子どものための教育学

 

実践編(☆:著者 T:教師 C:子ども)

 

7 きれいな言葉を使おう

 

C「じゃまだ、どけ」

C「うざいなあ」

C「バッかじゃないの」

 

T「汚い言葉だね。」

T「それは、言葉のウンコって言うんだよ」

 

C「ウンコって、きったねー!」

 

T「そう、汚いよね。その汚いものを教室中にまき散らしているんだよ。」

 

C「どこにあるの?見えないじゃん!」

 

T「いいところに気がついたね。言葉のウンコは、目には見えないんだけど、耳から 

 入って、あなたの体は、言葉のウンコだらけになっていくんです。」

 

C「えーっ」

 

T「インフルエンザウィルスだって見えないでしょう。でも体の中に入ったらちゃん

 と病気になるでしょう。それと同じで、あなたの中に言葉のウンコがたまったら、

 症状が出るんです。」

 

C「どうなるんですか?」

 

T「ケンカしやすくなったり、あと人を平気でいじめたりできるようになるし、弱い

 ものを馬鹿にするようになります。そして、みんなから嫌われていくのです。」

 

C「それは、いやだな。」

 

T「でしょう。ならば、教室ではウンコしないでくださいね。まず、『さん』『くん』

 をつけて友だちを呼ぶところから始めましょう。」

 

 ☆学級経営において一番難しく大切なことは、人間関係作りです。新しい学年、クラスになったときに失敗すると、その1年間はとても大変です。

 

 そして、1つポイントとなることが、言葉遣いなのです。

 

 低学年では、汚い言葉以外にも、ゲップしたり、わざと奇声を上げたりして自分に気を引こうという子どももいます。

 

 そうした人を不愉快にさせてしまう行為は、やめさせていかなくてはいけません。

 

 ただそれを、「叱る」というやり方だけでやることは、矛盾が出てきます。

 

 「えっ、なぜ?」

と思われましたか。

 

 悪いことだから「叱る」。これは正しいように思われがちです。

 

 でも、多くの子どもたちは、汚い言葉を聞いて、不快になっているんです。それを今度は先生が「叱る」姿と声を聴いてさらに不快になりますね。

 

 これが麻痺してきますと、自分の嫌いな子が叱られているのを見て喜びますから、こうなってくると厳しいですね。

 

 ここは教師としての工夫が必要になる場面です。

 

 叱ろうと思っていた子どもをいったん別室に出して、いかにも叱られるように見せかけて「諭す」とか、あらかじめそういう子がいた場合、職員室へ連れていくことにしておいて、役職のある先生から話をしてもらうとか、そんな工夫が必要です。

 

 言葉遣いが丁寧になると、子どもの人間関係も穏やかになっていきます。これは日にちをかけて粘り強くやっていかなければいけませんが。