これ以上頑張れるのか中小企業?!-頑張れる企業はどこ?どうやって?- | canyon-hill

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中小企業の経営者に頑張ってもらわないといけない。
-ということの数字的根拠から-

中小企業庁の「中小企業白書2022年版」によると、2020年の日本の製造業企業数は358万社で、うち中小企業は37万社、中小企業の割合は10.6%で生産性が高い。

中小企業の割合は10.6%で生産性が高い。
 

<根 拠>


2020年の製造業企業の労働生産性は、大企業が1,180万円/人、中小企業が520万円/人となっています。大企業の労働生産性は中小企業の2.2倍。

しかし、大企業と中小企業の労働生産性にはばらつきがあり、大企業の中にも生産性が低い企業が存在する一方で、中小企業の中にも生産性が高い企業が存在します。

「中小企業白書2022年版」の第1-3-4図によると、労働生産性5.7百万円/人以下(下位33%以下)の層ではむしろ大企業の方が多く分布。

それは、5.7百万円/人を境に逆転しています。

製造業における中小企業の生産性は、全体として大企業に比べると低いですが、大企業の下位33%に相当する中小企業の中には、大企業を上回る生産性を持つ企業も存在します。

以上から、製造業の中小企業は全体の10.6%しかないものの、生産性が高いと言えます。



<中小企業の一番割合の多い業種>

卸売業、小売業、サービス業」
中小企業の一番割合の多い業種は、2020年の「商工業実態基本調査」によると卸売業、小売業、サービス業」で、中小企業全体の8割に達しています。*「 2022年版 中小企業白書(HTML版) 第1部 令和3年度(2021年度)の中小企業の動向 第1章 中小企業・小規模事業者の動向 第6節 労働生産性と分配」(https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2022/chusho/b1_1_6.html

この業種の生産性は、大手に比べて良いとは言えません。中小企業の労働生産性は、大企業の約半分程度です。


<強みを活かして、互いに補完>
 

しかし、この業種の中小企業は、小回りの良さや地域密着を活かして、大手にはできないきめ細かいサービスや商品を提供しています。そのため、大手企業と中小企業は、それぞれの強みを活かして、互いに補完し合いながら、日本の経済を支えていると言えます。

例を上げると「卸売業」、「サービス業」では、付加価値額全体に占める中小企業の割合が相対的に高くなっていますが、その生産性は大手企業よりも低くなっています。 ただし、「宿泊業,飲食サービス業」、「生活関連サービス業,娯楽業」、「教育,学習支援業」では、約7割の付加価値額が中小企業によって生み出されており、その存在感は大きいです。

 

<効率化はまだ図れる余地が有る>
 

上記から、まず言えることは、製造業関連中小企業は、効率化はまだ図れる余地が有るといえ、そのやり方に、制度や、規制、規格などの見直しを官民で行えば解決法はまだ有ると考えます。

 

<「卸売業、小売業、サービス業」のDX化と機械化>
 

「卸売業、小売業、サービス業」については、人対人の接点を重視する業種では、それ以外のドキュメント作業、物流などのDX化と、機械化を図ることで、効率化、コストダウンを図れる余地が有ると考えます。こちらにも、制度や、規制、規格などの見直しを官民で行うことの余地が有る業種が有ると思います。


経営者は、今一度他企業や、業種のそれらの成功事例を調査し、見聞を深めることが、重要と考え、官への制度、規定の見直しなどの申し出、懇願を行うことも必要と思います。


 

<投資が必要。投資は補助金、民間融資などを使う>
 

そして、これらは、中小企業の投資が必要なことですので、まずは其の投資を国がサポートすることが重要で、融資なり給付なり、解りやすく無理のない(必要事項が重複したり、複雑な書類収集を要しない。各企業に売上効果が現れるまで返済を留め置く、少額返済など)融資制度を設けるなどが必要と考えます。
 

また、小売、サービス事業者は新たなサービスや、製品の開発、プロモーションなどが、一般受けするようなものであれば、積極的に民間の融資(クラウドファンディングや個人投資家)の利用を試みることも大切だと考えます。


事業者は現在も行われているDX化など、政府、自治体などが行ってる設備等投資、勉強会等の補助金などを使ってできるところから始めることが、将来の不安を払拭する方法と考えます。



中小企業白書
コラム1-1-5:中小企業生産性革命推進事業
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2022/chusho/b1_1_6.html