白秋は秋の異称で、中国では秋が白のイメージなので、そこから白秋という言葉が生まれたという。今朝は薄曇りで景色が白っぽく霞んで見えるので、いかにも白秋という感じである。しかし、このような感じを白秋とは本当は言わないのかもしれない。白州とはもっと明るく澄んだ感じの日のことを言うのではないか。でも、間違った使い方かもしれないけれども、今朝はやはり白秋であるといいたい。
10時半K子は公文へ採点のアルバイトへ。ぼくは午後の仕事の準備。昼食はいつもK子任せだが、彼女に帰りは昼過ぎになり、ぼくはK子に送ってもらって1時前に家を出なければならないので、ぼくが作る。親子丼にした。
予定通り1時前に家を出て、長坂駅1時15分甲府行きに乗る。車中では牧野信一を読む。
今日も脚の調子がよくない。駅から職場まで歩いていると、左脚は重いし、ふらつきまっすぐ歩けない時があった。
仕事は短時間で終える。楽な仕事で幸いだ。それでも、普段人とあまり接することがなく、話し相手はK子と猫たちだけという生活なので、相手のいる仕事の後は疲れないわけではない。
定年の2年前にぼくのいた部署に後継者として採用されたAさんと久しぶりに会った。有能な人なのでいくつも責任のある仕事を任されているようだ。ぼくは趣味を優先する人間なので、Aさんのように有能ではないし、責任ある仕事を負わされる前に定年になってよかったとつくづく思った。が、よく考えてみれば、考えてみなくとも、ぼくにそんな重大な責任を任せようという上司がいるわけなかった。仕事はする。しかし、滅私奉公は拒否する。
帰りの電車では睡魔と闘いながら谷崎潤一郎『少将滋幹の母』を読む。
夕食後アニエス・ヴァルダ監督の『ラ・ポワント・クールト』を観る。ドキュメンタリー映画と男女の別れの物語が一つになった不思議な味わいの映画だった。ヴァルダ監督はやはりよい。