なんだろうと思い急いで封を切ってみると、
中から『御祝』と書かれたもう一枚の封筒と
一枚の紙が入っていた。
なんと、先日出席してきた、
『日本認知症ケア学会大会』にて発表した
じいちゃんの事例に石崎賞という嬉しい賞をいただいたのだ!!
興奮した私は、すぐさま施設長に電話をしようとした。しかし、施設長は休日で自宅でお休み中だ。しかも数日前から風邪をひいている。なので、我慢してメールにした。
そのあと、社長にも電話をしようと考えたが、
社長も忙しい時間。なので会いに行くことにした。 お世話になったマーチンの似合っていた大先生の電話番号がわからない!!(このことは、のちに解決)
そして、相棒に連絡。
実をいうとこの賞金の使い道は、この時すでに考えていた!!
爺ちゃんと婆ちゃんたちに、何かプレゼントをしよう。
古くなったパジャマや、ズボン、上着をみんなで買いに行こう。
そう考えていた。
これは、私のお金ではない。これは、彼らがもらったお金だ。
私は、偉くなるよりも、お金をいっぱい貰うことよりも、とにかくこうして、爺ちゃんたちの生きざまをみんなに知って貰えることのほうが
心から嬉しい。
私がしたかった生き方を、爺ちゃんがかなえてくれた。
私がしたい行動を、施設長や大先生、現場の仲間たちが応援してくれた。
私が話したかった言葉を多くの人たちが聞いてくれた。
ありがたいことだ。
私は、こんなことがしたくてこの現場に来たのだ。
ここのホームにきて本当に良かったと思う。ここの人たちに出会えてよかったと心から思う。
爺ちゃん、ありがとう。
私も、生きてきてよかったと思うよ。