Primus2243(60-10) 【Primus2243の系譜】(2) |  キャンプ用品・資料倉庫からのつぶやき

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   ここではキャンプ道具という枠で投稿するつもりですが、脱線話もお許しください。(^^)
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1985年、日本の岩谷産業とスウェーデンのプリムスが合弁会社イワタニ•プリムスを設立しました。

プリムスのガス燃焼器具に、イワタニがガス燃料とその容器を日本の規制に合わせて販売するというものです。

実際にイワタニ•プリムスとして製品を発売したのは雑誌資料から1986年春のようです。


さて、前回からプリムスの2243の遍歴をまとめようと思ったのは、昨年今回取り上げるストーブをたまたま入手したことによります。

ゴミのように使い古された道具のなかにこのストーブIP-2243は混じっていました。


メンテナンス前

メンテナンス前



メンテナンス前



何気なく手にとったところ、これは日本で販売された最初期の2243の特徴が揃っていることに気が付きました。そしてバルブ基部のJIAの認証シールを確認すると60-10(昭和60年10月)ではありませんか?


やっと出会えました。

1985年(昭和60年)設立した年度の製品があるかもしれないとは思っていましたが実際に目にするのは初めてです。

1985年に設立したのに製品の販売に至るまでタイムラグがあるのは、JIAの検査•認証を経るのに時間がかかるからと予想していたのですが、なんとなく思った通りだったのではないかと思っています。


この最初期の2243の特徴は7点挙げられます。


1.バーナー下部の遮熱板のエッジの形状

2.バーナー下部の遮熱板に描かれた説明文

(写真参照)


メンテナンス後

3.五徳に滑り止が施されていないこと


メンテナンス後



4.バーナー、混合管、バルブ基部の3つに分解できること


メンテナンス後



5.バーナー基部がアルミの削り出しであること

6.バルブツマミはグレーのプラスチック製

本来であれば、

7.赤いソフトケース付きであること

も最初期の特徴ですが、残念ながらこの製品には付いていませんでした。


何年も使われず錆々の2243ではありますが、その資料的価値に見合うよう、いえ今までの経験からこのような状態でも、新しい2243と同等な働きをしてくれるのは間違いありませんので、少し見栄え良く、でも今までの経年による変化、劣化をすべてきれいにするのではなく、38年という時間経過も感じられるよう程々に掃除をしてみました。


メンテナンス後


そして見事に青くきれいな炎のリングを見せてくてました。


メンテナンス後


今日、こんなに時間経過した製品が遜色なく使える例はそれほど多くありません。

この素晴らしいストーブの魅力を歴代の2243を通してお伝えできたらと思っています。