4月17日月曜日。7時起床。快晴。
夢を見た。ぼくは女の英語教師だった。初めての授業の教材を探していたらあるビジネスレターが目に留まった。'if'使わない仮定法の文章がふくまれていた。いきなり学生にレターを訳させて彼らの英語力を確かめることにした。
しかしここから夢はぐちゃぐちゃになっていく。ビジネスレターが紛失した。盗まれたのかもしれない。学生たちとレターを提供してくれたスーツをきっちり着こなしたハンサムガイが探すのを手伝ってくれる。夢は断片化していく。ハンサムガイと空港にいた。(飛行機でも墜落したのか)薄暗い海に浮かんでいた。ここにはサメがウヨウヨいる! と、いきなり、少し離れた海面がぐいと持ち上がると何か黒いボール状のものがニュッと浮かび出た。目がある。オットセイ? ハンサムガイだった。髪の毛が頭や顔に黒く張りついていたのでオットセイに見えたのだ。背鰭は見れないが彼の周囲をサメが回遊している気配がする。思わず後ろ泳ぎすると手に何か固いものに触れた。海岸の岩だ。助かった。夢はここで飛躍する。場所は伊豆の東海岸のような場所で、海岸沿いの道を猛スピードで走る軽自動車の後部座席にいた。ハンドルに覆いかぶさるように背中を丸めて運転しているのは若い母親で(子どもは車のどこかにいた)、飛ばしているのは助けた私のためというよりも彼女なりのわけがあるらしい。
一夜明けたのかも知れない。私が運転して長い坂道を下っていた。若い母親の車ではない。運転に慣れている感じからすると自分の車だったのだろう。どうやら英語の授業に急いでいるようだ。しかし、途中の洋菓子店の前で車を停めると、朝食を食べることにした。陳列ケースはほとんどからで、残っている一個は、モンブランのような形状の、大きく、どう見ても焼きそばとしか見えない代物だった。ケースの蓋を開けて自分で取るのだが、焼きそばが崩れそうで不安である。案の定崩れそうになり店主にそうじゃないと叱られた。
授業に急ぐ。と、今度は長い葬列に出会した。亡くなったのは騎手らしい。競馬のときの服装をして騎乗した騎手たちの長い列が続く。
午前中のリハビリの前に屋上を歩く。風が冷たい。また黄砂で山々は霞んでいる。
リハビリ終了後、昨日から読み始めた岩波文庫のコンフォード『ソクラテス以前以後』を読む。
午後K子は車検の見積もりに行ったようだ。ぼくが入院中はいろいろなことをやってもらわなければならない。
病院の敷地を自由に歩ける許可が降りた。午後のリハビリの後お風呂があり、その後初めて1人で外を歩いてみた。入浴後の熱った体に少し冷たい風が心地よかった。
夕食後田村泰次郎「肉体の悪魔」を読む。戦時中の日本兵と捕虜になった中国人女性の恋。ありえない話ではないと思うが、何か違和感が拭えなかった。