骨太の演出が最高(Jun. 2023) | 微睡のブログ〜八ヶ岳南麓から〜

微睡のブログ〜八ヶ岳南麓から〜

八ヶ岳南麓、北杜市長坂町小荒間に在住。ときどき仕事をしながら、読書、音楽鑑賞、カメラ撮影、オートバイツーリングなどの趣味を楽しんでいます。

 7月18日水曜日。7時25分起床。曇天→晴れ。

 昨日と変わらぬ1日。K子は6時から苺摘みアルバイトで、正午過ぎに帰ってきた。ぼくはウッドデッキに出て、太陽に照らされたので居眠りをときどきしながら読書。小山清「朴歯の下駄」と「メフィスト」を読む。前者は馴染みになった花魁の話。純朴な花魁がいい。美人とはいえないが純朴で実のある女が小山清の小説にはよく出てくる。幸せを願わずにはいられない。タイトルは語り手が朴歯の下駄で廓通いをしていたことによる。

 後者は洒落の効いた小説だ。青森の金木に家族共々疎開していた太宰治の家で留守番をしている語り手は、太宰宛にくる出版社や未知の人たちからくる手紙などを仕分け大宰のところに転送したり、訪問者の相手をする仕事をしていたが、太宰太宰で自分小山清の所に何も来ず人も訪ねて来ないことに次第に嫌気がさし、悪戯を思いつく。ある日、自転車に乗った若い女が太宰治さんはおいででしょうかと訪ねてくる。そこで語り手は、私が太宰治ですといい、家に招じ入れると、太宰の訛りを真似してあることないことをしゃべる。もとよりわれわれは太宰の訛りがどうだったか知らないのだが、なるほどいかにも太宰治が言いそうだな、きっとそっくりなのだろうなと思う。むしろ似てる似てないではなく、太宰が憑依した小山清が独演しているかに見えるけっさくである。

 

 

 午後4時過ぎにいのうえ整形外科クリニックでリハビリを予約しているので自宅でも少し自主訓練をする。昨日は軽くやっただけなので腕が少し軽く感じる。

 K子は午睡。ぼくはYouTubeで大谷の活躍をチェック。ピッチャーとして10奪三振、7勝目、2本のホームランにYouTubeも興奮気味だ。

 K子の運転でクリニックへ。ぼくがリハビリの間K子は買い物。リハビリは同じことのくり返し。完治まで、完治するかしないか不明だが、相当の日数がかかるということなので、焦らずにくり返しに耐えなければならない。

 夕食前に勝新太郎、田村高広主演、増村保造監督『兵隊やくざ』を観る。傑作だ。大傑作である。監督の骨太の演出がよい。モノクロがよい。主演の2人も最高だ。