点滴は半分残っていたが昼食の時間前に外してくれた。しかし水分は取ってといわれたので自動販売機のあるデイルームへ行く。コインを入れようと右腕を伸ばしたら、点滴の針を刺していたところから血止めがしてあったのにもかかわらず血が流れていた。廊下にいた看護師に処置してもらう。血液をサラサラにする薬を飲んでます?と聞かれた。
K子が着いたと連絡をくれた。病室に昼食が運ばれてきた。君は食べたの?と返信すると、調達すると返事があった。1700カロリーの昼食の写真を送る。するとしばらくしてK子から病院の食堂で食べたという美味しそうなランチの写真が送られてきた。
食後管理栄養士がやってきた。来週からまた入院ですよね、食事はどうでした? 1700は身長体重から算出したという。急にふくらはぎのもっとも太いところを両手を輪にしてつかめますかといわれる。やってみるとつかみきれない。太っていてもつかみきれてしまう人がいますが、そういう人は筋肉が落ちているんですよ、まだ大丈夫ですねといわれた。
1時に医師が昨日の検査の結果や手術について説明に来るというのでK子と8階のデイルームで待つ。廊下に出てまだかまだかとキョロキョロしていると、白衣を着た若い看護助手のような人が来て、1階の診察室の外で待ってくださいといわれる。1時に医師の説明、1時20分退院の段取りだったが甘かった。医師の予約待ち時間が90分になっていた。他の医師の診察は終わっているのに、まだ4人の患者が残っている。技倆のある医師なのだ。だから患者が引も切らずなのだ。そう考えて待つことにした。つき合わせているK子には申し訳ない。
ようやく名前を呼ばれる。スキャンされた首の画像を見ながら説明を受ける。医師は小声で早口だし、ぼくの耳がキャッチしにくい声なので、はい、はい、と頷くもののよくわからない。医師は付き添いのK子を見て話す。K子も頷いているが聞こえているのだろうか。しかし、似たような説明はもう何度も聞いているのでどこが具合が悪いかわかっているし、手術や治療法の説明はわからなくて当然だと。いずれにせよ、説明がわかってもわからなくとも、医師を信頼して任せることにしたので任せるしかない。21日入院、22日手術後が決定した。全身麻酔で3時間かかるという。入院についての説明を看護師から受ける。
医師に難病指定の相談をして、隣の建物にある医療社会事業部を訪ねて手続きについて教えてもらう。病院を出たときは4時半になっていた。入院中は空腹を覚えなかったが、いろいろ動き回ったからだろうか、ひどく空腹を覚えた。チョコレートが食べたい。K子を採点のアルバイトをしている公文まで送り、帰宅は5時半になった。