デジタルオーディオを語る その(4)! | キャメロン タカ51のデジタルオーディオ談義

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最近、デジタルオーディオ機器類とハイレゾ音源にはまっています。使用しているデジタルオーディオ機器類と、その接続方法等を紹介していこうと思います。

バランス駆動ヘッドフォン

  ヘッドフォンにはケーブルが断線したときのために簡単にケーブルを交換(リケーブル)できるタイプがあります。その中には最初からバランス駆動化に対応しているヘッドフォンもあります。その場合は、バランス駆動対応のケーブルにリケーブルしてバランス駆動対応のDAPまたはDAC内蔵ヘッドフォンアンプにつなぐだけでバランス接続再生が出来てしまいます。これをバランス駆動対応ヘッドフォンと言います(例:ソニーMDR-Z7、ソニーMDR-1A、パイオニアSE-MHR5、オーディオテクニATH-SR9、JVC HA-SW01、ONKYO ES-FC300等)。ただし、リケーブルが可能でもバランス駆動には対応していないヘッドフォンもありますので、必ずバランス駆動対応かどうかを確認する必要があります。メーカーではバランス駆動には対応していない(サポート対象外)としていても、ヘッドフォン側ジャックが4極である場合は、ヘッドフォン内部の配線を変える(半田付けし直す)ことにより、簡単にバランス駆動化できる場合もあります。中には自分の好みのヘッドフォンを自作の配線及びケーブルでバランス駆動化する強者もいますが、その改造にはかなりの加工が必要で手間を要します。
 下の写真はパナソニックRP-HD10を分解して、端子を半田付けし直してバランス駆動仕様に変更する過程の写真です。

 音楽を再生するとき、ヘッドフォンの中に電気が流れて行きます。その流れて行く側をホット(+)と呼び、戻って来る側をコールド(-)と呼びます。そして、ホットとコールドを周囲の影響から守るのがグランド(シールド)です。シングルエンドのヘッドフォンではこのグランドをホットとコールドが共有する形で使っているので、両方が影響しあってしまい音を悪くするのです。バランス駆動化改造というのは、この3つの信号線を取り外して新しく線を半田付けしてケーブルを作り、バランス駆動対応のDAPまたはDAC内臓アンプにつなぐことでバランス接続が完成します。ただし、“その(2)”でも説明しましたが、“ピンアサイン”を間違わないようにケーブルを作らないと、まともな音が出ない、最悪は接続機器を壊すことになるので注意が必要です。

 

バランス駆動イヤフォン

イヤフォンはヘッドフォンとは構造の違いからバランス駆動化できるかどうかが明確です。イヤフォンでもリケーブル対応のものは、端子の形状の違いはありますが、バランス駆動対応ケーブルにリケーブルすることによってバランス駆動化が比較的容易に出来ます。イヤフォンでもリケーブル出来ないもの、つまりイヤフォン本体とケーブルが一体となっているものは、素人ではバランス駆動化の改造がまず出来ないと思っていいでしょう。

イヤフォンのリケーブルは最近人気ですが、リケーブルにもイヤフォン側の端子の規格がいくつかあるので下記に紹介します。

 

A.    MMCX

 シュアを初め、ウェストン、UE、オンキョー、ソニー、パイオニアなど多くのイヤフォンに採用されている規格です。このタイプが一番リケーブル製品の選択肢が多いです。ただし、MMCX規格でもメーカー独自の形状もあり、稀にメーカー指定のものでないと装着出来ない場合もあるので注意が必要です。

 

B.    カスタム系2ピン

 2ピンにも様々な種類があり、2ピンと言えば主に、JH Audioを筆頭にしたカスタムイヤーモニターで多く採用されている形の端子のことを指します。最近は中華系イヤフォンでも、この形状が採用されているものが多いです。リケーブル製品の選択肢も結構多いです。

 

C.    その他(個別モデル、各シリーズ用)

 ソニーのEXモニターシリーズや、オーディオテクニカのIMシリーズのような、独自形状の端子もあるので、リケーブルをする際は注意が必要です。独自形状のリケーブルの大部分はイヤフォンメーカー自社でリケーブルを用意していることが多いですが、稀にサードパーティーで製品化されていることもあります。

 下の写真はソニーMDR-EX1000にサードパーティーのBeat Audio社のバランス駆動対応(Φ2.5mm 4極)のケーブルをリケーブルしたものです。

 

注意点

 イヤフォンでリケーブル可能なものはバランス駆動化が比較的容易に出来ますと説明しましたが、イヤフォン本体側の端子形状に合い、しかもバランス駆動対応のケーブル(ソニーのΦ4.4mm 5極、パイオニア、オンキョー、アイリバーのΦ2.5mm 4極、ソニーとJVCのΦ3.5mm 3極X 2本、ラトックのΦ2.5mm 4極およびΦ2.5mm 2極X 2本、その他XLRコネクターピンなど)以外では、バランス駆動対応のDAPおよびDAC内蔵ヘッドフォンアンプとはバランス接続が出来ないので注意が必要です(特殊なものもありますが)。バランス駆動対応のDAPまたはDAC内蔵ヘッドフォンアンプが、どのバランス駆動対応のケーブルに対応しているかを確認する必要もあります。リケーブル=バランス化ではないのです。DAPまたはDAC内蔵ヘッドフォンアンプへの接続がバランス駆動化されていないと、バランス駆動とは言えないのです。

 

 

                                                                                                                                                                               ・・・続く