「わたしの罪は、夕日に多くを求めすぎたことかも…」

どうも、キャンです。

さてと。

先だって、『スピーシーズX 美しき寄生獣』などという、元々の『スピーシーズ』シリーズとは今一関係ないしょーもないエロホラーを(名目上は)紹介したわけですが、その上で、今回ご紹介するこちらの作品をご覧下さい。
『スピーシーズXX 寄生獣の誘惑』

な?

いや、何が「な?」なのか意味は分からないが、本家の『スピーシーズ』シリーズでさえ回を追うごとに着々と低クオリティになっていったというのに、邦題をわざわざ偽装した上にシリーズ化してしまうとは、世の中の需要とは分からないものである。

「お前みたいな触手好きが下支えしてんだよ!」と言われれば目を背けるしかないがな!

それではまずは、前回までのあらすじ!

色情狂の女性の半生を四時間にわたって描いたラース・フォン・トリアー監督の鬱三部作金髪の美人エイリアンが地球の男を触手レ○プして凍死させる!

というわけで、こちらは、前作から数年後のカナダのとある大学。
可愛い系童貞の主人公サムと、お堅い系幼馴染みのステファニーは、えらくフワッとした内容の生物学の講義を受けていた。
↑友達以上恋人未満のお二人。

この生物学の授業で、教授の助手として働いているのが、前作の主人公ルークだ。

ルーク、生きとったんかワレ!

前作のラストから一体どうやって生き延びたのか皆目分からんが、相変わらずイケメンでソフトマッチョなルーク。
教授からの評価も上々だが、その実、数年前に精神病院へぶち込まれ、今なお通院、服薬中というなかなか切ない状況だった。

そんなルークの挙動を、物陰からこっそりかぎ回る金髪美女の姿があった。
前作でルークに焼き殺されたはずのコンスタンツだ。

コンスタンツ、生きとったんかワレ!

前作のラストから一体どうやって生き延びたのか皆目分からんが、相変わらず美人でエロいコンスタンツ。
実は彼女、未だ人間界に潜む金髪美女軍団を率いて、どうすれば男を凍死させずに種付けできるか、涙ぐましい試行錯誤を続けていた。
その結果、一つの仮説にたどり着く。

「前戯が長い方が体温が下がりにくい」

…さあ、偏差値を下げるチキンレースの始まりだ!

一方その頃、主人公サムとその愉快な仲間たちは、最高に偏差値の低いイベントを計画していた。
どれだけの女を落とせるかを競う大会だ。
しかも、女の子をランク付けし、ランクごとに得点が変わるという、最低過ぎるシステムである。
幼馴染みのステファニーのことがチラついて気乗りのしないサムだが、「参加拒否できるのは彼女持ちかゲイだけだ」などと煽られて、渋々参加するのだった。

折しも今は年越しを間近に控え、男も女もパーティーでウェーイとハメを外す季節!
この大学パーティーし過ぎだろう!という気がしないでもないが、アホな色ガキどもは寒さをものともせずガールハントに繰り出すのだった。

そんな色ガキどもに、徐々に、エイリアンの触手が迫る。
まずはこのアホな大会を企画したメガネ男子が、クソ寒いド深夜に雪の上に押し倒され誘惑される。
しかもお前、豹柄で!

この時はメガネ男子が、「実は俺は童貞なんだ!」とシャウトして逃げ帰るという最高のチキンっぷりを発揮して事なきを得る。

また童貞カミングアウトかよ!

とは言え、股間の海綿体を中心に生きるエロガキ軍団と、男を漁りたい金髪美女軍団…、完全に利害が一致している!
ほどなくして、黒レザー好きの主人公の友達の一人が、雪の降りしきる夜に野外触手ファ○クをキメられ、半解凍状態に!
慌てて助けを呼びに行くサムだが、一瞬目を離したそのすきに、半生フレンズは行方知れずになってしまうのだった。

うん、氷漬けもやむ無し!

さすがにガールハント大会に興じてる場合じゃないと悟ったのか、サムは何か事情を知っていそうなルークに協力をあおぐことに。
しかし肝心のルークは、女医のコスプレで病院をうろついていたコンスタンツを見つけて大ハッスルしてしまい、強めのお薬をお注射されてヘベレケになっていた!

いや、アングル!

警備の目を盗みこっそりルークを連れ出すサム。
独自に凍死事件を調べていたルークは、この病院こそがエイリアンたちの本拠地だとあたりをつけていた!
そんな二人が向かったのは…ハワイアンパーティーだ!

会場では、今年最後のバカ騒ぎとばかりに、若い男女がヘソ丸出しの露出過多ファッションで躍り狂っている!
人間に擬態したエイリアンを見分ける方法は、そう、ヘソの有無だ!
そんなわけで、女子のヘソを凝視しながら会場を練り歩く二人。
その中に、一際男どもの視線を集める女性の姿が一人。
お堅いメガネ女子からすっかりイメチェンしたステファニーだ。

ステフ!?

イメチェンしたステファニーは性格も積極的かつ挑発的になっており、「ここは蒸すわ~」などと言ってサムを屋外に誘い出しガンガン誘惑して来るが、サムとしては疑惑はますます深まった!
まあ結果としては、ステファニーはエイリアンではなく、ヘソチェックを敢行したサムがビンタを食らうというオチがついたのだが、それはともかく!

そんな青春真っ盛りボーイ&ガールが茶番を繰り広げているうちに、この期に及んでガールハント大会をエンジョイしていたアホ友達の一人が、今まさに襲われているシーンに遭遇する。
もちろん屋外で!騎乗位で!
哀れなアホ男子は、命に別状はなかったものの、「…嫌じゃ…ない」などと口走り、すっかり錯乱した様子だ!

ともあれこれで、皆が真相を知るところとなった!
ルーク、ステファニー、そしてボンクラ男子どもは、お手製の火炎放射器や火炎瓶を手に、深夜の病院に殴り込みをかける!

やつらは俺たちの手で根絶やしにする!
何より、黒レザー好きだったアイツの弔い合戦だ!
色仕掛けと触手を駆使して襲ってくるエイリアンどもを各個撃破で焼き殺す!
ついに対峙する因縁の強敵コンスタンツ!
サムとステファニーにルーク、そしてなぜか精神科医の女医さんと力を合わせて、ついにコンスタンツを討ち倒し決着!

サムとステファニーは幸せなキスをカマし、ルークと女医さんが生暖かい目で微笑んで大団円だ!
↑若いっていいわね~。

と、思いきや。
使われていない死体安置所に隠されていた種付けされた半生男たちから次々にエイリアンベイビーが産まれ、一行の悲鳴が夜空に響いてエンドだ!


…いや~、思いがけず、年の瀬に見るのに相応しい一本でしたね!

相変わらず、チープなエロコメホラーといった風情の本作だが、「触手モノだ!」と変に期待値を上げなければ、実はそれなりにエンジョイできる愉快な作品であることに気付く。
まさに、「俺の罪は触手に多くを求めすぎたこと」という世界だ。

まず本作の魅力の一つは、楽しくバカバカしい圧倒的に陽性な雰囲気だ。
寒い北国を舞台にしたホラーとなれば、とかく暗く陰鬱になりがちじゃないですか?
ところがこの、画面の明るさはどうだ!
雪の中で盛大にオッパイを放り出す金髪!
パーティー!
そしてパーティー!
頭を空っぽにしてスナック菓子感覚で楽しめる気安さだ!

そして、そんな世界観にマッチするように、登場人物バカしかいねぇってのも素晴らしい!
まずもって、女を落として得点を競い合うなどという、年末浮かれにもほどがあるアホイベントを実行してしまう友人らは言わずもがなだが、一見まともそうな主人公もたいがいだ。
パーティーで躍りまくっているファンキーガールに声をかけるのだが、「みんな下心丸出しで、全くここの客は最低だよね!」と空気を読めないアプローチをカマし、「じゃあなんでアタシの乳首ばかり見てるの?」とつっこまれた上に、モロ出しオッパイを見せられて絶句する様などは、童貞ということを差し引いても目眩がするシーンだ。

また、俺の説明では、彼らは割りとテンポよく真相に辿り着いたように見えるかも知れないが、実際には、約1時間半の本編のうち1時間15分くらいまでひたすら女の尻を追いかけていた!

アホなのは何も男ばかりではない。
金髪エイリアンたちも、一体何を見て地球の文化を学んだのか知らんが、実に陽気で分かりやすい誘惑を見せてくれる。
コンスタンツを始め、今作も実に美人さん揃いで、しかも、黒レザーやら女教師ファッションやらナース服やら豹柄やら、様々な衣装で迫ってくれるので、ビール瓶片手に口笛吹くようなテンションで見るにはうってつけだ!
↑生物学者を誘惑するにはこう!

中でも、金髪美女三人が大真面目に、どうすれば男を凍死させずに種付けできるか話し合うシーンの偏差値の低さは圧巻だ。

「なぜルークだけ生き延びたのかしら?あんなに繊細そうなのに」

「繊細だからよ。繊細だから愛情が深く、前戯に時間をかけるの

「でもどうすれば前戯を長くできるかしら?地球の男ってすぐヤりたがるから

もうただの女子会トークじゃねーか!!

だが本作の魅力は、そんな脳みそスポンジになるようなエロシーンばかりではない。
実は、学園青春ラブコメとしても悪くなかったりする。
むしろ、学園青春ラブコメに触手をちょい足ししたと言った方がしっくりくるかも知れない。

可愛い系童貞主人公のサムは、「ステファニーと付き合っちゃえよ!」とからかわれれば「べ、べ、別にステフとはただの幼馴染みだし!」と分かりやすく狼狽え、ステファニーはステファニーで「あなたに合うのは同年代の理知的で感受性豊かな女性だと思うわ」と分かりやすく自己アピールする…。

二人の初々しいぎこちなさにオジサンなんだかムズムズしちゃいましてねぇ…。

ていうか、前作もそうだったけど、主人公の女友達が可愛い!
今回のステファニーも、勇気を出してイメチェンしてからのギャップもいいが、その前から、着込んでいるように見えてやたら胸元の開いた服装が多いのも、女心だなぁ!と思う次第だ。
↑可愛い。

そんなわけで、チープなB級ホラーながら存外褒めるところも多かった本作。
まあ、褒めてると見せかけてディスってるところも多分にあるが気にすんな!

最後に、B級らしい後を引くエンディングを見て思ったことはこうだ。

次回作も楽しみだなぁ!(ヤケクソ)