2020年12月の発表会

講師からのご挨拶文です。 

(プリントのお渡しができていなかった方にも届いたら、と思い、こちらに掲載いたします。)


2020年発表会関連記事はこちら:2020年発表会ありがとうございました!

 

 

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本日は、ご多用の中、ご来場くださり、誠にありがとうございました。

 

今回は、プレラホールでの発表会となりました。

残念ながら多くのかたへお声かけが難しい状況でありましたが、そのような中でありましても、開会へのご理解ならびにご協力を下さいました、

生徒ならびに生徒のご家族の皆さま

また、ホール関係者やピアノ、調律、ほか、

今回の会にあたり携わってくださいました、あらゆる皆様に、心より感謝申し上げます。

 

 

 

 

生徒たち、親御様にむけて

 

生徒のみなさん、発表会、おめでとうございました。

今日の日をむかえるまでに、いろいろな気持ちを味わったことと思います

すぐには形にならなかったとしても、正しい練習を重ねていくと、できるようになることを、からだで知ることのできたお友達、

そうすると、自信をもって演奏できることを知ることのできたお友達もいると思います。

 

ひとりひとり、お家でもいろいろなことがあったと思います。

いま、どんな気持ちを感じ、考えていますか?

今回の発表会を通じて感じたこと・気が付いたことを、ぜひ書きとめ、

これからの未来に繋げていってくださいね。

 

そして、生徒たちを支えてくださった、ご家族のみなさま、

今日の日を迎えることができましたのも、皆様方の支えがあってのことです。

本当にありがとうございました。

 

多くのご家庭で、さまざまなことがあったと感じております。

「すこしでも良い演奏を」と、こどもたちの成長の機会をと真剣に考え、ご家庭での練習に工夫やご協力をしてくださったこと、心より感謝申し上げます。

 

生徒の数だけ、本当に今日の日まで、さまざまなドラマがありました。

ちょっとしたことで、レッスンが変わること、音楽が変わることを経験した生徒たちもいると思います。年齢とともにレッスンの受けかたもひとりだちの準備をしていく時期にさしかかってくる生徒もおりました。今回の発表会出演を通じて、それぞれが、宝物をみつけていただけていたら、幸いに存じます。

 

 

本年は、社会が強制的な変化を求められる一年となりました。

また、たいへんな思いをなさったかたもいらっしゃると思います。個人という視点だけではなく、社会の在り方も含め、様々なことがみえてきた一年でもあったと思います。

 

人間の持つ感情の根源的なものに「恐怖」というものがあります。また変化を好まない方がまだまだ大半であると思います。

 

日ごろ触れる情報によって、様々なかたよりやこだわりを持ちながら生きていることが殆どかと思いますが、俯瞰した視点と、できる限り多くの視点や材料をもち、その上で、考えることをたいせつにしたいと、思った一年でもありました。

 

どのような意識をもって、日々とりくむかということは、何事においても大変たいせつなことであり、また、音楽をするということは、とても奥深く・幅ひろいものです。

 

 

 

 

 

このような状況の中、音楽の持つ力と価値、そして音楽をすることによる未来、そして、新しい音楽への道、と、継続して音楽して音楽を学ぶことのできる環境をご用意しつづけてくださったことは、音楽の力を感じ、生きてきたものとして、大変うれしく思います。

 

こどもたちが音楽をしていくうえで、ご家族の皆様と連携・ご協力させていただきながら、レッスンをすすめていけることは、たいせつなことだと考えております。

それは、音楽する上では、ピアノ以外のその子を知ることもたいせつと考えていること、そして、やはりなにより、親御さんの笑顔ほどうれしいものはない、ということです。ですので、今日はぜひ、今日までのつみ重ねをともに、「よかったね」と「成長できたね」と眠りにつき、朝をむかえていただけたらうれしく思います。

 

 

 

例年お話させていただくことになりますが、

指導させていただくなかで、最もたいせつにしていることは、

「音楽することが人間としての道になっていてほしい」 

「音楽することが、ひとりひとりの人間として、生きることを学ぶ道になっていてほしい」

ということです。

 

音楽する生徒と音楽のあいだには、それぞれの絆が生まれます。最終的には「教える」ことのできないものだなということを、

この度もあらためて感じる発表会でありました。

 

先般もblogに書きましたが、現在の教育だけですと、どうしても、「わからない/わかる」「できない/できる」に目がいきがちに大人も含め教育されてきていますが、

 

なにかが「わかること」だけに価値を見い出し、こだわるのではなく、

「わかっても、わからなくても、うけとってみる」

「わかっても、わからなくても、からだで体験・経験してみる」

ということも、とてもたいせつなことだと考えております。

 

もちろん、人生は体験するだけでは時間は足りないですが、

やはり、その場で出逢えたもの、
空気を空間を共有できることは、本当にすばらしいことであり、

重ねていくことで気が付けることが増えていきます。また、それは喜びでもあると私自身は感じております。

 

ですので、音楽でいえば、本当に素晴らしい演奏を聴くこと。藝術作品や文化に出逢うこと。体験すること。

とにかく、いっぱい、よいもの・美しいものを、体験してほしい。
わかってもわからなくても体験してほしい。そんなことを、思います。

大きな時代の転換点にいることは、皆様も肌で感じているのではないでしょうか。

正解のあった極めて短い時代から、そうではない時代へと入ってきている今、

生きていくうえで、「なにを指針として生きるか」「なにを美しいと感じるか」ということは、人間として生きる上でも軸となる、たいせつなことではないでしょうか。

 

こどもたちと接していると、もう、ぜんぜん異なる生きものだなあと感じることがよくあり、このような、時代に生まれてきたこどもたち一人ひとりが、

自分のいのちを輝かせ、自らを表現し、調和を感じ、生きていってほしいと、切に願っております。

 

 

そして、音楽はせかいへの「扉」です。

技術を身につけていくには、地道で弛まぬ努力は必要ですが、

生徒たちとともに、私自身も学ばせていただきながら、

子どもたちが楽しく学び、自らうつくしいものを求めるこころを育て、

人生が豊かになる音楽教育を提供できるよう努めたいと日々考えております。

自身の考える「音楽」という言葉の定義を、改めて、お伝えできるよう、

一対一のレッスンでできること、複数だからこそできること、内容もさらに

包括的なかたちで、レッスンやお時間を提供していきたいと考えております。

 

 

生徒たちや保護者の皆さまから学ばせていただくことばかりで、

本当に、有り難いことだと思っております。

お教室という場所が、それぞれに応じて、音楽できる喜びとともに、自らをみつめ、発見する場所、世界をひろげる場所であり、また、皆でより良く、より豊かになるきっかけとなる場所のひとつであれたら、うれしく思います。

だからこそ、音楽の事はもちろん、ピアノ以外のことでも、うれしいことなど、いつでも共有させていただけたらと思っております。

 

 

世界には本当に素晴らしい方々や功績を遺して下さっている方がたくさんいらっしゃいます。

至らぬ点も多々あり、こうして、多くの皆さまに支えていただきながら ともに学ばせていただけますこと、感謝いたしております。

 

 

 

最後になりましたが、本日おいでくださった皆様方、また、日ごろよりレッスンにご理解ご協力をしてくださる保護者のみなさま、会をひらくにあたって、みえないところで本当に多くの方が動いてくださいました。心より感謝申し上げます。

 

今日の日から、またさらに、皆様の人生がしあわせで豊かで、素晴らしいものとなりますことを祈っております。

 

本日は、誠にありがとうございました。

 

                                                    

 

2020年12月25日

La Rimacantabileピアノ教室    小川 万梨子

 

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