子どものための教育学

 

実践編(☆:著者 T:教師 C:子ども P:親)

 

18 いいことはやる、悪いことはやらない①

 

T「Aくん、どうしてシューズを履いたままトイレのスリッパを履いているのですか」

A「だって、Bくんがやってたもん。」

T「・・・・・・」

 

C「先生、B君が叩いてきた。」

T「B君、どうしてC君を叩くんですか。」

B「だって、A君が叩けって言ったもん。」

T「・・・・・・」

 

T「Cくん、そこでは遊んではいけないところですよ。」

C「だって、A君やB君が遊んでたもん。」

T「・・・・・・」

 

T「C君、タブレットでゲームはやってはいけないことになっているでしょう。どうし

 てやっているんですか。」

C「A君やB君がやっていたからいいと思いました。」

T「・・・・・・」

 

☆小学校では、よくありそうな光景ですね。

 

 でも、先生によっては、対応の仕方が違うようです。

 

T「・・・・・・」の部分に、あなたはどんな言葉を入れますか。

 

 順番に見てみましょう。対応の悪い先生、普通の先生、良い先生で見てみたいと思います。

 

 

 悪い先生の場合。

 

T「Aくん、どうしてシューズを履いたままトイレのスリッパを履いているのですか」

A「だって、Bくんがやってたもん。」

T「B君、あなたがシューズを履いたままトイレのスリッパを履くものだから、A君が 

 真似してしまったではありませんか。A君に謝りなさい。」

と、なぜかA君に謝らせる。

 

 こんな先生はまずいないと思いますが。

 

 

 普通の先生の場合

 

T「A君、どうしてシューズを履いたままトイレのスリッパを履いているのですか」

A「だって、B君がやってたもん。」

T「他の人が悪いことをしていたとしても、やってはいけないでしょう。人のせいにし

 てはいけません。これからはやらないようにしなさい。」

A「はい。ごめんなさい。」

 

 これが普通ではないでしょうか。おそらく、A君は、同じことはやらないと思います。でもまた違った悪いことはやってしまうでしょう。

 

 

 良い先生の場合

 

T「A君、どうしてシューズを履いたままトイレのスリッパを履いているのですか」

A「だって、B君がやってたもん。」

T「なるほど、ということは、B君が裸足でトイレに入ったら、あなたも裸足でトイレ

 に入ると言うことですね。」

A「それはやりません。」

T「でも、B君がやっていたからといいましたよね。だったらB君がやったことを真似

 しなければいけませんよね。」

A「・・・・・・」

T「A君、あなたは、やるかやらないかを自分で決めているのです。B君がやっていた 

 ということは、ただの言い訳ですね。あなたは、シューズのままスリッパを履くと 

 いういけないことをしただけでなく、人がやっている悪いことを真似するという悪

 いこともやっているのです。B君より、あなたの方が悪いことの数が多いことになり 

 ます。『悪いことを真似してはいけない』のです。」

 

 良い先生は、子どもがやっている悪い行為だけを注意するのではなく、それは「人のやっている悪いことを真似する」というさらに悪い行為なのだと教える先生です。

そうすると、例に挙げた出来事は、どれも同じになります。(つづく)