢化社会なんですね。
一方で、ひとりぶつぶついいながら、歩いている老婆を
みかけました。
嫁の事を喋っているようでした。
誰と話をするわけでもなく、うつろな瞳は
どこか知らない世界にいるようでした。
しかし、その人にはやっぱり口に出せない人生が
あったのだと思いました。

短歌
幹も枝もくねり苔生す老梅は
           びっしりと咲きそこのみ明るく


   
成人式がありましたよね。
夕張と那覇では対照的な感じがしました。
一方では、自分たちの手で成人式を行う姿に
全国からの寄付でまかない、余剰金は来年度
にまわすそうです。一方は、酒飲んで大騒ぎ。
あげくにパトカー。それも税金使ってです。
しかし、どこか不満なのは共通でしょう。
だから、どちらが正しくて、どちらが、間違って
いるわけではないようなきがします。

短歌
少年が蹴った 空き缶 苛立ちを
        分けてカラカラ音たて転がる
子供の頃に不思議な夢をみました。
深夜に営業開始する中華料理家さんがあって、
いかにも、昭和って感じの店で、コップとか、
水色のあの透明なプラスチックのコップ。
昔ありましたよね。
で、夜があけるので、閉店しますとか言って、
シャッターをしめるところで終わりました。
朝焼けに照らし出された中国人コックとその奥さん。
のすがたが、朝露のように消えた夢でした。
ところで、
貨物駅ってきいたことありますか。
家のそばに駅があるんですけど、貨物駅なんですね。
だから、通勤、通学、また、交通手段としては我々住民は
利用することがないんです。
ただ、貨物列車の通過する音だけは聞こえるんですね。
しかも、この列車が稼働するのは夜なんです。

短歌
コトコトと昼には聞こえぬ音がする
         貨物列車か雪の降る夜
我が家の前には何年か前までは子供たちが
  夕暮れまで遊んでいたんですよね
  今は遊び声もきこえないのは淋しいかぎり
  です子供たちが安心して伸び伸び遊べる時代
  が来るといいですね




   手まり歌口ずさみをり遠き日の
       てんまり着けば広がる日溜まり
人と人とのお付き合いほど難しいものはないですよね
   言いたいけれど言わないほうが良い場合もありますね
   そんな事を思いながら夕暮れの道をあるいていたら
   枯れがれのあざみのとげに触れ指先に痛みがはしり
    弱気な私を諌められたようにおもえたのですよ
短歌 

意のままを言へずに帰る黄昏を
    末枯れるあざみの棘にふれたり
幸せを考えるとき、なにが幸せなのかと自問します。
しかし、この質問の建て方そのものが適切だろうかと
考えるわけです。
例えば、猫に幸せですかと聞く人はいないと思います。
また、自殺する猫もいないわけですよね。
ただ、人間だけは不幸と幸せ、
今なら、勝ち組、負け組
もしくは、明るい人、暗い人。
どうも二元論になりがちですよね。
わたしは負け組は事実いると思います。
ただ、勝ち組なんて実際はいないと思います。
負け組の人の頭の空想の中をのぞいて。

短歌
ほんのりと雪のつもれる紅椿(べにつばき)
          黄色い蕊(しべ)の雫(しずく)にうるむ
最近、検問が多いんですよね。
原因は飲酒運転だそうです。
それにしても、飲酒運転での事故が
去年は多かったです。
子供の列に車がつっこんできたとか
ひき逃げだとか
昔はよかったって言葉はすきではないけれど、
いつから、こんな風になってしまったのでしょうね。
昭和の短歌です。

ボランティアに守られながら下校の児ら
声高らかに九九口づさみくる
故郷を思うときってどんな時でしょうか
駅で話ている人がいて、偶然にもなまりを聞いたとき、
ああ、この人も群馬だなとか思うんですね。
微妙な標準語のイントネーションが群馬なんですね。
茨城のマギー司郎とか、栃木の東北訛りっぽい
のが微妙にブレンドされているのです。
群馬の訛りは、鼻母音の発音が
きわめて、フランス語の発音に近いんです、多分。
いや、是非。

短歌
故郷の赤城おろしに耳なれし
        方言を聞き心なごめり
セールスの電話って迷惑ですよね。
まず、ひつこい。
とにかくながびかせようとする。
こちらから切らない限りむこうからは切らない。
気分が悪いのひとことです。
翻って考えてみると、
こんな電話をかけてよこす人は
好きでその仕事は選ばないだろうし、
仕事なんだろうと思うわけです。
当然、その人もセールスの電話で不愉快な
経験をしているはずで、
自分もそうした迷惑を仕事にしていることは
やはりつらいでしょうね。

短歌
知らず知らずまたお辞儀してセールスの
          電話に今日は三度断る
田舎では馬酔木の花のことをお嫁さんの
かんざしに、似ている事から、
「嫁子花」
と呼んでいたのですね。
ずっと、「嫁子花」だと思っていたのですが、
最近、馬酔木という名前であることを知りました。
その花をおさない女の子の
髪にさしてあげました。

短歌
わが里に嫁御花とも呼ばれたる
         馬酔木を幼の髪に挿したり