入院58日目(転院27日目)〜彼女なら読んでくれるだろう | 微睡のブログ〜八ヶ岳南麓から〜

微睡のブログ〜八ヶ岳南麓から〜

八ヶ岳南麓、北杜市長坂町小荒間に在住。ときどき仕事をしながら、読書、音楽鑑賞、カメラ撮影、オートバイツーリングなどの趣味を楽しんでいます。

 4月19日水曜日。6時55分起床。快晴。

 4時に目覚め、起床時間までうつらうつら過ごす。体はまだ眠っている。パンを食べる夢を見た。パンは27日前、転院する途中で買ったコンビニのサンドイッチを口に入れて以来食べてない。夢に出てきたのはトーストすれば香ばしいセルクルの全粒粉入りのイギリスパンだ。しかし夢の中では変な食べ方をしようとしていた。パンをポテトチップスよりも厚めに削ぎ、フライパンで卵やハムと一緒に炒めようとしていた。食べる前に、いや、料理する前に夢から覚めた。食べればよかった。

 今日も3回のリハビリ。このところ左肩を中心にやられてるので軽い筋肉痛で重だるい。

 ラブレーを読み終えたので今日からマルセル・プルースト『失われた時を求めて』の2冊本の縮刷版を読み始める。病院で読むにはとりあえず縮刷版でよい。

 3回目のリハビリは午後5時10分に終わった。夕食は6時なので外を歩くことにした。昼頃は気温が高く生温い風が吹いていたというが、涼しい風に変わっていた。少し歩いてベンチにすわってぼんやりしていると、仕事を終えた職員や療法士たちが私服に着替えて建物から出てくると、駐車場へ向かって歩いていく。お互いにマスクをして接しているので、知っている人なのかどうかわからない。1日の仕事を終えて、ホッとしたような疲れた後ろ姿を見ていると、この病院に転院してきて初めて、日常生活に触れられたように思い、同時に、そういう普通の日常生活から外れていることに寂しさを覚えた。

 体温や血圧を測りにくる若い看護師がぼくの読書に興味を見せた。最近読めなくて、というので文庫本を貸す。最近読めなくて、という人は多いが、彼女は読んでくれると確信したから。