この際だから何度でも言うが、俺の人生を変えた一本は以下略!

のっけからやけっぱちで恐縮だが、先日は、濃厚なスプラッタホラーから中途半端なスプラッタギャグに成り下がってしまった『死霊のはらわた2』を紹介させて頂いたわけだが、こうなると、次の作品も紹介せざるを得ない!

余計なお世話か!

『死霊のはらわたⅢキャプテンスーパーマーケット

このパッケージと、どうかと思うサブタイトルはどうだ!
最早、真面目にホラーをやる気など、さらさらないことが分かる。
しかし、この作品もまた、昔見たにも関わらず、記憶が全くない!
いや、正確には、ガイコツが吹っ飛んで行って爆発するシーンと、スーパーマーケットでドヤ顔のアッシュだけ、うっすらと覚えている。

そんなわけで、まずは冒頭、前回までのあらすじ!
アッシュとリンダはスーパーの店員だった!

いらねぇよその情報!

一応、状況を説明すると、なんか中世っぽい過去の世界に飛ばされたアッシュが、どこかの国の兵士に連行されながら、ここに至るまでの経緯、すなわち前回までのあらすじを、1分くらいでざっくりと語って下さる。

ちなみにこの世界でも、微妙にファンタジックな悪霊が跋扈しているのだが、そんな中でも国と国とで争っている。
アッシュは敵国の人間と勘違いされ、敵国の王、ヘンリー王と共に、捕虜にされてしまったという寸法だ。
まあ、確かに怪しいからね!

一応、賢者っぽいジイサンが、「このお方こそ、伝説の救世主様ですじゃ!」みたいなことを訴えるのだが、こちらの国の王、アーサー王は、全く聞く耳を持たない。
結局そのまま、城まで連行されるアッシュ。
そこには何やら意味深な穴が開いている。
実はこの穴、悪霊を閉じ込めている穴で、ここに捕虜どもを突き落とし、悪霊に殺される様をみんなで見物しようという、実に悪趣味な企画だ。
最後まで抵抗するアッシュだが、戦争で兄を殺されたというお姉ちゃんが、怒りの投石で、アッシュのドタマに命中、哀れアッシュは、悪霊の住む穴蔵へ落下していく。

穴の中で、やたらアクロバティックな悪霊に、バク転で襲われるアッシュ。
ついにアッシュの命運も尽きたかと思ったその時、賢者っぽいジイサンが、「救世主様、これを!」とばかりに、チェーンソーと散弾銃を穴にイン!
メイン武器を手に入れて、なんとか悪霊を打ち倒し、命からがら穴から脱出したアッシュだが、冤罪でエライ目に遭わされて怒りが治まらない!
周りの人達にガンを付けまくり、嫌がらせのようにヘンリー王を解放し、アーサー王をぶん殴り、「この未開人どもが!」と悪態をつきながら、スーパーマーケットで買った散弾銃を宣伝!

こうして、ある意味悪霊以上に、民衆を恐怖のドン底に叩き落としたアッシュはその夜、一転して酒池肉林の歓待を受ける。
そこで聞いた話によると、アッシュが元の時代に戻る方法が、「死者の書」に記されているという。

万能だな、「死者の書」!

また、この時代の人々にとっても、「死者の書」は悪霊に対抗するために必要な物で、悪霊どもには決して渡してはならない!
というわけで、救世主に祭り上げられたアッシュが、どこかの墓地に置いてあるという「死者の書」を探しに行くことに。

まあ、肝試しだね!

しかし、この時代に旅をするには、片手では何かと不便。
そうだ、義手を作ろう!
ということで、素敵な義手をこしらえてキメ顔のアッシュ。
「グルービー」じゃねぇよ!

そして旅立ち前夜、アッシュの寝所に、アッシュに石を投げて殺そうとした女が訪ねてくる。
「ご武運を」とかなんとか言ってくるが、「手のひら返してんじゃねぇよ、このスベタが!」と、罵るアッシュ。
カッとなった女が、思わずアッシュをビンタ。
「ホレたぜ」と言ってベッドイン!

これだから西洋人は!

翌朝、割りとスッキリした感じで「死者の書」探しに出掛けるアッシュだが、ここからがアッシュの真骨頂。
一人コントの始まりだ。

まずは、ミニアッシュコント。
森の中の風車小屋で、何匹かのミニアッシュが出現。
フォークで尻を刺されたり、おんなじ所で頭をぶつけたり、ガリバーごっこをしたりと、大騒ぎだ!

続きまして、分裂コント。
ミニアッシュを飲み込んでしまったところ、アッシュがシャム双生児みたいになって分裂開始。

わーわー言いながら走り回っているうちに、ついに分裂し、アッシュが二人に!
やっぱり楽しそう!

この後、アッシュVS分裂アッシュの戦いを制したアッシュが、一作目を意識した方法で分裂アッシュを細切れにする。

最後は、「死者の書」コント。
紆余曲折ありながらも、なんとか墓地までたどり着いたアッシュ。
しかしそこには、これみよがしに3冊もの「死者の書」が!
恐る恐る一冊を開いてみると、すごい吸引力で吸い込まれるではありませんか!
結果、ジム・キャリーも真っ青な顔芸を披露するアッシュ!
さらに二冊目は、手に取ろうとしたら手に噛みつく!
投げてもパタパタと飛んで来て、また噛みつく!
なんかショボイぞ!

こうして、三冊目にしてどうにか、本物の「死者の書」を手に入れるのだが、コントに忙しくて、「死者の書」を持ち帰る時に唱えなければならない呪文をド忘れ!
その結果、細切れにした分裂アッシュ及び、墓地の死体が次々に甦り、死者の軍団となって人間の国に襲いかかってくるのだった!

頭の悪いミスでこの時代を危機に陥れておきながら、自分を早く元の時代に戻せとアピールばかりするアッシュに、アーサー王を始め民衆もすっかり冷めた面持ちだが、ヒロインが悪霊に拐われたことで、アッシュは再び立ち上がる!

さあ、ここからは、アッシュ率いる人間軍団と、分裂アッシュ率いるガイコツ軍団との、無駄に見応えのある合戦の始まりだ。

↑甦った分裂アッシュ。面影なし!

まず序盤は、アッシュ先生の指導のもと、科学の力で人間軍団が有利に戦いを進める!
しかし、ガイコツ軍団の、まさに死を恐れぬ人海戦術で、ついに城門が破られ、城内になだれこんで来ると、状況は一変する!
次々と敵の凶刃に倒れる人々!
このまま総崩れになってしまうのかと思ったその時、『マッドマックス』に出てきそうな改造車を駆ってアッシュが登場!
「20世紀の力を食らえ!」とばかりに、ひとしきりガイコツ軍団を蹂躙するが、アッシュの前に、いつの間にか闇落ちしていたヒロインが立ちふさがる!
思わず急バンドルを切って、横転してしまうアッシュ!
形勢は再び逆転し、ガイコツ軍団が「死者の書」に迫る!
今度こそ万策尽きて、多勢に無勢、ガイコツ軍団に蹂躙されてしまうのかと思ったその時、ヘンリー王の援軍が登場!
分裂アッシュと一騎討ちをしていたアッシュも、分裂アッシュを爆薬とともにカタパルトで発射して木っ端微塵に!
た~まや~!

戦いは、人々の勝利で終わった!
共に戦ったヘンリー王とアーサー王も、固く抱き合い、和解して大団円だ!

後日談。
アッシュが元の時代に戻る方法とは、一滴飲めば100年眠るという秘薬で、えらくリスキーなコールドスリープをするというものだった。
一人洞窟にこもり、秘薬を飲んで眠りにつこうとするアッシュ。
しかし、「一滴、二滴…今何時だ?」みたいなノリで数を数え間違えたため、世紀を越えて寝過ごしてしまい、目が覚めたら文明が崩壊してましたというオチ。

いや~、頭の悪い映画を見たなぁ!

前作同様、ホラーかホラーじゃないかで言えば、ホラーでもなんでもねぇよ!という出来映えなのだが、前作とは違い、間違ったベクトルに振り切れているため、これはこれで名作!と言える仕上がりになってしまっている!

アッシュと分裂アッシュとの殺陣のシーンなどは、どう考えてもホラー映画に不必要なクオリティで、途中から、『パイレーツ・オブ・カリビアン』を見ているのかと思ったほどだ!
そういえば、ブルース・キャンベルはどことなく、オーランド・ブルームに似ていなくもない!

そういえば、俺の記憶にあった、アッシュがスーパーマーケットでドヤ顔をかますシーンが出てこなかったが、映像特典の、「もうひとつのエンディング」とやらにあった。

ちなみに、もうひとつのエンディングはこんな感じ。

秘薬の力で普通に現代に戻ってきたアッシュ。
「あの時代に残れば王にだってなれた」と、同僚にくだを巻くちょっとイタいアッシュ。
しかし、秘薬を飲む時に唱えなければならない呪文を、またまたド忘れしたために、現代にも悪霊が甦ってしまった!
阿鼻叫喚のスーパーマーケットで、どうかと思うほどグルービーなガンアクションで悪霊を打ち倒し、最高のキメ顔でアッシュが一言。
「この時代でも、俺はキングだ!」

頭の悪さに拍車がかかったな!