「おーい、キャン!今から遊ぼうぜ!」
ようがす。
「うぇーい、キャ~ン!放課後遊ぼうぜ!」
ようがす。
「HEY、キャン!ミーとトゥゲザーしようぜ!」
おいおいお前ら、俺のこと好きすぎだろ!
少しは俺を一人にしてくれっつーの!
こんにちは、皆のアイドル、キャンです。
最近小5の娘が友人関係で悩み多きお年頃になってきましてね。
まず大前提としてうちの娘は、学校があまり好きではない。
はっきり言ってしまえばかなり嫌々通っている。
各種勉強が得意でないことはもちろん、その他諸々集団行動の中でもテンポが合わずうまくいかないことも多く、先生に注意されたり周りから何か言われたりする度に真に受けて激凹みする、そのようなタイプの人間だ。
それでも仲のいい友達…鳥取の方言で言うところの「ちんちん」が何人かおり、彼女らと遊べることを励みに、日々の苦行に耐えているといった状況である。
結構なことではある。
仲のいい友達(ちんちん)がいて、辛いことも頑張れるというならそれはそれで素晴らしい。
ただ問題は、友達への依存度の高さだ。
娘はその数人の友達に全振り、毎週土曜日には必ず遊びに行き、何か用事で遊べないとなるとこの世の終わりのように落ち込む。
翻って相手はどうか。
確かに仲のいい友達という認識ではあるだろうが、娘ほどの全振りではなく、また、必ずしも娘が「一番」というわけでもない。
一対一で遊んでいる時はともかく、複数人で遊んでいると、この気持ちの「重さ」の偏りが表れ、落ち込んで帰ることもしばしばだ。
あるいはこうだ。
ある時娘が授業中にトイレに立った。
後からその友人らもトイレにやって来て、授業中だというのに一緒に遊んでしまい、先生に叱られた。
前述の通り娘は先生に叱られても重く受け止めて落ち込むタイプだ。
いけないことと思い気にはなったが、友達の誘いを断ることができなかったと言う。
「友達の誘いを断れなかった」
そんな理由で一線を越えてしまった事件は枚挙に暇がない。
父親としてどうかとは思うが、正直俺はそこまで友達に依存、固執する気持ちが全く分からない。
子供の頃から俺は一人で遊んでいても十分楽しかったし、「少しは一人にしてくれっつーの」レベルで友達も沢山いた。
ただその友達の中に女子が一人もいなかったというだけの話だ。
もちろん、学生時代からの仲のいい友達もいるし、彼らと過ごして楽しいと感じる心がないわけではない。
だがそれでも、「俺はあいつのことを友達だと思っている」それ以上の諸条件が必要だとは思えない。
相手にとって俺が何番目かなどどうでもいい話だ。(俺カッケェ…)
いや、さすがにゲジゲジ以下とかだと泣いちゃうけど。
俺が何より危惧しているのは、娘が女子社会特有の「友達とはかくあるべき」論に傾倒してしまわないかということだ。
常に一緒にいるのが友達?
何でも同じことをするのが友達?
全てを肯定するのが友達?
そうではないだろう。
彼女らには是非とも、俺的女子小学生が読むべき漫画No.1こと『花の慶次』を読んで、真の友とはなんたるかを学んで欲しい。
自分が調子がいい時はほっておいても周りに人は寄ってくる。
しかし真の友とは、普段は連絡一つ寄越さないくせに、本当に困った時にはふらりと現れ手を差し伸べる…それが真の友であると!
…さすがにちょっと都合良すぎるな!
いずれにしても、友人であったとしても…否!友人であればこそ!
お互いの価値観を尊重し、意見の違いも認め合い、その上で確かな友情を築いていく。
そのようなあり方をこそ、俺は娘に強く推奨したい。
例えばそう、友人からオススメされた映画が肌に合わなかったとしてもお互いの友情がいささかも揺るがないように!!
夏の夜長のJホラー鑑賞!
幸せな家庭をぶち壊す恐ろしい呪い!
豪華俳優陣の饗宴で暑さを吹き飛ばせ!
それではストーリー!
まずは冒頭。
我らが主人公、妻夫木聡が、婚約者である黒木華を連れて、法事のために実家に帰省してくる。
田舎特有の家族のノリにあからさまに居心地の悪そうな黒木華だが、まぁ気にすんな!
あと、酔っ払った親族のオッサン連中が、子供を拐う謎の怪異、ぼぎわんの話に花を咲かせているが、まぁ気にすんな!
こうして家族へのお目通りも叶い、盛大な結婚式を開催する運びとなった妻夫木聡と黒木華。
幸せ絶頂といった風情の中、式に参加している妻夫木聡の友人らがあからさまにヘイト全開だが、まぁ気にすんな!
あと、妻夫木聡の一番の親友として紹介された男が、いかにも寝取りそうな青木宗高だが、まぁ気にすんな!
こうして始まった妻夫木聡と黒木華の新生活。
ほどなくして天使のような女の子も授かり、まさに絵に書いたような幸せな家庭の出来上がりだ。
絵に書いたような幸せなパパがやることと言えばそう、育児ブログですね!
「娘マジ天使!」と、あと自分がいかに素敵な理解あるパパくんであるかアピールするゴミのようなキラキラしたブログを開設し、一日も欠かさず更新することを固く誓う妻夫木聡なのでした。
黒木華の夫を見る目が次第にゲジゲジ虫を見るような目になっているが、まぁ気にすんな!
だからゲジゲジ虫は益虫だと言ってるでしょうが!
しかし幸せは長くは続かなかった!
妻夫木聡の周囲で次々と不穏な出来事が起こり始めたのだ!
まずは会社の後輩、お調子者の仲野太賀…すなわち豊富兄弟の弟が、妻夫木聡とウザ絡み中に突然の大量出血。
原因不明のまま病床に伏し、一年後にこの世を去ってしまう。
小一郎~!!
謎の怪異は家庭にも迫っていた。
ある日妻夫木聡が帰宅してみると、玄関に下げていた御守りが悉く真っ二つに切り裂かれ、室内はこれでもかと散乱、黒木華は怯え切り、娘は泣きじゃくっている。
何があったのか確かめる間もなく、ぼぎわんパイセンから「かゆ…うま…」的イタ電がかかって来る。
事ここに至りては、さしもの妻夫木聡も「まぁ気にすんな!」などとは言えず、親友である寝取り野郎こと青木宗高に相談を持ちかける。
霊的なあれこれなど別に信じていない青木宗高氏にお祓い的なことができるわけではないが、この手のトラブルを解決してくれそうな一人の男を紹介する。
そう、岡田准一だ。
話を聞いた岡田准一は、さらにとある一人のキャバ嬢に協力を仰ぐ。
そう、小松菜奈だ。
それからなんやかんやあって、想像以上に手強いぼぎわんパイセンの脅威を嗅ぎ付けた、とあるスーパー霊能力者さんがコンタクトを取ってくる。
小松菜奈の姉であるその女性こそ、そう、松たか子だ。
多忙な松たか子に代わり、熟練霊能力者さんが妻夫木聡の前に現れるが、あえなくぼぎわんパイセンに片腕をふっ飛ばされる。
そう、柴田理恵だ。
そんな感じで、実力者っぽいやつらが矢継ぎ早に登場して、あーでもないこーでもないとひとしきり騒いだ結果、妻夫木聡は無事上半身と下半身が真っ二つになってこの世にグッバイするのだった。
『来る』完!
…あれから一年!(きみまろ風)
夫を亡くした黒木華は、すっかり疲れたシンママに仕上がっていた!
妻夫木聡の毒親からは「お前のせいで聡が死んだ!」と理不尽に責められ絶縁状態。
スーパーのパートで働きながら一人娘を養うが、度々幼稚園から呼び出しを食らい、その都度店長の伊集院光から嫌味を言われるなど、ぼぎわんパイセンもドン引きするくらい煮詰まった毎日を過ごしていた。
唯一の楽しみと言えば、旦那の生前から不倫関係にあった青木宗高との背徳セ○クスくらいだ!
やっぱり寝取り野郎じゃねぇか!
そんなストレスフルな毎日の中で、ついに限界を迎えた黒木華。
なんかもう色々とどうでもよくなり、「ワイはもっと自由に生きるんや!」と渾身の開き直り。
急に化粧をバッチリ決め、オシャレなファッションに身を包み、街へ繰り出して行く。
自由に生きる黒木華がやることと言えばそう、背徳セッ○スですね!
子供をほったらかして不倫相手と交尾という見事なムーブを決める黒木華なのでした。
しかし幸せは長くは続かなかった!(一分)
「…ったく、見ちゃいられねぇな…」
ぼぎわんパイセン、動きます。
こうして、性欲猿と化した黒木華は喉を切り裂かれて死に、娘も行方不明になってしまうのだった。
あと寝取り野郎こと青木宗高も、かつての豊富兄弟の弟みたいな症状を発症しているが、まぁ気にすんな!
『来る』完!
しかしそうは問屋が卸さねぇ!
かかる事態に黙っていられねぇ熱いやつらがいた。
そう、岡田准一と小松菜奈だ!
「妻夫木聡と黒木華が死んだのは…まぁ気にすんな!だが子供だけは何としても助け出す!」
また、ぼぎわんパイセン自体も、今や国家規模で捨て置けないビッグな脅威へと成長していた!
日本一の霊能力者こと松たか子の号令一下、隻腕と化した柴田理恵を始めとして、日本全国から力ある霊能力者たちがぼぎわん退治に集結しつつあった。
が、半分くらいは集結する前に何の見せ場もなく死んでいた!
遂に始まるぼぎわんVS松たか子軍団の最終決戦!
もはや天変地異レベルのぼぎわんパイセン!
俳優人生で一番かっこいい柴田理恵!
松たか子にぶん殴られる岡田准一!
果たして松たか子、岡田准一、小松菜奈は、最悪最強のぼぎわんパイセンとケリを着け、娘ちゃんを救い出すことができるのか!?
ぼぎわんパイセン「おーい、キャン。イケメン殺して遊ぼうぜ!」
ようがす。
というわけで、本ブログでは珍しく日本のホラーを取り上げたわけだが、これには理由がある。
毎度お馴染み、俺のちんちんでもある某変態紳士から、本作の鑑賞を夏休みの宿題として与えられた。
氏からはかつて、Jホラーの名作『回路』や、B級ホラーテイストな小説『レフトハンド』などをオススメ頂いた前科実績があるので、本作についても期待するなという方が無理な話だった。
さて、それでは肝心の本作の評価だが、もしも俺が女子小学生メンタルだったら「小松菜奈の太もも最高!」「黒木華の濡れ場最高!」と、全肯定することしか言わなかったことだろう。
まぁ、こんな言い方をするということはちょっとイマイチだったという話になるのだが、こんなことで我々の友情はいささかも揺るがない!
いささかも揺るがない!(大事なことなので二回言いました)
一応最初にフォローしておくが、本作は数あるJホラーの中でも、しっかりと金をかけてクオリティを担保したハイレベルな作品であることは分かる。
いずれ名のある豪華俳優陣が大挙して出演。
本編はまさかの三部構成で、上映時間も2時間14分という大ボリュームである。
だが一方で、その豪華さが問題でもあった。
すなわち、長ぇ!(クソザコ集中力)
もっととんでもねぇ長さの映画ももちろんあるが(例『ニンフォマニアック』)、1.5ヴァンダムほどの長さの本作については、正直途中で集中が途切れる瞬間もあった。
少なくとも、あんな頻繁にラーメン食うシーンはいらなかったんじゃないか?と思う次第だ。
本作のハイライトはおそらく、クライマックスでのぼぎわんパイセンVS霊能力者集団の最終決戦シーンで、街並が盛大に崩壊したり、キモい謎空間が発生したり、霊能力者さんたちが芋虫入りの血を吐いて次々倒れたりと、それなりの迫力でもってエンターテイメントしていた。
しかし、金をかけた映像的迫力でゴリ押ししようとした場合、俺の中で比較対象になるのはハリウッドの超大作たちだ。
いくらJホラーの中ではハイレベルと言っても、映像だけではハリウッドに及ぶべくもない。
本作におけるラスボス的存在は、「ぼぎわん」と呼ばれる子供を拐かす怪異で、このぼぎわんパイセンの呪いを退ける、あるいは倒すというのがメインストーリーになっている。
ところが見終わった後の印象としては、このぼぎわんパイセンの恐怖というものはほとんど心に残らない。
理由は明白だ。
ぼぎわんパイセンの恐怖以上に、ドロドロした人間模様がとんでもない熱量でもって描かれているからだ。
前述の通り本作は豪華三部構成で、ド派手な霊能力バトルが繰り広げられるのは最後の第三部に入ってからだ。
そこに至るまでの大半の時間は、妻夫木聡界隈の何気ない日常の描写に割かれているのだが、これがもうどうかと思うほど不穏なサムシングに満ちている!
まずは冒頭、妻夫木家の法事では、田舎特有のジメッとした排他的空気を見事に描写。
特にこれといって大きな事件が起きるわけでもないのに、黒木華の居心地の悪さが見ている者にまで伝わってくるようだ。
続いて二人の結婚式では、馴れ初めを描いた再現VTRで「妻夫木聡さんの周りには自然と人が集まっていました」みたいなナレーションが流れれば、参加者から「自分がいつも人の集まってるところに寄って来てただけだろうが」という悪態が飛び出し、一部視聴者の胸を締め付けてくる。
ここでもやはり、特に大きな事件が起きるわけでもないのに、妻夫木聡のピエロっぷりが際立つ演出の妙がキラリと光る。
子供が生まれてからの生活についても同様だ。
幸せ絶頂っぷりを内外にアピールし、キラキラ子育てブログも開設、意識高い系パパ友とホームパーティーを開くなど、それはもう充実した日々の描写だ。
にも関わらず、この頃になるともう、背後に蠢くヘイトの嵐は疑いようもなくなってくる。
繰り返しになるが、この時点では何も事件は起こっていないし、キラキラした日常をちゃんとキラキラに描いているだけなのに、なぜか不穏な空気を感じて胃がキリキリしてくる。
全くもって意味不明ながら、この辺りの雰囲気作りは凄まじいものがある。
おそらく監督は、キラキラ系ブロガーが嫌いなのだろう!
さらに、主人公を黒木華に移しての第二部では、妻夫木パパのキラキラライフの裏で起きていた真実がつまびらかにされることで、さらに薄ら寒いドロドロっぷりが加速していく。
生前の妻夫木聡と言えば、偉そうなことを言う割にブログ更新以外何もせず、それどころか黒木華に対して「子供一人生んだくらいで偉そうに」「あんな母親に育てられたくせに家族の何が分かるの?」などと、人として完全に終わってる発言を繰り出すなど、死んでも全く心の痛まないムーブをかましていた。
当然黒木華の心は夫からは離れ、青木宗高と不倫に走っていたわけだが、妻夫木聡も会社の若い女とヤリまくっていたと専らの噂で、ぼぎわんパイセンが手を下すまでもなくとっくに終わった家族だったわけだ。
また第二部では、シンママとして悪戦苦闘する黒木華が、着々とストレスを積み立てていく様が描かれる。
最終的に「もうどうにでもな~れ」モードに突入すると、娘を可愛がってくれる小松菜奈に対して「あげようか?」と真顔で問いかけるなど、こちらも軽く一線を越えた発言を披露。
結果、ぼぎわんパイセンにキツいお仕置き(この世にグッバイ)を食らうのだった。
こうして見るとぼぎわんパイセンは、子供を傷付ける悪い親をこらしめる存在と捉えることができないでもなく、恐怖の対象としての印象が薄まるのも無理からぬことではある。
おそらくは本作は、「本当に怖いのは人間」という、これまでにも擦り切れるほど擦られまくってきたメッセージが込められているのだろうと思う。
作中でのぼぎわんの伝承も、かつて実際に行われていた「子捨て」「親捨て」から生まれたものだと言及されている。
問題は、俺が個人的に、ホラー映画におけるこの「本当に怖いのは人間」的なテイストがあまり好きではないということだ。
せっかくのホラー映画なんだから、霊なり怪異なりモンスターなりでちゃんと怖がりたい。
主人公たちの薄汚いドラマを肉付けするのも結構だが、死んでも心が痛まないキャラクター造形は恐怖を半減させる。
ホラーの中で人間ドラマを描くなら逆に、極限状態でキラリと光る人間の尊さ、美しさを描いた作品こそが心に刺さる。
例えば前述のホラー小説『レフトハンド』では、ウィルスに侵された少女のためにロン毛の兄ちゃんが見せた魂の疾走に震えた。
例えば前述のJホラー『回路』では、終わりゆく世界で最後まで小雪を口説き続けた加藤晴彦の勇姿に涙が止まらなかった!
また、本作は総じて、「よくあるJホラーのロジック」で描かれていることも、俺の好みからは外れていた。
メインディッシュであるはずの「ぼぎわん」それ自体の姿は一切描写されず、恐怖に歪む演者の表情で見せる手法だ。
一部、体が真っ二つになった妻夫木聡や、首をかき切られた黒木華、片腕がふっ飛ばされた柴田理恵など、目を見張る残酷描写がなかったわけではないが、全体としては圧倒的に雰囲気と表情で押しきる演出が目立つ。
霊能力でもってぼぎわんパイセンと戦うシーンにおいても、何もない空間に向けて必死の形相で印を結ぶみたいな絵面で、どうにも乗り切れなかったというのが正直なところだ。
もっとこうさ…チェーンソーとか角スコップとかあるじゃん?
何度も引き合いに出して恐縮だが、同じく豪華俳優陣を取り揃えながら、Jホラーのロジックなどガン無視して独自の世界観を完成させていた『回路』と比べると、その違いは明らかだ。
さて、ここまでは俺がイマイチ乗り切れなかった理由をこんこんと述べてきたわけだが、それでは本作の感想を、「イマイチでしたまる」というやる気のない読書感想文みたいな形で終わらせてしまって良いだろうか?
答えはノーだ。
これだけの大ボリュームで、これだけの熱量をもって作られた作品が、何一つ刺さる部分がないなどあり得ない話だ。
繰り返しになるが、ドロドロの人間模様を容赦なく描く手腕は凄まじかったが、それ以外の部分で俺の心に刺さったものが三つある。
まず一つ目は、柴田理恵だ。
柴田理恵と言えばもちろん、『ワイルドスピードTOKYO DRIFT』が代表作だが、いつものコメディエンヌっぷりは完全排除。
彼女のキャリア中最も格好いいキャラクターを見事に演じている。
歴戦の猛者といった風情で登場して早々、ぼぎわんパイセンとの霊力バトルに押し負け、片腕を盛大に吹き飛ばされる柴田理恵。
これであえなく退場かと思いきや、クライマックスの決戦では隻腕の戦士として再登場。
障気に満ちた現場で敢然と立ち向かう彼女の姿は、痺れるほどのかっこよさがあった。
そうかと思えば、自分が死んだことに気付かずブログを更新し続ける妻夫木聡に対して、唐突にナイフを突き立てるという心優しい手法でもって真実を告げるなど、哀れな魂への慈愛も垣間見える、魅力溢れるキャラクターとなっていた。
そして二つ目は、岡田准一だ。
岡田准一っていうか、岡田准一の殴られっぷりだ。
岡田准一と言えば、近年では映画『ザ・ファブル』に代表されるように、日本屈指のアクション俳優として注目を集めている。
また、時々間違えて俺にメールを送ってきたりするので、個人的にも妙な親しみを感じているところだ。
そんな岡田准一氏だが、本作では第三部の主人公ポジションながら、そのキャラクター造形はと言えば思ったより情けない男。
常に猫背でタバコを吹かし、どこかただ者でない風情を醸し出して登場するも、小松菜奈や松たか子のように霊能力で戦えるわけでもない。
また、作中随一の重たいトラウマ持ちで、だいぶ拗らせているようでもある。
なので、近年のアクション巧者っぷりは鳴りを潜め、間違ってもぼぎわんパイセンに回し蹴りを食らわせるなんてシーンは出てこない。
だがそれでも、この根暗で情けない岡田准一が一際輝く名シーンがある。
クライマックスでのぼぎわんパイセンとの決戦場面、着々と儀式を進める松たか子の側で、ぼぎわんパイセンに過去のトラウマに絡めたハードな幻覚を見せられ正気を失ってしまった岡田准一。
「あひゃひょわぁ~!」と情けない悲鳴を上げながら走り回る岡田准一に対して、松たか子は無表情で顔面にグーパンをぶち込む。
からの、華麗にふっ飛ばされて昏倒する岡田准一。

今回のレビューでやたら多用してきた「まぁ気にすんな!」という文言だが、これは決して手抜きではない!
妻夫木聡がそのようなスタンスで生きていたからだ。
まずは幼少期、一緒に遊んでいたチサちゃんが行方不明になっていたのだが、「まぁ気にすんな!」ですっかり忘れていた様子。
大人になってからも、結婚式で悪態をつく友人、嫁から向けられるヘイト、バレてる不倫セ◯クス、青木宗高の寝取り等々、あらゆるドロドロ人間模様を全て「まぁ気にすんな!」で見て見ぬふりをしてきた。







































