ボルヘスだって嫉妬するにちがいない。(Dec. 30, 2023) | 微睡のブログ〜八ヶ岳南麓から〜

微睡のブログ〜八ヶ岳南麓から〜

八ヶ岳南麓、北杜市長坂町小荒間に在住。ときどき仕事をしながら、読書、音楽鑑賞、カメラ撮影、オートバイツーリングなどの趣味を楽しんでいます。

 12月30日(土) 8時40分起床。快晴。気温0度。体重71.6キロ。

 朝寝坊した。午前中は軽くリハビリの自主訓練。

 午後、萩原製菓店へ頼んでおいた正月の餅を取りに行く。それから業務スーパーで食品や調味料などを買う。明日Aくん、Kくん兄弟が泊まりに来るのですき焼きぐらいしてやろうと韮崎のワタナベで肉を買う。長坂にもどり、サンロードで猫砂、北部安売りセンターで野菜などを買う。安売りセンターは老夫婦が店を守っていたが、おばさんは病気入院中でもう復帰できないということで、おじさんが一人で立ち働いていた。

 帰宅後、萩原製菓店で買った和菓子を食べる。K子は疲れたので仮眠を取るという。ぼくは久生十蘭の「新西遊記」を読む。河口慧海の『チベット旅行記』などを元にしたものだろうが、秘境小説ともいうべきもので、十蘭の豊富な知識、圧倒的な描写力には何度読んでも舌を巻くばかりだ。かのボルヘスも十蘭の天才に嫉妬するのではないだろうか。

 

 

 次いで「ノンシャラン道中記」を1話だけ読んだ。若い頃、といっても二十代半ばの頃だが、ちょうどこの寒い時期のことだった、締切のある仕事に追われていた。辛くて仕事から逃げたくてならず、つい手元にあった教養文庫版の久生十蘭を読み始め病みつきになってしまった。仕事の締切が迫るのに読むのがやめられなくなり、困ったことになったと内心大いに焦っていたのだが、教養文庫版3冊を読み終えたことで、嫌々ながらダラダラ仕事を続けるわけにもいかなくなりかえって集中力が増して、幸いなことに仕事は締切に間に合った。そのときもっとも印象に残ったのが「ノンシャラン道中記」や「黄金遁走曲」で、物語の面白さもさることながら漢字についているカタカナのルビ(フランス語だ)がきらびやかでかっこよかった。