野鳥の巣箱と金魚の水槽(Nov. 19, 2022) | 微睡のブログ〜八ヶ岳南麓から〜

微睡のブログ〜八ヶ岳南麓から〜

八ヶ岳南麓、北杜市長坂町小荒間に在住。ときどき仕事をしながら、読書、音楽鑑賞、カメラ撮影、オートバイツーリングなどの趣味を楽しんでいます。

 好天に恵まれる。

 11時K子と落葉を集めに行くことにする。山へ入る前に三分一湧水館へ行き巣箱や野菜を買う。巣箱は自分で作ればよいのだが、暇人でありながらそれに時間を費やすことができない。いろいろなことが億劫なのだ。しかし巣箱が欲しい。シジュウカラが営巣し、卵を産み、雛を育て、雛が巣立ちするのを見たい。それもわが家の庭で。

 

 

 八ヶ岳高原道路を横切って山に入る。唐松はだいぶ落葉し、道の両端に厚い絨毯のように積もっている。よい匂いだ。熊手を用意してきたのでぼくが唐松やその他の落葉を掻き集め、K子がビニール袋に詰める。下から女性が上ってきた。八ヶ岳高原道路を横切ろうとしたとき、小淵沢の方から走ってきた女性だ。挨拶すると明るいにこやかな顔で挨拶をかわす。汗がきらきら輝いている。どこから走ってきたのですかと聞くと、小淵沢の道の駅あたりから、週末東京から来て走っています。驚く。距離も相当あるし、長い結構急な登り坂だからだ。われわれは球根を植えた庭に敷き詰める落葉を集めにきました。唐松の落葉はいいんですよというと、女性は急にしゃがんで落葉を摘み、これが唐松の落葉なんですか、勉強になりましたといいながら立ち上がり、さらに上って行った。

 数袋分の落葉を集める。車の後部座席やトランクに詰め込むと、われわれも車で上る。上に車が駐車できるスペースがあり、もう紅葉は終わっているだろうが、そこからさらに徒歩で山道を上れば、深い山の静寂を楽しめる場所があるのだ。駐車スペースにつくと馬がいた。先ほどの女性が騎手と親しげに話している。小淵沢の道の駅の辺りからと女性はいってたが、さては牧場の関係者なのだろうか。

 

 

 われわれは下っていく馬の邪魔をしたくなかったのでしばらく山歩きを楽しむことにした。野鳥の鳴き声、ほら、とK子がいうが、耳が遠くなったぼくには聞こえない。でも、枝から枝へと飛び移る野鳥たちには気づく。シジュウカラの群れのようだが、エナガらしいのもいた。

 山道を上り始めてすぐ景観がすっかり変わってしまっていることに気がついた。黄葉が美しかった白樺が切られ姿を消していた。森の木々も広範囲に伐採されている。視界が広がり、八ヶ岳も南アルプスもよく見えるようになったが、全く別の、初めての場所に来たようだった。マユミのピンクの花が咲いていた。

 

 

 山を下り、セルクルで全粒粉入り食パンを一本買う。地元で人気のあるやまよしで昼食を食べることにする。遅い時間に行くと食べられないこともあるが、午後1時少し前で間に合ったが少し外で待たされた。さまざまな年齢層の客がいる。チーズハンバーグを食べる。ボリュームがある割に安い。

 K子が竹箒が欲しいというので、小淵沢駅を下ったところ、郵便局の隣の店に寄る。小さな店だが、店内には大きな蜂の巣やらカンジキやら竹籠やら面白いものが並んでいる。いつか昔の捕方が罪人を捕縛する鉄製の棒状のものを見せてくれたお婆さんとしばしおしゃべり。竹箒を買ったK子はヤーコンを3個もらう。自分のところで採れたという。

 一時帰宅し、落葉の詰まった袋を車から下ろし、しばらく休んだ後買い物に出かける。K子は落葉を庭に敷くつもりだったようだが、もう少しチューリップの球根を植えたいので買い物に付き合うという。ぼくの買い物の目的は金魚の水槽である。現在は玄関の外に置いた四角いプラスティック桶で飼っているが、凍結する日も近いだろう。年内はまだそれほどでもないだろうが、1月2月は油断しているといつの間にか氷が厚く張り、膨張した氷が水槽を破壊してしまう。陶製の鉢などひとたまりもない。

 買い物から帰ると、K子は買ってきた球根を植え、その上に落葉を敷く。それが終わると、やはりこの竹箒いいわと嬉しそうに掃き掃除。その間ぼくは巣箱を木につける準備をする。どこにしようかあれこれ悩んだ末、桜の木の2メートルほどのところにつけることに決めた。低すぎるかなとも思ったが、いまのぼくにはそれ以上高い場所につけることはできない。脚立の1段か2段上ればできる作業なのだが、K子が許してくれない。そんな低いところからでも落ちて運悪く頭を打ったら半身不随の惧れがあるのだ。自分で木に括り付けたかったが、K子に任せるしかなかった。

 2度ほど車のディーラーから電話があったが無視する。買い替えを勧める電話だろうが、買い替えず乗り続けることに決めたからである。弟たちにも意見を聞いたがーーこういうことにぼくは疎いのだーー2人とも今の車に乗り続けるべきという意見だった。

 今日は1ページも読んでなかったので坂口安吾の「中庸」という小説を読む。田舎、村社会を諷刺したファルス。

 夕食後映画『ノア 約束の舟』を観る。意外に面白かった。