信頼は嗅覚・味覚・触覚を使って築くもの | 大西先生のブログ

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Candle Studio Oneは、アロマとキャンドルが学べるスクールです。
福岡・天神という中心街にありながらも非日常的な空間で、キャンドル作りを楽しめます。
キャンドルを日常に取り入れたキャンドルライフを提案していきます。

今日は、このコロナウィルスの中で生活スタイルが一番変わった事を視点に僕自身が一番興味がある事をお話したいと思います。

 

京都大学山極総長が対談形式で書かれた文章を読む機会があり、とても興味深いことを書かれていました。

 

「他者への信頼は、視覚と聴覚だけじゃなくて嗅覚とか味覚とか触覚とかの感覚も使って築くものらしい。ネットで会話していることと、実際にあうことはイコールではないとのこと。」

 

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リモートワークや外出禁止などを経て、現在前のようには大切な仲間と会う事も自粛するムードがあるように感じます。

前は逢いたいと思ったら、好きな時に好きな場所で複数で会うことを考えもせず、友達や仲間と飲食を共にしていました。

 

======〈会う方がいい理由〉====================

 

人は、味覚、臭覚、触覚は100%共有することができないと言われています。匂いや味は言葉で表現するのは難しい、触覚も触れられている人、触れる人にしかわからないから共有することはできないと言われています。

 

信頼関係を作る上で大切なのは、人は五感の中で味覚、臭覚、触覚=共有できない感覚

 

たとえば、触覚は触れると同時に触れられてもいますから、非常に共有が難しい。だから、母子もカップルも、肌の触れ合いを長くすればするほど信頼が高まるそうです。

それは、「触覚」という本来「共有できない感覚」を一緒に経験しているからだと山極総長は言われています。

 

共感できる相手をつくるには、視覚や聴覚ではなく、臭覚や味覚、触覚を使って信頼を形づくることが必要で、例えば、合宿をして一緒に食事をして、一緒にお風呂に入って、身体感覚を共有することはチームワークを非常に高める。私達は、いまだに身体でつながることが一番だと思っているわけです。

 

=====〈チームと群れの違い〉====================

 

山極先生の文章を以下抜粋しました。

(そのままの方が伝わるとても勉強になる文章です。ちょっと長いですがご興味があれば読んでみてください。)

チームという定義として『共通の目的や理想を達成する』という意味では「チーム」を組むことは人間だけのもの、

動物はチームではなく「群れ」だというのです。

 

群れは、進化のプロセスのなかで、長い時間をかけて試行錯誤をした結果としてできたもの。

個体が意志を持ち集団の目的を共有してつくる人間のチームとは、根本的な部分が違う。

 

サルは、一対一の関係のなかで、相手に合わせて振る舞いを変えます。サルは群れのメンバーを識別していますし、社会の複雑さに応じて、それぞれの個体によって適切な行動をするように脳を働かせている。

人間の場合はもっともっと複雑で、第三者、第四者との関係のなかで、「どう行動すれば目的を達成できるか」を考える想像力を持っている。

人間以外の霊長類は、ゴリラも、チンパンジーも食べ物は見つけたその場で食べます。人間だけが食べ物を移動させて、仲間と安全な場所で食べる。

 

役割を分担するには、食べ物の見つけ方を仲間に伝えて、経験を共有する必要があり「みんなで食べる」という目的があるから、誰かが食べ物を取りに行って、持ち帰ってみんなで分配するところまでを想像するようになる。

そうすると計画性も生まれてくる。

 

チームは、目的と計画性がセットになってはじめてつくられます。

自分には仲間が何人いて、いくつ持って帰ってほしいと期待されているかを想像できるようになる。

共感力が想像力を生み、チームワークを可能にしたと言えるかもしれません。

 

目の前にいない人や事物を想像して、伝え合うことでコミュニケーションの方法も発達し、やがて言葉も生まれたんですね。

正確に言うと言葉よりも先に音楽がありました。音楽を奏でて、遠くにいる仲間に直接的にメッセージを伝えたんです。

 

言葉は、人間が五感で感じるものをいったん抽象的にして再現する、非常に効率的でポータブルなもの。言葉によって、人間の共感力は格段に伸びたと思います。

 

人間は共感力、想像力を高めた一方で「あの人は悪いことを考えているんじゃないか」とか、ネガティブな想像をして不信感を覚えるようにもなった。

人間は、言葉を使いはじめてから脳でつながるようになった。バーチャルな言葉で、想像力を働かせてつながるようになった。

 

言葉ができる前は、人間も五感を通じて身体的につながっていたわけです。五感のなかで、一番リアリティをもたらすのは視覚と聴覚です。「見る」「聞く」は共有できる感覚ですから。

 

ところがおもしろいことに、この触覚や嗅覚、味覚という「共有できないはずの感覚」が、信頼関係をつくる上でもっとも大事なものなんです。

 

五感の中の触覚や嗅覚、味覚という「共有できないはずの感覚」が信頼関係をつくると言いました。

それは、「触覚」という本来「共有できない感覚」を一緒に経験しているからなんですよ。

 

インターネットはとても便利ですし、コミニュケーションを取ることとしてもなくてはならないツールになっています。

人とのコミニュケーションがコストになっているところがありますが、友達や仲間作りには時間やコストがかかる、共感し信頼は時間をかけないといけない、お金で友達は作れない。

 

 

このように山極先生は話されています。

 

======〈次あったら何するかな?〉===================

 

密は防ぐことは大切なことだとは思いますが、やはり会う事は大切なことだと思います。

同じ空間の中で、一緒に食事をしながら話すことで作られる時間は信頼関係を作る上ではとても重要だと思います。

 

余談ですが、人は150人を記憶する能力があるそうです。

それは脳の作りでそうなっているそうです。

昔は20人~30人だったそうです。

 

友達100人できるかな?って昔あったんですが、それはそういった脳の作りから来てるのかな?なんて考えました。

オンラインも大切ですが、オフラインのアナログ感は大事です。

 

現状では、それがなかなか叶わない事も多いですが、そういう考え方をこれからも大事にしていきたいと思います。

 

それではまた

 

 

大西博之