HER2低発現の乳がんに対して、エンハーツという薬剤を用いることができるようになりました。 | 加藤隆佑 ameba blog

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●HER2低発現の乳がんに対して、エンハーツという薬剤を用いることができるようになりました。

こんにちは。加藤隆佑です。

3月27日に、化学療法歴のあるHER2低発現の手術ができない乳がんに対して、エンハーツという薬剤を用いることができるようになりました。

もう少し詳しく解説いたしますね。

HER2陽性の乳がんは、乳がんの中の15~20%とされ、そのような方にはエンハーツを用いることが、以前からできました。

しかし、残る80~85%の方は、HER2陰性乳がんと見なされ、エンハーツを用いることができませんでした。

最近になり、HER2陰性乳がんと言われた方の50~60%がHER2タンパクが少しだけ発現していることがわかっており、そのような方にも、エンハーツの効果があることがわかりました。

そして、3月27日よりエンハーツを用いることができるようになったのです。

HER2陰性乳がんと言われ、次の治療の一手に悩んでいた時に、HER2タンパクが少しだけ発現していないかをチェックしてもらい、もし発現していたら、エンハーツによる治療が良いです。

ただ、HER2タンパクが少しだけ発現しているかどうかの検査薬は、まだ承認されいません。予定としては、5月から8月とされております。

それが承認されるまでは、保険外併用療法制度を用いないといけません。

私の病院の場合であれば、検査薬が保険承認されるまでは、以下のどちらかの手順で検査をすることになります。

1、北海道厚生局へ届け出を行い、認められた場合に、検査を行う(検査費は患者様負担)

2、製薬メーカーである第一三共の検査結果提供プログラムを使用(一部検査費は第一三共が負担)

そして、検査結果から、エンハーツが使えると言うことになれば、とても効果的な治療です。

ただし、間質性肺炎という副作用には注意を払わないといけません。

そのような副作用に注意しながら治療をしていけば、良い治療結果が期待できます。

そして、副作用に悩まされないように治療を受けて欲しいです。


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