言葉が繋がり読書も繋がる。(May 4, 2024) | 微睡のブログ〜八ヶ岳南麓から〜

微睡のブログ〜八ヶ岳南麓から〜

八ヶ岳南麓、北杜市長坂町小荒間に在住。ときどき仕事をしながら、読書、音楽鑑賞、カメラ撮影、オートバイツーリングなどの趣味を楽しんでいます。

5月4日(土)

 7時半起床。快晴。気温12度。体重75.1キロ。

 体重が増えた理由は明白だ。お客や孫が泊まっており生活のペースが狂ったからだ。とくに食事がいつもとちがうのである。

 

 

 9時半K子は孫とKさん母娘と一緒に尾白川リゾートオートキャンプ場へデイキャンプに行く。ぼくはお留守番である。ぼくが留守番になったのは、息子がキャンプに合流することになっており、そうなると車は定員オーバーになるからである。

 陽気はポカポカである。誰にもじゃまされることなくウッドデッキでくつろいで読書。みなが川辺で楽しんでいる事から青空文庫の作品タイトルから「せせらぎ」や「渓流」を検索し、「渓流」はなかったが「渓」から若山牧水の「渓をおもふ」という。牧水には故郷の渓流について書いたすてきな文章があるが、「渓をおもふ」も、水上、川の源流を常に求めている牧水らしい心にしみる名文だ。

 

 

 次いで「せせらぎ」の連想から釣り名人で優れた随筆家佐藤垢石の「細流の興趣」を読む。短いが、鮒釣についての蘊蓄を傾けた面白い文章だ。次いで山村暮鳥「小川芋銭(うせん)」を見つけて読んだが、いうまでもなく「小川」がヒットしたのである。小川芋銭は初めて知ったが画家である。もう一つ野口雨情「小川芋銭先生と私」も読んだが、これを読んでも明治大正期小川芋銭が評価の高い画家だったことがわかる。野口雨情はもう一人、長井雲坪という画家のことにも触れているが、この人は優れた画家であるが奇人で、家に大勢のこじきを寝泊まりさせ、自分は台所の隅で絵を描いていたという。カッパや猿の絵が有名らしい。火野葦平の『河童』という本を持っているが、あるいは表紙の絵は長井雲坪か。本が見つからないので確かめられない。こんなふうに言葉の繋がりでいろいろ読んでいくと思わぬ発見があって興味がつきない。午前中最後の読書は寺田寅彦「笑い」であった。

 

 

 午後はのんびり過ごす。お客を恐れて姿を隠していたモカとミサキが姿を現し、ウッドデッキの椅子ですやすや眠っていた。

 3時過ぎ武者小路実篤『愛と死』の教材化作業をする。

 

 

 4時K子たちがキャンプから帰る。息子も無事合流したようで一緒に帰ってきた。Kさん母娘はわが家にもどらず長坂駅から電車に乗ることになっていたが、予定していた電車まで時間があるということで一旦家にもどってきた。家は一気ににぎやかになった。