子どものための教育学
実践編(☆:著者 T:教師 C:子ども)
5 注意禁止
C「静かにしろよ。授業中だよ!」
C「掃除さぼらないで!」
C「廊下を走っちゃだめだよ!」
何気ない小学校の風景です。
T(さあ、授業を始めようかな。でも、みんなおしゃべりしているなあ。)
C「静かにして!先生が話せないよ!」
子どもたちは、シーンとなります。
それでは、問題です。次の先生の言葉に何を入れますか。
T「 」
私は、こう言います。
T「静かにして!というあなたの声が一番大きな声でした。」
と。
「えっ」、と思われる方も多いと思います。
注意した子は、いいことをしたと思っているのに、誉められないばかりか、自分が悪いような言われ方をして不機嫌そうですね。
これは、仲の良いクラス、いじめの少ないクラス作りにとても大切なことなのです。
T「みなさん、注意するとき、どんな気持ちで注意しますか。『うれしい』『楽しい』
『優しい』『怒った』・・・どんな気持ちですか?」
C「怒った気持ち」
T「その通りです。注意するときは、怒った気持ちなんです。
でも言葉の内容は間違っていません。
言葉は聞こえます。
心は見えません。
ここが問題なんですね。
『怒る』ことはいいことですか。よくないですね。
それでは『静かにして』はまあ、いいことですね。
つまり、『静かにして』といいことをするために『怒る』という悪いことをしていることになるのです。
だから、注意された子はどんな気持ちになりますか?悪いことをしてごめんなさいと思いますか。
怒って言われたら、自分が悪くても、『怒れ』ますね。だから、注意はしてはいけないのです。
注意が多ければ多いほど、そのクラスでは怒れた気持ちがいっぱいなクラスになり、けんかが増え仲が悪くなるのです。
それではどうしたらいいかといいますと、心配なら教えてあげればいいのです。『話すのやめたほうがいいと思うよ。先生来ているよ。』って、こそこそって教えてあげれば、『ありがとう』って思われて感謝されるでしょう。
『ありがとう』が多いクラスは幸せなクラスになれるんです。
だから、『注意は禁止します』
『心配なら教えてあげましょう』」