本の道草が楽しい。(Sep. 30, 2022) | 微睡のブログ〜八ヶ岳南麓から〜

微睡のブログ〜八ヶ岳南麓から〜

八ヶ岳南麓、北杜市長坂町小荒間に在住。ときどき仕事をしながら、読書、音楽鑑賞、カメラ撮影、オートバイツーリングなどの趣味を楽しんでいます。

 今日もおだやかな1日だった。睡眠も比較的長くとれたので体調も悪くない。

 午前中は、来週月火の仕事の資料作り。ほとんど出来合いの資料で、そのまま使っても問題ないのだが、バージョンアップした。意外に時間がかかり、気がつけば、K子からお昼できたわよと呼ばれる時間になっていた。

 昼食後、井伏鱒二の短いものを数篇読む。

 午後3時、散歩がてら八ヶ岳文化村へ行くことにした。体調は悪くないと書いたが脚の調子は悪い。歩幅がやけに狭い。脚が上がっていないのだ。

 

 

 文化村を訪れたのは本探しである。断捨離を考えなければならない年齢だが、どうしても蔵書を売る気になれず、とはいえさすがにもう読めないと思ったので昨年数百冊の洋書は親しい古本屋に仲介してもらって売りはしたものの、大量にある和書で文化村に私設図書のようなものを作ったのである。来月の文学講座では音楽随想か、美術随想か、あるいは両方を読もうと予定しており、吉田秀和がすぐ頭に浮かび彼のクラシック音楽についての本はあるのだが、確かパウル・クレーについて書いた文章があるはずなのである。本はとりあえず本棚に突っ込んだだけでほとんど整理してないから、端から端まで背伸びしたり屈んだりしなければならない。しかしそうして本を引っ張り出していると、読みたい本やら買ったまますっかり忘れていた本やらが見つかり、ついつい本を開いてしまい肝心の用事を忘れてしまう。まあ、その道草も楽しいのだが、そうそう道草ばかりしていられない。ようやく吉田秀和著『セザンヌは何を描いたか』(白水社)が見つかった。さて、文学講座で取り上げるのに相応しいだろうか。しばし読み耽る。面白い。常識にとらわれず、セザンヌの絵に虚心に向き合い、心に浮かぶ疑問に答えるというよりも、疑問を言葉にしようという姿勢がよい。クレーについての文章は見つからずなかったが、この本を持ち帰ることにした。