子どものための教育学

 

実践編(☆:著者 T:教師 C:子ども)

 

6 好きになる努力をしよう・2

 

C「先生、私、みんなを好きになる努力をします。」

 

T「そうですか。それはよかった。それでは、そのためのいい方法を1つと魔法の言葉

 を1つ教えましょう。」

 

C「そんなことがあるのですか。ぜひ教えてください。」

 

T「それはね、たくさんの『ありがとう』を見つけることと、たくさん『ありがとう』

 を言うことです。」

 

C「先生、ありがとうございました。」

 

T「おっ、早速『ありがとう』を見つけたね。ここまで、先生の話を聞いてくれて『あ

 りがとう』」

 

☆「人を好きになる」ことは、とても大切なことであるとともに、大変難しいことで 

 もあります。

  

  多くの場合、気づいたら好きになっていて、気づいたら嫌いになっています。

  

  給食で好き嫌いをなくていこうという話は、よく聞きますが、友だちの好き嫌い 

 をなくそうとかいう話を聞くことはありません。

  

  先生自身も、意識して子どもたちをみんな好きになろうと取り組んでいる人は少 

 ないのではないでしょうか。

  

  子どもが自分の思い通りにならないことを通して、その子どもを嫌いになること

 は多いと思います。

  

  しかし、教育を考えた場合、子どもたちは生まれて初めて学ぶことも多いのです

 から、うまくいかなくて当たり前なのです。この世に生を受けて7年、8年の子ど 

 もが、うまく生きられるはずがありません。それは、教師の思い通りにならないと

 いう形で姿を見せることになります。

  

  問題行動を起こす子どもは、そうしたくてやっているわけではないのです。本当

 はやめたいのです。でもついやってしまう。それで叱られるからもっと自分のことを

 ダメだと思ってしまうのです。ダメだと思うから余計にダメなことをしてしまいま

 す。

  

  どうか子どもが問題行動を起こしたときに、叱ることが教育だと勘違いしないで

 ください。子どもが、問題行動を起こす前に、どうすればそれが直せるのか、それ

 を教えることが教育なのです。

  

  そのためには、子どもがよく育つための土作りから始めなければ行けません。

  

  それが、いいところを見せることであり、注意しないことであり、みんなを好き

 になる努力をすることなのです。これらが、子どもを育てる良質な土壌となり、ク

 ラスのきれいな空気となっていくのです。