たった3つだけ!古民家“通”と思われる人になる、見所のツボを教えます♪ | ゆるポタで心リセット“おれ野_お散歩日記”by_✡CAMMIYA…ちょいマニアックで開運

たった3つだけ!古民家“通”と思われる人になる、見所のツボを教えます♪

 

冷え込みが厳しい休日の朝は、起きるのが辛い・・・でも、冬の朝は空気が澄んでいて、頑張って早起きすると癒される風景が、ここ見沼自然公園(埼玉県さいたま市緑区大字南部領辻450-1)にも広がっていました♪

 

自然公園入口から県道214号線を300m西に進むと、旧坂東家住宅「見沼くらしっく館」があります(さいたま市見沼区片柳1266-2)・・・ここは江戸時代「加田屋新田」の名主家(農家住宅)を、現地で解体復原し、平成8年に開館した見学施設。

 

紀州(和歌山県)出身の江戸に住む商人だった坂東家によって、当地周辺の新田開発が江戸時代初めから代々行われてきましたが、享保13(1728)年の見沼代用水の完成に併せて開かれた田は、坂東家の屋号である「加田屋」をとり、「加田屋新田」と名付けられました。

 

「加田屋新田」以降、坂東家は見沼代用水の見回り役や当地の名主、近代以降は旧片柳村の村長などの要職を代々務めてきた・・・現在、旧来とほぼ同位置に復原されたこの家は、幕末の安政4(1857)年に建てられた、一部2階(屋根裏に「女部屋」)を設けた平屋建、土壁の寄棟造、延床面積285.71㎡の茅葺き構造になっています。

 

 

古民家“通”になるポイント①

浴槽が無い風呂場

 

埼玉~多摩地方の農家は、江戸時代に入浴の習慣が無かったみたいですね・・・桶に湯を張って掛け流して体を拭くだけだったようで、この部屋(浴室)を「湯殿」と呼びます。

同様の構造は、東京都小金井市「江戸東京たてもの園」でも確認することができますよ♪

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古民家“通”になるポイント②

上客用に特別な玄関

 

これも、関東地方によくある農家建築の特徴なのですが、身分の高いお客様用に豪華に造った特別な玄関(式台)を設け、普段は写真右手にある質素な造作の土間から出入りします。

 

あちこち近似の事例がありますが、ここでは栃木県那須塩原市「関谷郷土資料館」の事例を挙げておきますね。

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やはり旧名主の家であった埼玉県越谷市「大間野町旧中村家住宅」の事例では、もっと豪華に造られているのがわかります。

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古民家“通”になるポイント③

客間だけ違う畳の縁

 

上客を通す奥の座敷には、残念ながらこの角度では写っていないのですが、左側に書院と呼ばれる間仕切りがあり、この部屋だけ畳の縁が、他の部屋とは違う高級感ある(?)ものになっています。

 

関東地方の古い農家建築遺構に、必ずしもすべてにこのような「違い」が存在するものではありませんが、こちらも「東京たてもの園」の事例を挙げておきます。

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該当記事の本文中では、詳細には触れていませんが、先の事例で示した埼玉県越谷市「大間野町旧中村家住宅」の場合でも、写真で違いを確認することができますよ。

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千葉県木更津市にある「旧安西家住宅」の事例では、奥座敷になる畳の部屋は「客専用」で、住人は手前の「板間」で暮らしたなんていう事例もありますよ。

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逆に、特別「偉い」客が来るような機会がない一般農家の場合は、そもそも畳の縁が「無い」のっぺらぼう(?)状態というのも多かったそうです・・・東京都北区の事例を挙げておきます。

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いかがでしたか?

今回は、江戸時代末期の名主家(農家住宅)の見学施設である、旧坂東家住宅「見沼くらしっく館」をご紹介いたしました。

 

敷地北側一帯には屋敷林から続く見沼の斜面林が・・・東側には坂東家が開発したとされる加田屋新田が広がり、のどかで緑豊かな癒しの自然環境を体験することができましたよ♪

 

そして、関東地方で農家建築に関する古民家“通”と思われる人になる、見所「3つのツボ」・・・抑えていただきましたでしょうか?

 

もちろん、これ以外にも建物構造の特徴とか、まだまだ深入りするとやめられない(?)くらい、多くの魅力がありますので、面白いと感じた人は各自治体で保存されている古民家廻りを、休日ごとにされてはいかがでしょうか?